四聖の境涯 *
問う。
六道の境涯の上は何ですか。
答う。
四聖の境涯といいます。
六道の境涯がモノ、カネ、地位などを得ることが幸福と考えるのに対し、
四聖は心の平和と喜びを幸福と思う境涯で、六道より精神的に一段高い
境涯です。
問う。
四聖の境涯について詳しく教えてください。
答う。
カネ、モノ、地位などで得られる幸福はいつまでも続くものではなく、いつ
なくなるかわかりません。
そんなものに頼らずゼツタイになくならない心の幸福を求めるのが四聖の
境涯です。
四聖には次の四があります。
一 声聞界(ショウモンカイ) 人生の真理を知ろうとして師を求める人。
二 縁覚界(エンカクカイ) 一芸に秀でた芸術家や専門を究めた学者など
で、師をもたずに真理の一部を悟った人。
三 菩薩界(ボサツカイ) 仏の境涯になるために、仏と同じ利他の行為を
する人。 釈迦は、私は昔、菩薩道を行じて今の釈迦仏になったと、
経文に記されています。
四 仏界(ブツカイ・仏ともいう)
生命の実相を悟った人で、実相とは妙法蓮華経の異名なり、と御書に
はあります。。
生と死は別々の物ではなく、一物が現す二つの面であり、
これを体と影の関係に例えると、体があって影がないとか、
影があるのに体がない、というようなことはあり得ません。
生命も生があって死がなく、死があって生がない、というようなことはあり
ません。生命は生と死が一体であることを「生死不二」といいます。
生死不二を悟った人を仏といい、六道の他の三聖が生死のワクの中いる
のに対し、その束縛から解放されています。
仏の境涯は慈悲の心が基本で、他を利するための智慧は無限で尽きるこ
とがなく、日々に前進してさらに多くのいきものを救おうとします。
世の中で最も尊い人の意で世尊とも、世の王者(世雄)とも呼ばれます。い
つも歓喜に包まれた命であり、無始無終に実在する命であります。
つづく