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遊びをせんとや

毎日できるだけアンテナを張って
おもしろがりながら楽しみたい。
人は「遊びをせんとや生まれけん」です。

脇阪克二のアイディア箱 清野恵理子 時のあわいに 折にふれて 星野保 菌世界紀行

2025-08-02 10:00:01 | ブックリスト
図書館でできるだけ色んなジャンルの本を予約するようにしている。下手すると時代小説ばかりになって現代に感覚が戻ってこないから。

そんな中で読んだ一冊 脇阪克二「脇阪克二のアイディア箱」


日本のデザインの原点みたいな方である。
フィンランドのマリメッコ、ニューヨークのラーセン、日本のSOU ・SOUでデザイナーとして活躍されている。

その中の一説で印象に残る部分があった。本文からの抜粋である。
たとえばぼくは、
マリメッコ、ラーセン、SOU・SOUという
そのときどきの「枠」に出会うことで、
新しい自分の世界を広げることができた。

「枠」とは、「他者との出会い」だ。
もしぼくがずっとひとりで表現をつづけていたら、
こんなに豊かな景色を見ることはできなかったと思う。

だから、「自分がしたいこと」
を探すことも大切だけど、もしそれが見つからなくて苦しいなら、
まずは、
「身近な誰かのために、自分にできること」
を探してみてはどうだろうか。
そして、その場所でまずは精一杯行動してみるといいかもしれない。

あたなの「BE YOURSELF」は、
案外、そういうところで見つかるかもしれません。


脇阪さんは、24歳の時にマリメッコの代表者に自分の作品を売り込み即採用された方であるが、その時に「BE YOURSELF」という言葉を与えられたそうだ。一時、陶芸にのめりこみ、個展などされていたようだが、自分だけの表現となるとすごく苦しかったそうだ。この一文はとても心に残った。「自分のやりたいことだけを、できる範囲でやる。」というのは案外、ちょっとなんだか物足りない。

そして

清野理恵子さんのミセスに12年間連載していた写真と伴奏した着物随筆。帯締めや帯揚げの色味にこだわり、それですごく印象が変わる着物の色合わせの妙がすごいなと感心した。その時の着物モデルさんの物語が感じられる随想だった。

最後にもう一冊
星野保 菌世界紀行 息子がめっちゃ面白かったと言って貸してくれた本。

多彩なオタクで「雪腐病菌」という寒冷地で繁殖する菌類を研究してグリーンランド、ロシア、カナダ、南極を果敢に訪れる研究者の旅日記のような一冊。イラスト入りの旅の地図が出てくるのも面白い。ウォッカがぶ飲みで最近は健康診断の数値もお悪いらしい。
ロシア研究者との心の交流もさりげなく書かれていて興味深い一冊だった。

というわけで多岐のジャンルに渡る夏前半の読書であった。

昨日の晩御飯は、グリーンアスパラの豚肉巻き、梅ジャムソースを掛けて、アンデスポテトのカレー味、ニラ玉。もずくとセロリの酢の物。キャベツ、しいたけ、玉ねぎ、豆腐のお味噌汁。赤ワイン。

自作梅ジャムに日本酒、醤油、ショウガを入れて少しに詰めてソースにしたら美味しかった。





成熟とともに限りある時を生きる ドミニック・ローホー著

2025-07-13 07:13:04 | ブックリスト
図書館に予約を入れて、かなり待ってから借りれた一冊。
ドミニック・ローホー著 成熟とともに限りある時を生きる

かなりのミニマリストであるドミニックさん。
彼女の本は以前にも読んだことがある。

要するに、人間生きてる時間は限られているのだから、周りの情報に振り回されず、ドンと構えてシンプルに生きようということが書いてあったと思う。
今の年齢の私たちには、とても心に染み入る話である。
情報は観るけれど、自分の実生活の中で感じる五感を大切に自分の心地よいことを選んで行こう。
人生は選択の連続だ。
他人から見た眼を気にせず、言われることを気にせず。
直観型の私だから背中を押された感もある。

これは年金生活者にも自分のここと思うところにフォーカスして、世間の一般を気にしない。

昨日は少し暑さがましだったような気がする。
週一の氏子神社にお参り。散歩がてら買い物をして、午後からミシンでパジャマを縫う。
晩御飯を食べて、お風呂の残り湯で下着を洗い、ヨガをして寝る。シンプルな生活。

