渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ホントの話

2020年08月18日 | open


平成元年から真剣刀術をやっていますが、
刀の抜き差し、剣技の稽古と演武において
私は手を切った事がこんにちまで一度も
ありません。

抜刀してから人に教えている時に、しゃべ
りながら説明していて、平地が腕にパン
と当たって、大量出血して救急車という
失態は一度あります。
あの時は、道場の皆さんに迷惑かけたと
同時に、あまりに出血がひどいので、あ、
こりゃ死ぬね、ここで来たかと瞬時に覚悟
して、妻に救急車の中から携帯で架電し
て、「たぶん駄目だから、後のことは頼
む」と申し伝えた。
うちのかみさんも覚悟決めるの早い人なの
で「わかった」と答えた。そういう夫婦。
彼女も私もそうした時に泣き叫んだり、
おののいたり怯んだりは一切無い。
いや、これホント。

たまたまのラッキーで、動脈は切ってなか
ったので運良く助かった。
また命を拾ったか、という感じだった。
その時は15針縫ったけど、おいらの身体
縫い傷だらけ(笑)。金属片摘出やら、
刺突傷縫合やら何やらで。
麻酔無しの縫合はですね、結構、てか、
かなり痛いのだす(笑)。
ありゃ縫合そのものより、消毒の時の
グリグリがフンギャーだよな。モルヒネ!
とか言ったら「打つと死ぬ!」とか怒鳴ら
れた。そんくらい痛い。
刀で怪我した時は、施設病院での治療だ
ったので、局部麻酔で裂創部を洗浄しな
がらメディックではなくちゃんとした医師
が縫合した。
麻酔効いてるから全然痛くないのだけど、
洗浄するのは医療用歯ブラシでやるのよ。
グリグリごしごしと。洗浄液流しながら。
見てるとヒョンゲ〜!と結構エグい。

手入れの時に手を切ってしまった事は
何度かあります(笑)。お恥ずかしい。
絆創膏程度の。
しかし、抜刀術で手を切った事は無い。
武技で使う日本刀は怖いから。
鑑賞の時の世界と全く違うから。
怖いので、物凄く集中して気をつけて
いる。私は。
これ、日本刀でも下手に怪我すると死に
至るけど、実銃だったら即死とかのケース
多いからね。
日本刀も銃も武器なのだということを
絶対に片時も忘れてはならない。
日本刀では「手を切るのはお約束」とか
考えている人がいるとしたら、即刀を扱う
のはやめてほしい。死ぬよ、そのうち。
そんな心構えだと。
いや、ホントに。
死にそうになったら、即その場で覚悟すれ
ばいいことだけどさ。刀を持つくらいなの
だから。覚悟無き者など刀など持てない
のだから。これは日本刀一千年来。

刀などはどんなに綺麗事言っても、武器
のだから、死への覚悟がない人間は
日本刀扱う武術をやるべきではない。
真剣日本刀を使う武技はオママゴトじゃ
いのだから。
だからこそ真剣に。
心の芯から真剣に。
心棒のシンは心と書くでしょ?
本気の本物の真剣さを以て真剣日本刀と
接しないと、かなり危ないんです。
死んじゃうから。人は簡単に。
日本刀との付き合いは、宜しくどうぞ。



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