遊びをせんとや

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キーワードは東北 その① ~ぼくがアメリカ人をやめたワケ~

2021-02-24 20:11:19 | ブックリスト
新聞の書評欄を毎週楽しみにしている。
我が家は2紙とっているので、「今週はAの勝ちだな。」とか
「今週は五分五分」「今週は圧倒的にMの方が面白そうだ。」とか
書評欄だけで色々楽しめる。

それまで日曜日に掲載されていた書評欄があいついで二紙とも土曜日に移行した。
これは、先行されてたまるかというライバル意識の表れ?

同時に同じ本が掲載されることは私の記憶ではめったになく、
1週ずれくらいに載ることはある。

これはどちらの書評欄に載ったかは今では覚えてないが、
「読んでみたい。」を思わされた本

ロジャー・パルバース著
「ぼくがアメリカ人をやめたワケ」



著者は1944年(終戦直前だ)にニューヨークで生まれ、ハーバード大学院まで出たイケメン秀才。
アメリカ人をやめて日本人になったわけではないが、すごく日本に思い入れがある。

結局、オーストラリアの政治にほれ込んでオーストラリア国籍を取得するロジャーさん。

その彼が特に宮沢賢治の童話と石川啄木の短歌に造詣が深い。
私、この2人とも実は苦手なのよね。
なんでか、知らんが、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」は小学校4年生くらいにすごーく感銘を受けて読んだ覚えがあるんだけど、
どうしてもあとはあの空恐ろしいような深く暗い世界になじめずにいる。
銀河鉄道の夜も全部よんだことないと思う。
注文の多い料理店もなんだか怖い。よだかも怖い。

グリム童話にように底に秘められた人間の怖さが滲み出るようで踏み込めない。

石川啄木も「じっと手を見る。」
これがだめ。

でもこのロジャーさんは東北が日本の犠牲になっていることを憤り、この2人をとてもリスペクトしているのです。

なんだか東北は戦中戦後の沖縄のような立ち位置です。

沖縄は南でイメージとしては明るい。
でも東北は何となく暗い(ごめんなさい。東北の方)

でも私たちが「かわいそう」と思うこと自体がおこがましい、偉そうやんかとすごく思う。

なんだかもぞもぞした思いがいつも残る。

旅してもそうだった。

退職したらやっぱりそのもぞもぞの正体をもう一度確認しに行こう。