叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 若い人の仏教教室 四十九

2007年07月19日 | 若い人の仏教教室

山本さん、
「アラヤ識に宿業がつまっているというのは初めて聞きました。
それを善いほうに転換することが、ホントウに出来るのですか。」

ジッチャン、
「山本さん出来るのです。いやそれをするために人間は生まれてきたと、
言ったほうがよいでしょう。

ケイタくんはまだ社会に出ていないから、宿業といってもピントこないかもしれないが、
 ボクはなんのためにうまれたのか、と考えるときがいつか来るものだよ。
そのときのために言っておくが、

仏教では、人間はこの世に楽しむために生まれてきた。
と言っているのだ。
楽しむためには過去延々と続いている宿業を断ち切らなければならないのだ。
そうでなければ楽しむどころか、苦悩するだけの人生で終わってしまうことも
あるんだ。

ケイタくん、
「ジッチャン、人生を楽しむってどういうことなんですか」

ジッチャン、
「楽しみはいろいろあるがね、ホントウの楽しみというのは、
自分の好きな事をして才能を発揮し、その結果自分も周りの人も幸せに
なることが、ホントウの楽しみだといえるね。

難しいコトバで言うと、自己実現をし、人間に課せられた使命..他者を幸せ
にすること..を果たすことだと思うよ。
これが最善の行為になり善業をつむことになるんだ。


参考までに言うが、
アラヤ識に善業をつんできた人は、五戒をたもち十善を行った人などで、
この世に生まれるときは国王や大指導者として現れ、
悪業をつんだ悪い種子の人は、苦難に満ちた人生を送らねばならない。
と唯識論には書いてあるのだ。」

ケイタくん、
「ジッチャン、悪い業というのはどんな業なんですか」

ジッチャン、
「ひとことで言えば自己中心的な利己心のことだね。
利己心がすべての悪業の源になるのだ。個人も人類も自己中心的な、
利己心で生きてきた弊害が、今地球的規模で現れていると思うね。

つづく