叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

 すべて無料です、気軽に読んでください。

人間賛歌 若い人の仏教教室 七十七

2007年11月09日 | 若い人の仏教教室

ジッチャン、
「人間が天賦の才能(天から授かった能力)を使い切れないのは、
恐れる心があるからで、それが心の中にカベをつくり自分で自分を過小
評価するからだ。

人間が本来持っている能力の二十パーセントを使っている人はマレで、
たいていは五から十パーセントぐらいが普通であり、残りは使わずに一生を
終わると言われている。
これは専門家のあいだでは常識になっていることなんだ。

たしかに人間の潜在能力の大きさに比べて、
人間が自分だけのために生活し、子孫を残すだけで終わるのであれば、
これだけ大きな能力を持つ必要はないのだ。
一説によると、
人間の脳には百四十億個の神経細胞があり、
神経細胞をつなぐ回路は組み合わせ次第で、天文学的数の組み合わせ
が可能だといわれている。

そして神経回路の数は、人間の生き方によっていくらでも増やせるのだ。
自分のためだけでなく、他人に奉仕する生き方をする人は、無限に拡大
できるといわれているのだよ。


最新の脳科学では、

「他の生きものを幸せにするために、進化した生きもの、それが人間だ。」
と言う学者もいるが、
これは仏教の教えとまったく一緒だと言えるね。」

ケイタくん、
「ジッチャン、恐れる心をなくすには、どうしたらいいのですか。」

ジッチャン、
「ケイタくん、なかなか良い質問だ。これが一番大事なことだね。
心理学者は、すべての恐怖心は死を恐れる心からきている、と指摘してい
るのだ。
死えの恐れをなくせば、人間は恐怖心に縛られることなく、
持っている能力を自在に使って、人生を思うがままに楽しむことが出来る
のだよ。

仏教は生命の真実を明らかにし、死は恐れるものでないことを悟らせる
ために説かれたのだ。釈迦が法華経を説いた目的はそこにあるんだ。
もちろん、恐怖心のすべてが悪いというのではないがね。
危険を回避するために恐怖心が必要な場合もあるのだから・・」

つづく