渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ワンコと偶然再会

2023年12月17日 | open

 

うちの初代ワンコ。
私が描いて、原宿キャットスト
リートに店を構える犬仲間の友
人がスタジアムコートに大きく
刺繍してくれた。
正確には私が描いた絵を友人が
私の娘が生まれた時のお祝いに
と、私と妻と娘ようにウエアを
作ってプレゼントしてくれた。

結婚して暫くして犬を飼った。
都内から神奈川県川崎の師匠の
道場に通う道すがら、見かけ
たペットショップにいた犬が
とても愛想がよくて、釘付け
になった。
翌日の稽古の行き帰りの途中
でもかぶりつきで見ていた。
実に活発だ。
うちの最初の息子(人間)が
死んでから何年かが経っていた。
妻に犬を飼う事を提案した。
妻は快諾し、一緒に川崎まで
見に行った。

もうすでに売れていた。
とても落胆したが、ショップの
人が別店舗に同じ犬舎のブリー
ダーさんから受けた、ここにいた
売れた子の兄弟がいる、という
事を告げられた。
その足で横浜の別店舗まで赴いた。
すると、売れてしまった犬に
そっくりな子が2頭いた。
妻が抱き上げるとよく尻尾を振っ
て顔を舐めたほうをうちに迎える
事にした。
家庭名はルーク・ランドウォーカー
と名付けた。キャバリアなので、
ジェダイたれとの思いで。
死んだ子の代わりではないが、ルー
クはとてもかわいかった。

だが、死んだ。
私の娘が生まれる時に、若い犬の
散歩仲間が厚意で預かってくれる
事になり預けていたら、その夫が
酒に酔って殴り殺した。
殴った上、押し入れに閉じ込めて。
その寒く暗い場所でルークは内臓
破裂と鼻骨骨折で死んだ。
私たち夫婦は途方に暮れた。
娘と妻が退院した時に1歳になった
ルークも迎えに行く筈だったが、
まだ退院したばかりで妻も大変だ
ろうからと友人が継続で預かる
事を提案し、それに甘えさせて
もらった矢先だった。
泣きながらうちに謝りに来たまだ
若い夫婦は、その後離婚した。
私たちも、もうこの土地は近いう
ちに離れようか、となった。
何もかも捨てて、家族だけで別な
場所に移り住もう、という事に
なった。

そうしている時、ある仕事で横浜
のあるお宅を訪ねた。仕事上。
すると、玄関にキャバリアがいた。
あ!と感じた。
ご主人に尋ねてみた。
「もしかしてこの子、川崎の○○
というお店に何年何月何日頃に
いた子では?」と。
その通りだった。
私の家に迎えられなかったその
もののワンコがそこにいた。
「なぜ知ってるのですか?」と
飼い主さんは驚いていたので、
事情を話すとさらに驚いていた。
そうした再会というのはあるのか
と。世の中、まず無いような話。
私の家に迎えられなかった子
そのもののワンコが今目の前に
いた。思いっきり尻尾振ってる。
でも他人様の家の子になっている
からもらうわけにはいかない。
だが一目で判った。特徴があった
からだ。
その日、仕事どころではなかった
が、飼い主さんのご厚意で、しば
らくそのワンコをなでさせても
らっていたのだった。
背広は犬の毛だらけ(笑)。

犬との関係までそうした出会いの
奇縁がある。




この記事についてブログを書く
« 奇縁 | トップ | ねぇ、マリモ (2012年記事... »