叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 賢聖の境涯 五

2006年12月16日 | 賢聖の境涯
  聖徳太子 続き

 釈迦が、生命の真実を明らかにした、法華経の説法を始めた時、
その場にいた五千人の弟子が、
釈迦に一礼して、いっせいに立ち去った。

彼らは、釈迦の弟子の中でも優秀で通っており、
自分たちは釈迦の教えを、すでに学び尽くしており、
これ以上教わることはないと、思いあがったのだ。

釈迦は彼らが立ち去るのを、黙って見ていたが、
立ち去るのを、見届けてから、

「まだ悟りを得ていないのに、すでに得たと思う慢心したものたちは、
いま去って行った。
ちょうど今、かって説かなかった未曾有の法を説く時が来た。
長年秘密にしてきた、本当のことをこれから教えよう」

と言って、生命の真実を明らかにした教えである、
「妙法蓮華経」の説法に入るのだ。


生ずべき始めもなければ、死すべき終わりもない、
自他彼此( 自分、他人、動物、植物、それ以外のもの )
の区別もなく
永遠に続く生命である、妙法蓮華経は、
言葉で説明することも、心で想像することも出来ない、
不可思議な法 (妙法 )である。

慢心した弟子たちに、妙法を教えても信じることができず、
逆に不信の心を起こすだろう。
妙法を信じられず、それに違背すれば、
苦しみ悩む境涯に陥るので、彼らのためには、
かえってよかったのだ。
これで心おきなく、秘密の法を説くことが出来る。

と釈迦は思った。

釈迦は、

「この妙法は信じがたく、理解しがたいが、
少しでも法を聞いて、歓喜する人の功徳は、
仏の智慧をもっても、量り切れないほど大きいのである」

と言って、去らずに残って法を聞く弟子たちを、
褒め称えている。

横道になるが、
全インドを統一したマウリヤ王朝の、アショーカ大王、
中国、隋の文帝、日本の聖徳太子はいずれも名君主として、
世界史に名を残している。

三者の共通点は、武力によらず法によって国を治め、
平和で文化的な国家を築いた点だ。
そして法治の根本にしたのが、法華経で、
民衆を大事にする、慈悲の政治を行った。 続く.


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