昨日の晩御飯、こぐれひでこさんのブログで見たグリーンアスパラを春巻きの皮で巻き揚げるというのをアレンジして、アスパラに豚肩肉を巻き、春巻きの皮、多めの油で揚げ焼きにしていみた。辛子とポン酢で。美味しい!人参アンチョビ炒め。
セロリ、トマトのモズク酢の物。枝豆。玉ねぎ、シイタケのお味噌汁。



木挽町のあだ射ち 永井紗耶子

2025-06-30 06:55:40 | ブックリスト
旦那が図書館で借りた本が「気に入るだろうから」とまだ返却期日まで4日あったので勧めてくれた。
永井紗耶子著 「木挽町のあだ射ち」

2023年発行
直木賞、山本周五郎賞ダブル受賞作である。
旦那は直木賞を取った作品はだいたい読むようにしているようだ。

読んでみると江戸時代のあだ射ちの話なのだが、面白く引き込まれた。
詳しくはネタバレになるので書かないが、前髪姿の若武者が江戸に出てきて芝居小屋の付近で仇討ちを仕遂げる話しだ。
芝居小屋に係わる5人の人物の人生も語られる。江戸時代にも様々な生まれの人がいて、どうにか自分らしく生きている生き方を暖かい目で語る人間賛歌だ。読後感もすごくいい。山本周五郎賞を獲得したのも頷ける。そう言えば、20代の頃に山本周五郎を沢山読んだ。
藤沢周平、柴田錬三郎より市井の人を描く山本周五郎が好きだった。

この話、歌舞伎の芝居にしたらどんな役者がいいだろうなと考えて調べてみたら、もうすでに歌舞伎座に今年の4月に掛かっていました。

写真は全てWebよりお借りしました。染五郎が主役の菊之助。ピッタリである。本の中では15歳。前髪の若者。

穏亡の女形、ほたるは中村壱太郎。戯作者金治を吾松本幸四郎。木戸芸者一八を猿也。立師、与四郎を又五郎。小道具方久蔵を弥十郎、敵の作兵衛を中車とぴったりの配役である。
二幕物にまとめてあるが、いいなー、観たかったなー。

というわけで、 永井紗栄耶子の「秘仏の扉」を読み始めた。

昨日の晩御飯は、朝からヨーグルト、塩、胡椒、塩麹、レモンの輪切りに漬けておいた鳥もも肉焼き。ポテトサラダの残り、オクラ、ハム、トマト、セロリ。暖かいパプリカポタージュ。もも肉美味しかった。

落花狼藉 朝井まかて

2025-06-28 07:30:20 | ブックリスト
空に入道雲が出てたので、ひょっとしたらと思ったらあっけなく今年の梅雨が明けた。
一雨来ると涼しくなって少し凌易くなったが、クーラーを付けずになんとか頑張っているが、寝入りばなで暑いのはなんともつらい。
夜中を過ぎると急に涼しくなる。
ガス代は昨年同月より使用料7%下がって、料金も少し下がった。

ブロガーのショコラさんがブログに書いてはったので、読んでみようかなと借りた
「落花狼藉」朝井まかて著

朝ドラの「らんまん」の元になった「ボタニカ」の著者でもある。

ちょうど、「べらぼう」の吉原の江戸時代初めの成り立ちを描いた作品だったのでとても興味深い。
主人公の花仍(かよ)の夫、甚右衛門が吉原を作り上げていく過程が面白く描かれている。
傾城の世界、女郎の実態など興味深く読めた。いずれにしてもお金で縛られた女性がどんなに大変かが解った。
歌舞伎の芝居の中では華やかな場面として描かれる茶屋や置屋。実態は厳しく悲しい場なんだなと。
立場の弱い、女郎の世界を守ろうと奮闘する甚右衛門の生きざまが鮮やかだ。
仲之町の桜の由来や総籬、花魁の衣装、八文字の由来などが解った。

朝井まかてさんの本も続いて読んでみようと思った家に直木賞受賞の「恋歌」があった。

昨日の晩御飯は安い牛コマを買って、ピーマンと余ってるマッシュルームとチンジャオロース風。ズッキーニ、セロリ、葛切りでマヨネーズサラダ。ズッキーニは生でも塩でもむと美味しい。キャベツ、蕪、卵のお味噌汁。






曾根崎心中 さすがの角田光代 安定の瀬尾まいこワールド

2025-06-19 07:08:56 | ブックリスト
映画国宝を観て、マダムSのブログに角田光代の曾根崎心中が良かったと書いてあったので、図書館で借りて読んでみた。

