
「友禅川」のタイトルバック撮影当日は
晴天でした。雨が降っても情景として
別に問題はなかったのですが
京都市内のあちこちを走りまわって
カットを拾っていくので
晴天の方がありがたいのでした
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下鴨神社境内、清水寺舞台、
南禅寺三門、金閣寺、東洞院の反物屋などです。
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伊藤武夫さんは各現場で、キャメラのアングルや
構図が決まると、私をキャメラサイドに呼んで
「これでいい…」と
ファインダーを覗かせて
超スピードで伊藤武夫さんは
カットをこなしていかれました

アリフレックス35はミラーシャッターを
使った、一眼レフスタイルのキャメラです
パララックスがなく、ファインダー通りに
撮影されます

当時の神社、お寺で撮影するには
社務所、寺務所に挨拶するだけで撮影ができました
季節外れのときは、境内は人影がなく
ひっそりとしていました

最後に東洞院の反物屋で、座敷に
反物を並べてのカットです
照明器具を持ち込んでの撮影で
少し時間がかかりました
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夕方までに、すべて撮り終わりました
撮りおわったフィルムは、市内花園の
東洋現像所へ送られました
