叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 若い人の仏教教室 九十四

2008年01月23日 | 若い人の仏教教室

 前回からの続き、

ところが国家神道に真っ向から反対した人がいるんだ。

「これは国をあげてのホウ法行為( 法華経の正義に背くこと )であり、
国が亡びるのは明らかだ。」

と叫んで神札を受け取るのを拒否したんだよ。

田中さん、
「先生、戦時中の軍部に刃向かうなんて、日本人にも勇気のある人が
いたんですね。どなたですかその人は・・」

ジッチャン、
「牧口常三郎というお方でね、
小学校校長などを勤めた教育家ですが、創価教育学体系という本を
書いたのです。

本の趣旨は、教育の目的は子供が幸せに生きる方法を教えることに
ある。というもので、
天皇の赤子( 大事な子供のこと )として、国家に忠誠心を持つ子弟に
育てるのが、学校教育の目的であるという当時の政府の方針と大きく
離れていたんだよ。」

田中さん、
「国は黙って放っておかないでしょう。」

ジッチャン、
「そう、治安維持法違反と、天皇に不敬をしたという不敬罪で逮捕し、
刑務所に入れたんだよ。

牧口常三郎は七十歳を越えた老齢でありながら、
検事の取調べに対し堂々と反論し、逆に国家の間違いを指摘したと
取調べ記録に残っているそうだ。」

田中さん、
「へぇ、凄い人ですね。それでどうなったのて゜すか。」

ジッチャン、
「高齢でもあり冷房も暖房もない刑務所の独房で亡くなったのです。
病気になり、病院のある刑務所に移る直前のことだったそうだ。

昭和十九年の秋のことだったがね。
そのとき一緒に刑務所に入っていた戸田城聖というお方が、終戦で
釈放され、空襲で焼け野が原になった東京にひとり出てこられたのだ。

このお方も牧口先生の弟子で日蓮大聖人の仏法を信仰していたの
だよ。」

注、
牧口常三郎は創価教育学会(後に創価学会と改称)の初代会長で、
戸田城聖は同二代会長である。

つづく