写真はWebよりお借りしました。

近松の名戯曲。何度も舞台で観た。本当にあった事件というのは知っていたが、今回改めて調べてみたら一か月後には文楽に掛けていたいうことである。その後に歌舞伎でも上演された大好評の戯曲である。史実はほぼそのままで、あったようだ。
角田光代はその時の二人の成育歴などを小説では描き、その時のお初の心の中を描ききった作品だ。
ちょうど「べらぼう」で吉原が描かれているが、その頃の京都の島原、そして新地の女郎屋の生活が少しわかる。
近松の名文に乗って、舞台上では綺麗な部分しか見せないが、女郎の生活の厳しさ、先行きのなさは悲惨だっただろう。
その事を踏まえて、先の見えない二人の心中だったのだろう。
ふと、お初が死ぬ間際に徳兵衛を疑う一文があるが、それもリアリティがあった。
色々考えさせられた作品だった。さすがの角田光代である。

そして、最近読んでなかった瀬尾まいこの2冊

私たちの世代は
コロナのパンデミックの時代に小学生低学年だった二人の物語。
交わることがなかった二人が大人になって(これは時代からすると近未来)出会い、そこからまた再出発する話だ。
あの時代を背景にありそうな物語だった。

その後に呼んだ 掬えば手には

学生時代の人間関係の機微を折り込んで、人がどんな風に近づいて繋がっていくかを緻密にストーリー化している物語。
最後の方はぐいぐい引き込まれた。

というわけで学生生活を描かせたら天下一品の安定の瀬尾まいこワールドでした。

昨日の晩御飯は、大春千鶴レシピで安い牛肉の切り落としで焼きしゃぶを作ってみた。温泉卵とニラを添えて、ポン酢で食べる。
冷たい、玉ねぎ、シイタケ、人参、春雨のお汁。シンプルで美味しかった。写真撮り忘れました。

西行花伝 辻邦生著 西行の一生とその時代

2025-06-07 07:37:38 | ブックリスト
NHKテレビの「心おどるあの人の本棚」で探検家で作家の角幡唯介さんが凄く小説として感動したと言って挙げていた辻邦生さんの「西行花伝」を読んでみたくて、図書館で借りた。
単行本は1995年発行なのですぐに借りることができたが、ボロボロ状態。

 
背表紙が取れそうになっていて、よっぽど文庫で買おうとと思ったが中身はそうでもなく、字体も、当然文章も読みやすく。延長して読了。

弟子の藤原秋実が西行縁の人達を訪ね、西行の人となりを問うという形で一生を彼の歌と共に小説に仕立てている。
西行に関しては、今までも色々読んだ。
白洲正子著「西行」

写真はWebよりお借りしました。

過去記事より「歌と旅と人生」寺澤行忠

西行 歌と旅と人生 寺澤行忠 - 遊びをせんとや

かなり待ってやっと借りた一番新しい西行論。寺澤行忠著西行研究者第一人者だ。今までの私の持っていた西行像と少し違った感じを受けた。なんとなく西行のイメージは高貴な...

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西行の歌を元にその時の歴史の動向、そして西行の行動、心の動きを丁寧に追ったあくまでもフィクション作品である。
待賢門院との出会い。その魅力を容姿だけでなく声の良さで表現した辻さんは偉い。
その後の二人の成り行き。
17年前に朝日新聞に連載していた夢枕獏さんの「宿神」では少し違うタッチで描かれていた。

写真はWebよりお借りしました。
この小説も面白かった。飯野和好さんの挿絵も秀逸。

そして、従弟であり、親友、佐藤憲康の突然の死。
吉野大峰山での何度かの苦行を得て、西行がたどり着く境地とは。

私は西行が出家しながらも崇徳院を救いだしたり、高野山、蓮華乗院の建設に奔走したり、奥州平泉、藤原秀衡のところまで行って、東大寺の勧進をしたのか少し疑問だった。
西行が決して俗世と全く縁を持たなかったわけではないのが自分がこの小説を読んでわかった。

西行が結構若くに達する境地は「木々や花や生き物の素晴らしさに気づき、旅で出会う道端の小石までもが愛しい。」という全ての物事に対する感動だと思う。それをきっと歌にしてきたのだろう。そして「今日、今の瞬間を楽しんで生きること。」
そんな中でも自分の楽しみだけでなく、世の中の事も一歩外から眺めながら自分なりの関わりで感じ、行動に移していく人だったのだ。
動物と会話できた明恵やオオカミと話ができたイタリアアッシジの聖フランチェスコにも相通じる物がある。

