叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

 すべて無料です、気軽に読んでください。

人間賛歌 信仰に生きる 二十

2009年04月08日 | 信仰に生きる

 奇跡の体験 *
その夜、昭和二十年代後半の東京の下町は今ほど明るくなく暗い夜でした。
一人の男が死に場所を探して歩いていました。

建設関係の事業に失敗し、ショックで妻は目が見えなくなり、子供は栄養失
調で病んでいました。妻子を医者にかけるカネもなく八方塞がりになった男
はその日、死のう。と決意したのです。

行く手に赤いちょうちんが見えてきました。
 オデン屋だな。 
と思った男は好きな酒を一杯飲んで死のうと思って入っていったのです。

そこはオデン屋ではなくなにかの講習会場のようで、正面の机の前に座っ
た長身の男が、

「人間にはもともと不可能を可能にする力が具わっている。
 問題なのはその力をどのようにして引き出し、人生の幸せのために
 活用していくかだ。」

と聴衆に向かって話しておりました。
話が終わったころ、男は先生と言われていた長身の人に尋ねました。

「先生とやら、
 さきほどからお話を聞いておりましたが、
 願っていけばなんでも叶うといわれていましたが、
 私の妻の目はよくなり、子供の病気も治り、私の仕事もうまくいくようにな
 るでしょうか。」

男から事情を聞いて長身の人は答えました。

「あなたが私の言うとおりに実行すれば、奥さんや子供さんの病気が治
 ることはもとより、あなたの事業だって再建でき、将来大会社の社長に
 だってなれるのです。
 そればかりか、あなたが願っていけば将来皇居を見下ろすようなビル
 だって建てられるような境涯になっていけるのです。」

確信のこもった声でした。

死ぬのをやめた男は以来三十年余、その夜長身の先生に言われたとお
りに実行しました。やがて一度は死のうとまで思っていた男は、
資本金四百二十億円、社員数一万三千人、日本一の建設会社、K建設
株式会社の取締役副社長になっていたのです。   (私の見聞記)

次回につづく