叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 運命と宿業と 十四

2007年11月20日 | 運命と宿業と

山田くん、
「教授、そのエネルギーのことですが、
よく先輩から生命力をつけてと言われますが、それのことですか。」

田中教授、
「そう、ひとことで言えば生命力ということになるね。
でも生命力と言っただけでは抽象的で、具体的に何をなす力なのか
イメージしにくいと思うね。

たとえば一個のドングリの実が樫の大木になったり、地球が秒速二十キロの
猛スピードで太陽の周りを公転したりする力、それも生命力と言えるだろう。
宇宙を動かす大きな力になったり、
ドングリが芽を出し成長するという小さな力にもなる。

すべてのモノを創造する力、それが生命力だね。

暴力も力の一種ではあるが、価値を造らず逆に破壊するから生命力とは
いえないね。
私たちは力というと、目に見える形で現れるか、頭で想像できる範囲内で
認識するが、目に見えないが人間の想像をこえた価値創造をする力、
それが生命力と言えるだろう。


生命編で、氷河期にぶっかった人類が飢餓に直面したことがあったね。
あのとき土地を耕し自生していた麦の種をまいたことが、食料生産のきっかけになったが、
そのとき取れた実は、自生のものより粒も大きく、
柔らかくて食べやすかったと伝えられている。

人間の努力に対して目に見えない力が応援し、期待していた以上の麦が
取れるようになったのだ。
これを当時の人々は、天の助け(神の恵み)とし、感謝しあがめたのだ。
コトバで説明しがたいが、
人間が目標を持ち、正しい方法で努力を続けるとき、思わぬ力が援助する
ことはよく知られているし、絶対間違いないのだ。

二宮尊徳翁は、
「天というものは慈悲深いもので、いつも人間を助けよう、助けようとするが
人間のほうがそれを避けよう、避けようとしているのだ。」
と言っている。
天は正義を好む、欲に刈られた人間が正しい行いをしないのを諭した言葉なのだ。

続く