末法悪世の時とは *
山本さん、
「先生、四聖は凄いですね、特に仏界は凄いのですね。
この境涯になった人はどのくらいいるのですか。」
ジッチャン、
「たくさんいます。
特に有名なのが釈迦、天台、伝教、日蓮の四人です。
出家ではありませんが、全インドを統一したアショーカ大王、中国随の文帝、
日本の聖徳太子なども仏と同じ境涯で法華経を広め、
人々が幸せにくらせる国づくりをしました。
世界史上の名君主として名高い人たちですが、共通しているのは慈悲の
心の体現者で、生きているものすべてに奉仕する精神で尽くしたことです。
釈迦は、
「自分が死んでも葬式はしなくていいから、その時間をムダにしないで、
他を廻って一人でも多くの人に法華経を語りなさい。」
と命じたほどです。
生きとし いけるものの、
安穏と 幸せのために、
すみやかに法を広める旅に出なさい。
というのが釈迦がすべての弟子に与えたメッセージだったのです。
注、 仏教は葬式をするために説いた教えでないことが分かるでしょう。
*
問う。
宗教はたくさんあるのにナゼ今、法華経を広めるのですか。
答う。
釈迦は自分の死後二千年以降を末法法滅の時といい、末法は五濁悪世
(ゴジョクアクセ) で人々が不幸にあえぐ悪い時代であると予見しました。
その人たちを救うには法華経を広めて、生命の実相に人々を目覚めさす
しか方法がないので、法華経が世界中に広まることを願ったのです。
五濁とは人々の命が汚れる五つの原因を明かしたもので、
一 劫濁(コウジョク)
時代の濁り、環境・社会に悪い現象が重なり起こる時代そのものの乱れ
のことです。
時代の濁りといっても時代に実体があるワケではなく、次の四濁が激しく
盛んで、その濁りが長く続いている時を劫濁といいます。
二 以降は次回に続きます。
つづく