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北の王者へ コンサドーレ札幌27

2019-02-12 00:01:21 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 さすが、札幌さん。何日もかかった大作になりました。Jクラブの付加価値シリーズ12チーム目です。札幌さんは一時期経営危機になり、かなり心配しておりましたが、野々村社長になって蘇生し、J1を上位で終えるクラブにまで成長しました。市民サポーターが支えるJクラブですが、徐々に経営規模も大きくなり、昨季もACL出場争いをしていました。当ブログでの評価ポイントでじっくり分析しています。あくまで個人的な論調ですが、参考にご覧下さい。

【Jクラブの付加価値】
<ハード面>
1)サッカー専用スタジアム
 現在のホームスタジアムは札幌ドーム及び札幌厚別公園競技場です。残念ながらどちらもサッカー専用スタジアムではありませんが、札幌ドームは現在はプロ野球日本ハムと共有。陸上トラックがなく、陸上競技場よりはピッチが近いです。ただ、この野々村社長のインタビューによると、スタジアム建設のプランがあるようです。
「2万人収容規模がちょうど良い。現実的に考えると、200、300億円もかかるようなものは難しい。行政と一緒に考えていかなければいけないと思っている。理想の場所は札幌駅の横だが、国や道が持っている土地を有効に活用するために、他の様々な人達が使えるものをスタジアムと併設することが必要」
     
2)専用練習場
 現在は宮の沢白い恋人サッカー場になり、クラブ事務所およびクラブハウス、オフィシャルショップが併設されたエリアになります。スポンサーの石屋製菓が’00年に現白い恋人パーク隣に天然芝の「宮の沢白い恋人サッカー場」を造成し、練習場やユースチームの試合会場として使用。クラブ事務所はかつては札幌ドーム内にあったが、'14年に宮の沢白い恋人サッカー場内の施設を改修して事務所を移転。
 写真を観ましたが、客席にネットが張られていますが、全然目立たずに最低限度の高さ。野球場のように上の方までガチガチに囲ってしまっているところとは違うようですね。

3)アカデミー
 U-18、U-15(札幌、旭川、釧路)、U-12(札幌、釧路、東川)のアカデミーが組織されているようです。拠点を札幌市内の東雁来へ移転し、トップまで続く一環した育成システムを確立しています。'12年にJリーグユース選手権大会優勝を果たし、その年のJリーグアウォーズでは「最優秀育成クラブ賞」を受賞。アカデミーの活動を支える支援金を募る松山光プロジェクト」を実施。
   
4)後援会等支援組織(チェック機能)
 オフィシャルファンクラブ(クラブコンサドーレ)とは別に、後援会のとりまとめ組織としてのコンサドーレ札幌北海道後援会は'12年に活動を終了しましたが、各地区の後援会はそのまま組織として残り、従来通りの活動を続けています。この他に、市民が出資するコンサド
ーレサポーターズ持株会(会員数:13,659人、出資口数:31,160口)があり、筆頭株主とありました。
J1北海道ファンサイト該当ページ:アドレス
   
5)選手会活動 

 選手会活動は活発の様子。昨年地元で発生した平成30年北海道胆振東部地震で、被害の大きい厚真町・安平町・むかわ町を訪問及びボールの寄贈の他、アウェー戦会場でJ1川崎選手会と選手会合同募金活動を実施されています。その前には平成28年の熊本地震の募金活動、選手会有志が立ち上げたチャリティープロジェクト「MAKE THE FUTURE PROJECT」があります。選手プロデュースTシャツを受注販売し、売り上げの一部は震災復興支援、児童養護施設へのサッカー用具寄贈などの社会貢献活動に充てられたとか。現J2岡山の金山選手の名前がありますね。

<ソフト面>

1)情報公開(役員名簿や出資社などの経営面)
 会社概要ページに役員名簿、組織図、中期経営計画がしっかり情報開示されています。さすがですね。まさにJ1にふさわしいクラブですね。オフィシャルファンクラブも別組織、独立したHPで運営されています。別に後援会組織があるので、更に付加価値が高いと言えます。'03年付けですが「強化計画」もアップされています。