西行がまだ北面の武士になる前に源重実言われた「目的を達しなくてもその行為自体を楽しめることが大切」という境地に達したのだと思う。
私に取っても生きる哲学みたいな物も得たような小説だった。

平安末期の保元、平治の乱。世の中も大きく動く。
それぞれの時代背景は昔読んだ西谷祥子の「飛んでいく雲」

写真はWebよりお借りしました。
この中では崇徳院の逃亡はコミカルに描かれているのを思い出す。

大河の「平清盛」

ここでは藤木直人さんが西行を演じていた。ちょっとインパクトが薄い。

快演、井浦新演じる崇徳院

全て写真はWebよりお借りしました。
今回崇徳院の人となりも細かく描かれていた。

関連過去記事

男のドラマ - 遊びをせんとや

珍しくテレビの話ほとんどテレビを観ない私一人だったらほとんどスイッチを入れない。でも家人が起きてきたら朝否応なく時計代わりにテレビのスイッチを入れる。できたら日...

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そんなこんなで楽しめた小説だった。

で、西行のビジュアルはなんだか佐藤義清で佐藤繋がりで何故か今絶好調の阪神の佐藤輝明。写真はWebよりお借りしました。

ちょっと見た目、体育会系だったと思うな。

一昨日の晩御飯

洋風残り物。強力粉が冷凍庫に100gくらい残っていたのでクリスピーのピザ生地に挑戦。イーストも要らないし、すぐにできたが、今一であった。沢山作ったピザソースを使ってグラタン。

サニーレタス、ブロッコリ、生ハム、ステーキを冷凍してあったのでそれを半分ずつ、3ヵ月くらい前に買ったマクドのポテトフライ。よっぼど捨てようかと迷ったが、食べ物捨てられないのです。


日本美術をひらく 山下裕二論考集成 (追記あり)

2025-05-27 07:13:25 | ブックリスト
3回借り直してやっと読了しました。
日本美術をひらく 山下裕二論考集成


この厚さなので少し前にやっと読み終わった。


それぞれ企画者として関わった美術展の作者について書かれた物が多かったと思う。
作者について雑誌に書かれた文章も含めて。

山下裕二 1958年広島呉生まれ。
私と同じ年に生まれ、広島は私の母の実家なので小学生の時くらいは呉も訪れたことはある。
時代の空気は同じ。
その中で漫画を含めて、どんな文化に触れてきてどんな芸術作品に惹かれて感化されたのか恐れ多いが少しわかる気がする。
彼がみてきて取り上げなかった作家も沢山いる。
どの作家を取り上げたかというところが興味深い。

私は、かなり中年になってから、中世の仏像や美術の良さがやっとわかるようになったり、現代美術に関してもそうだ。
でもこの年齢になって、山下さんの琴線に触れた物の本質は少しわかるような気がする。

戦後という時代をとうに終えたのかまだ引きずっていたのか、そしてバブルの時期も経験して、昭和のアップダウンの中でどんな美に降れて反応したかを改めて考えさせられた。
私の昭和の時代の総括のような感じだった。
最近の作家さんの状況も知れて良かった。

追記:山下裕二が監修する美術展
 

日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ! | 大阪中之島美術館

大阪中之島美術館 |

 

すでに前売り買いました。楽しみです。

昨日の晩御飯は鰯の梅煮。蕪の酢漬け。残り物の煮物。薄揚げ、ニラのお味噌汁。ほうれん草の胡麻和え。


久しぶりに買った本 青い壺 西洋の敗北

2025-05-17 07:13:31 | ブックリスト
カードのポイントが貯まったら欲しい本は本屋で買うことにしている。
ポイントが使える実店舗があるのでできるだけそこまで足を運ぶ。
久しぶりに買った本


ちまたで話題になっていて、特に原田ひ香さんのこの帯文が引き金になったようだ。

読み始めた当初は「なんだか古臭いな」と思ったが半分くらいからに引き込まれていった。
戦後、日本社会の高度成長期の時代背景だが、今に通じる人間のエゴみたいな部分がさすがに上手いエピソードで表現されている。
「青い壺」の持ち主の短編集になっているが最後はどうなるのか楽しみだ。

