叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

 すべて無料です、気軽に読んでください。

人間賛歌 若い人の仏教教室 九十一

2008年01月11日 | 若い人の仏教教室

ジッチャン、
「島国の特徴は動物だけでなく人間にも影響を与えてね。
外敵に襲われる心配がないから、強力なリーダーは必要でなく、傑出した
人物が現れると、みんなで足を引っぱり引き摺り下ろそうとするのだ。

その結果民族を引っ張っていくような大指導者が出にくくなるんだね。

長い間の鎖国と、今まで述べた事情が重なって、
日本人は、長いものには巻かれ、お上の言う通りにすれば間違いない。と
いうお上信仰とでもいう精神風土が出来たんだ。

もちろん例外はあるがね。

ケイタくんは前に話した日蓮大聖人のことはおぼえているかねぇ。」

ケイタくん、
「日蓮大聖人のことは覚えていますよ。
たしか鎌倉時代に出た偉いお坊さんのことでしょう。」

ジッチャン、
「そうだよ、十三世紀の初め安房の国(今の千葉県)小湊で誕生されたんだ。
十二歳のとき仏門に入られ仏道修行をするが、
仏教は、
「人々が平和で幸せにくらせる教え」を説いているのに、現実は不幸なこと
ばかりが多く、そのうえ釈迦一人から始まった仏教が十宗派にも分かれて
互いに悪口し、争っていたのが当時の仏教界の姿だつたんだ。

仏教とは名ばかりで、人々を救う事を忘れ、自分たちの勢力拡大ばかり
考えるようになっていたんだ。


これでは何も知らない民衆がますます不幸になると考えた日蓮大聖人は、
「仏教は釈迦の時代に還れ。」と叫ばれ、
釈迦の真意である法華経を広めるために生涯をかけられたのだ。

法華経以外の経は、法華経に導くための方便の教えで、
真実の教えである法華経を説いたあとは、方便の教えは捨て、法華経の
教えだけを用いなければならない。
と声を大にして叫んだものだから、鎌倉中が大騒動になるんだよ。」

田中さん、
「先生、日蓮さんが法華経以外の経は捨ててしまえ。
と声を大に叫んだら、法華経以外のほかの宗の人たちは怒ったでしょう。」

つづく


 



最新の画像もっと見る