   
2)情報公開(SNS等による情報開示)
 公式フェイスブックページ公式ツイッター公式Instagramページがあります。他に別ページで「コンサドーレ札幌サポーターズブログ」ページがあります。まだ今ほどSNSが進んでなく、ブログが主流だった時代からある名物ページ。コンテンツは「サポーター」「プレイヤー(小野選手以外はリンク先がツイッター)」「北海道スポーツ」「クラブ」「スポンサー」と、クラブに関わるすべての存在が手掛けるブログを集約させたポータルサイト。
 あと、公式HPにコンテンツ「エンタメ」ページがあります。よそでよく見られるのは、担当ライターなど外部のもの。こちらは直営です。有料会員登録をすると、試合後の選手コメントやフォトギャラリー、特別動画などのスペシャルコンテンツが提供されるもの。MOMにもファン投票できるそうですね。

   
3)スタジアムイベント
 公式HPの試合イベントページを観ていて、まず目を見張ったのは「JICA北海道」ブース。世界の民族衣装を着た北海道コンサドーレ札幌の選手パネルや、民族衣装の試着コーナーもあるとか。「北海道コンサドーレ札幌チャリティ販売ブース」では、クラブオリジナル折りたたみコンテナ(折りコン)などのチャリティー商品を販売しています。
 スタグルとしては、「コンサドーレ太鼓判メニュー」があります。各選手が太鼓判を押したオリジナルメニュー。各店舗もきちんと実店舗名が表示されており、店舗名を伏せてブランド化するパターンとは違って、地域と距離感が近い立派なスタグルだと思います。チェーン店もありますが、地域の名店もありますね。

4)広報誌
 オフィシャルファンクラブ情報誌があるという事ですが、情報出てきません。他に北海道新聞(道新スポーツ)が発行するオフィシャルマガジンの月刊コンサドーレがあります。

5)協賛店制度(サポートショップ制度)
 サポートシップパートナーという継続的にクラブを側面から支援できるパートナー制度。サポートシップパートナー一覧を作成し、年3回オフィシャルファンクラブ情報誌に同封して発送され、加盟店の参加メリットもちゃんとキープしています。
        
    
6)地域の後援会組織
 コンサドーレ札幌北海道後援会は'12年に活動を終了していますが、地区後援会は道内25地区にある他にコンサドーレ関東後援会が活動中。
   
7)サポーターカンファレンス 
 札幌さん(野々村社長)はサポーターとの対話に積極的のようですね。サポーター主催で毎年「北海道コンサドーレ札幌サポーターズ集会」を開催され、今年も先日開催され、野々村社長も出席されたとか。他には持ち株会主催で2013年から開かれている、クラブ運営について市民が提言する「クラブ力向上委員会」。広く一般のファン・サポーターから、様々な形での提言や施策を募ったり議論しながらクラブの価値を高めていこうという趣旨とか。また、クラブ主催のサポカンとしては、2015年に「野々村芳和とコンサドーレ札幌を考える会」を開催されています。質疑応答は事前質問に関してだったようですが、最後に質問コーナーが設けられていたとか。全体的には経営者視点から野々村社長の考えがわかりやすく説明され、明確な目標も出たので有意義だった様子。素晴らしいですね。
 サポカンですが、このシリーズに出てくる「優れた付加価値を持つ」クラブはどこもできています。J1にふさわしいアイテムだと認識しています。ちなみに地元J2岡山はやらないのでしょうか。北川社長にマンネリ感の打破のためにぜひ実施して欲しいです。
   
<ハート面>
1)Jリーグ百年構想
 
一社)コンサドーレ北海道スポーツクラブがあり、管理されてます。まるで湘南さんのようですね。サッカースクール、アカデミー、北海道リラ・コンサドーレ(女子)、バドミントンチーム(スクール)、カーリングチーム、月下美人(シニアチアリーディングクラブ)、パートナーアスリート、各種スポーツ活動(コンサドーレスポーツスクール in Fu's)が活動内容です。他にも、アンプティサッカー(合同)練習会チャレンジマッチOpenJapan(バド)、「SPORTS MAKE SMILES」プロジェクトなど。
 また、札幌市が主催するまちづくり組織「プロスポネットSAPPORO」に参加し、他の4クラブ(プロ野球・日ハ、B1北海道・Fリーグ・北海道)と交流・連携され、ぎょれん×北海道コンサドーレ札幌 食育教室」「コンサ・土・農園(コンサドファーム)」「コンサ百年の森活動募金」など、Jリーグ百年構想に沿う事業を多くされています。

