卒園式を終えて
2019年3月27日(水)。
平日ではありましたが、かやのみこども園の卒園式を行いました。
勝願寺の本堂に、皆同じ気持ちでお子さんの成長を見守る保護者の方が座っておられる中
「献灯・献華・献香」 のの様に卒園の報告をするため、凛とした姿の子どもたちが入堂してきました。
一人ひとり、保育期間、家族構成、家庭環境は違いますが、毎日一緒に過ごした仲間です。
みんな揃って、仏様に手を合わせる姿は、仏教園の園長を務める私には、大変うれしく、また誇らしく思えました。
仏様に合わせるこの小さな手、いまはまだ自分のことで精いっぱいかもしれませんが、お父さんやお母さん、家族の愛情の中で、
共に過ごす友だちとの関係の中で、多くの経験を通し、いろいろな感情を抱きながら小さな手は大きな手に成長していきます。
そして、いつの日か、その手を必要とする人がいればに、そっと差し出すことのできる優しく思いやりのあるたくましい手になって
いてほしいと願います。
毎年思うのです。 この子たちに出会うことができたのは、保護者の方が「かやのみこども園」を選んでくださらなければ無かったことです。
まずは、「かやのみ」を選んでくださったことに心より感謝いたします。
そして、まだまだ未熟な私たちに、大切なお子さんの人生のもっとも大事と言われる乳幼児期をお任せくださったことにも感謝いたします。
保護者の方から頂戴しましたお礼の言葉の中に、たくさんのありがたいお言葉がありました。
再度、自分たちの保育を振り返り、さらに「まことの保育」に精進していかなければと感じることでした。
いまの社会は、本当に忙しすぎます。 小さな頃から親の仕事に合わせて忙しい毎日を送らなければならない子どもたちは、
正直、気の毒でもあります。 私の子ども時代は、長い夏休みに 「あ~ 退屈だな~」と感じたり、 友だちと秘密基地を作り毎日
そこへ遊びに行き、ザクロなどを採って食べてみたりするのんびりとした毎日でした。
なかなか今はそんな生活を望むことができませんから、せめて子どもの時間を過ごすことのできる保育園・幼稚園では、急がすことなく
のんびりと過ごさせてあげたいと思うのです。
そして、子ども時代に楽しいことをたくさん経験してほしいと思っています。
楽しいことをたくさん知っていれば、心にしなやかさが持て豊かになります。
条件を付けた愛情ではなく、無条件に愛される愛情で子どもの成長を見守っていくことができれば何よりです。
かやのみこども園には、のの様がいてくださり、豊かな自然環境があります。
「和顔愛語」を大切に、職員が一丸となり子どもの「幸せな時間」が守られるように毎日を丁寧に過ごしていきたいと思います。
卒園式を終える度、私たちの保育観は広がり深いものになります。
子どもたちはもちろんですが、保護者の皆様のこれからの時間に、たくさんの笑顔と喜びがありますこと、心より念じ申し上げます。
かやのみこども園
園長 足利由希子