それと図書館でかなり待って借りた「西洋の敗北」

示唆に富む内容だったので旦那と息子が読みたいというので思い切って買った。

少しポイントが足りなかったがその分はカード払いで。
メリハリ年金生活である。

昨日の晩御飯は夕方のスーパーで40%オフになっていた鶏手羽の甘酢煮。レタス、トマト、エンドウ豆のサラダ。シイタケ、豆腐、玉ねぎのお味噌汁。


雪夢往来 木内昇著 日本の出版の黎明期

2025-05-04 07:04:09 | ブックリスト
実家で久しぶりにのめり込んだ本。
雪夢往来 直木賞作家の木内昇さん著 この人女の人だったんだ。てっきり男の人だと思っていた。


図書館でかなり待って借りた。
ちょうど蔦重が亡くなるところから始まり、山東京伝や馬琴がかなり重要な登場人物となる。
主人公は越後塩沢在住の鈴木牧之。
塩沢縮のを商いながら、越後の風物を細かく記しながら、「北越雪譜」苦節40年出版にこぎつけると言う話しだ。

調べるとこの時代の戯作者は他に本業を持っていて、原稿料を取らなかったそうだ。
青本などでかなり儲かるようになり、版元が儲かり過ぎて無理やりお金を払っていたというではないか。
本業だけで食べていけたのは馬琴、十返舎一九が初めてだそうだ。
そうなんやー。

大河ドラマのべらぼうで、山東京伝の役は古川雄大さんが演じている。これから蔦重との関わり合いが深くなる。
絵も描けば、煙草入れのデザインもする。商売も上手く、飄々として、吉原にも入り浸りになる自由人である。
マルチクリエーター山東京伝。


対する馬琴は粘着質のこれまた努力の天才である。
八犬伝では、役所広司さんが演じていたが、果たして、この雪夢往来に書かれていたようにかなりの偏屈で競争心の強いクセの強い人物だったと思う。

当時の雪深い越後塩沢の風物や出版業界の色々。
はたまた、若くして亡くなる人々。
出版を請け負った人達がそのたびに亡くなるのはなんと鈴木牧之さんの不運か。
彼の胸中を丁寧に追った上質の江戸時代戯作者たちの群像劇フィクションである。

昨日の晩御飯は鶏モモ肉の粒マスタード、メイプルシロップソース焼き。トマト、セロリのサラダ。

クリームスープ。

珍しく、トースト。


気持ちのいい連休。
口内炎もできなくていつになく体調がいい春から初夏。






西洋の敗北 エマニュエル・トッド

2025-03-26 08:29:41 | ブックリスト
ちょっと前に読了した本
西洋の敗北 エマニュエル・トッド著

旦那の予約で借りたが、先に私が読ませてもらった。
訳も読みやすかったと思うが、なんせ、世界政治の基礎知識が乏しい私、どうにか読了した。

書評欄に「日本の政治がましである。」と言うような事が載っていたので、興味を持った。
今起こっているウクライナの戦争の事を違う視点から書いている。
エマニュエル・トッドさん、あくまでも思想家ではなく、社会学者である。
起こっていることと世界の数値を根拠に社会を分析してはる。
家族関係、そこから派生する民族の宗教。カソリックとプロテスタント。
私が知らないことだらけだった。

その中で、その国の状態を計る指標として、平均余命と乳児死亡率が揚げられていた。
そのどちらも詳しい数値は忘れたが、圧倒的に日本は素晴らしい数値を残している。
政治家の贈賄が少ないのも日本だそうだ。知らんかった。乳児死亡率は1.?人という低さだった。

実際、今の日本の全保険加入制度を考えれば、かなり医療に掛かるハードルは低い。
母の一割負担の医療費、私の3割負担の医療費を考えても、気軽に病院には行ける。(決して気軽に行くわけではないが)
ニュースでも、中国からの移民が増えている理由の一つにこの医療制度がある。
是非、高額療養費制度も含めて現状の医療制度は最低、死守してほしいものである。

この本はアメリカとイギリスでは翻訳されていないそうだが、それも頷ける内容だった。

日本人の家族制度がいいように作用してきたと言う内容も書いてあったと思う。教育にもそれは受け継がれているそうだ。
すんません、あやふやな感想で。なにせ本が手元にないもんで。

色々賛否両論あるだろうが、日本の良さにも改めて気づかされた一冊だった。


暖かくなって、道端に菫が可憐に咲いていた。


昨日の晩御飯、カリフラワーにマッシュルームを入れたスープ。トマト、レタス。鰯のオリーブオイル焼き。