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父の命日

2017年01月27日 | 大分県
『父のそばかわりばんこに手を握る
あのぬくもりを 今も忘れず』

                  
 

夜明けの空は、とてもきれいでした。枕草子に

「春はあけぼの。やうやう白くなりゆく、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる・・・」

という一段があります。


まだ春とは言えないものの、その雰囲気はふるさとの山あいにしっかり広がっています。
 

今日は、朝、学校に着いてからいとこに用事があったので、再び車を走らせました。朝の澄み切った空に、一筋の飛行機雲が走っています。
 


今日は父の命日です。いとこの家におばさんの写真があります。仏壇に手を合わせました。父の姉にあたるおばさんも1月が命日です。
「何か縁を感じるよね。」
と話をしました。 
 

父が亡くなったときは、雪が降りしきる時でした。今でも、よく知り合いの人から、
「あん時は、いっぱい雪が降ったね。」
と言われます。
 

父は危篤の時が何度もありました。そのたび、持ち直してきました。ふと、親ってずっといてくれるものなんだというような錯覚に陥りました。でも別れの時は訪れました。
 

次男の進学が決定して父が喜んでくれた数日後のことです。「今日、明日が、最後だと思います。」の病院の先生からの言葉。みんなが交代ばんこに父のそばに行き、手を握っていました。


父の手をこんなにしっかりと握るのは、最初で最後のことであったのかも知れません。だんだんと父の握りかえす手の力が抜けていきました。


家族に、子どもたちに、親戚に見守られながら、1月27日に旅立っていきました。
 

その後、母も旅立ちました。「親ってずっといてくれるものだ。」という思いも、いつしか両親の時間の流れが止まっていました。
 


今日の夜明けの空は、両親からの贈り物だったのでしょうか。