予想していた通り北八甲田の酸ヶ湯温泉周辺は、登山道の立ち入り規制のみならずクマ被害にあった地点を中心に半径3キロが、国有林であることから管理者である国によって「入山規制」されたようだ。
これによって酸ヶ湯温泉側から北八甲田の大岳方面、谷地温泉から高田大岳に至る一般登山道が閉鎖状態となったようだ。疑問に残るのは、猿倉温泉を起点にする、いわゆる南八甲田といわれる櫛ヶ峰(1516m)や駒ヶ嶺(1416m)方面の登山はどうなんだという疑問がわいた。報道によれば「入山規制」は、すべて観光道路となっている国道103号線を挟んで北側、いわゆる北八甲田のエリアだけのようだ。
人があまり入らないが、夏にはワタスゲが風に揺れる高層湿原とたおやかな山容が魅力的な東北百名山にも選ばれている櫛ヶ峰などの登山はできないのだろうか。と疑問を抱きつつ山と高原地図を見たら、2024年現在、南八甲田の山々をめぐる登山道の多くが難路を示す破線で、ひどい笹ヤブの表記が目立つ。かろうじてピンクテープを頼りに登る状態で、「テープを見落とすと前に進めない」状態であることが分かった。こんな道路状況なので、国はなにも入山規制せずとも人は入らないだろうとでも判断したのかもしれない。
まあ、このような登山道整備の状況では、いつ笹ヤブの中でクマさんとばったり出会うか気が気でないから、今のオイラのような一般登山者は入らないだろうから心配はいらないが、40年前に櫛ヶ峰界隈を歩いたときには「ああ静かで美しい山だな」と感動していただけに、誰も登山道を整備してくれない今の状況は少しさびしい。
オイラの思い込みにすぎないかもしれないが、① 国が予算を削って登山道整備を行わないようになった。→ ② 登山者が減った。 → ③ クマさんたちが不安なく生活できるようになって数が増えた。→ ④ますます登山者が減っていく。→ ⑤ 登山者の少ない道にはますます整備する予算がつかなくなった。という悪循環に陥ってきてはいまいか。
何も八甲田に限ったことではないが、このクマ騒動で、有名山域を除き、今後ますます登山者が減っていくだろうから、静かに歩ける山道がどんどん荒れていくのが心配ではある。仄聞するに.、この間のクマ騒動によって登山者やキャンパーが激減し、あるキャンプ用品メーカーは赤字に転落しているとのことであるが、事実なのだろうか。アウトドア業界の行く末が心配である。
南八甲田櫛ヶ峰(平川市観光協会)
クマ騒動は、日本全国に広がっているような状況であり、宮城県もこの時期異例だが、「くま出没警報」なる警報を28日に発したとのこと。人身被害こそまだないが、6月の目撃情報が例年を大幅に上回っているとのことが理由のようだ。(前年までの5年平均139件に対して今年は178件と3割近くアップしているようだ。)
ますます静かな山歩きを楽しむ層にとって不安な状況となっているのが昨今である。人気の少ないキャンプ場でのキャンプも不安・・・そろそろ夏山の計画も立てたいところだが・・富士山のような人混みもいや、人の気配のない山もいや、宿泊料金の高い山小屋もいや・・・では選択肢がドンドン狭まりそうで・・・・いやになってくる。
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