 最近では、Jリーグ社会連携(シャレン)として、「札幌市西区・北海道コンサドーレ札幌連携プロジェクト」があります。まちづくり活動の活性化を図ることを目的に、
地域住民に対し、選手が応援大使となって町内会の加入促進を図ったり、ボランティア体験会に参加してもらったりしています。すごい事業です。まさにシャレン。
        
2)東日本大震災等の復興支援
 昨年の平成30年北海道胆振東部地震の発生から被災地クラブになっています。元々復興支援活動は盛んでしたが、地元で発生したという事で、更にその密度が濃くなっています。災害義援金口座を設置して、被災地の行政や赤十字等に合計1,800万円送金されており、野々村社長が先頭に立って頑張っておられます。
 
選手による復興ボランティアも実施されています。被害の大きい厚真町やむかわ町などに全選手が行っています。野々村社長は「避難所を回る、交流する、とかだけで終わる気はない。選手には『行くからには1日汗を流してこい』と伝えた」とし、一人のボランティアスタッフとして活動しています。実施日は非公表でクラブではなく、一道民として参加したとの事。素晴らしい限り。
選手による災害ボランティア関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180919
   

3)選手による社会貢献活動
 昔から選手による社会・地域貢献活動が当たり前のように盛んです。2011年から、これまで以上に選手が地元の子どもたちを中心に交流を持つホームタウン活動に力を入れようと「C-Smile北海道プロジェクト」を立ち上げて、シーズンを通した活動を行っています。選手の学校訪問、復興支援サンタ隊(サッカー以外の競技選手も参加)、みんなのよい食JA親善大使では、選手が同大使となり、JAと一緒になった食育運動などがあります。   
    
4)市町村デー
 札幌市(各区)及び近郊市町村に対し、応援デーと称して、毎年応募形式で市民を無料招待しています。対象は区内在住の住民で、定員は200人(無料で、応募多数の場合は抽選)。となっています。
 

5)ファン・サポーターとの交流イベント
 ファン感としては、「サポーターズデーin宮の沢白い恋人サッカー場」があります。練習場兼クラブハウスがある場所でやる訳で、地元岡山で言えば、政田でやるようなものか。ファン感も、スタジアムでやる場合が多いですが、札幌さんのように練習場でやる場合もあります。そのクラブのカラーで行うのがベストなのではないでしょうか。大事な事は来場者との距離感だと思います。客席で観て終わりではなく、ピッチの上で選手と交流できるのがベストかなと。写真を見る限り後者の様子。
 他に2015年に、「コンサドーレ札幌ハーフタイムパーティ」というイベントがありました。サポーターズデーの前身なのかな。2013年には「コンサドーレ札幌《選手》と楽しむ『洞爺湖温泉の旅』」というイベントもありました。2014年には「吉原宏太プロデュース」とありました。野々村社長がどんどん前へ出始めた時期なのかな。素晴らしい。キックオフイベントとしては、「北海道コンサドーレ札幌キックオフ」があります。入場無料で誰でも参加できるのかな。何人くらい来場しているのか。 

 という事で、札幌さんのJクラブの付加価値でした。いやぁ予想以上に事例が多かったですね。1日で書けるかと思っていたら、何日もかかりました。こういう事例が多いという事は、それだけそれまでのご苦労も多かったという事か。野々村社長が就き、ミシャ監督が就いて、やっと花が開いたという印象です。札幌さんは市民クラブのお手本。特に経営面で苦労されているクラブにとっては参考になるところが多いのでは。野々村監督、札幌さんがいいところは商業主義に走らず、絶えずファン・サポーターや地域と距離感の近さをキープできているところ。まず数字を口にするのか、それともまずファン・サポーターや地域を口にするのか、そこが違いでしょうか。ぜひACLに出場して欲しいですね。もうJ2に落ちて来ないでくださいね。北の王者からJの王者へまい進して欲しいです。
「Jクラブの付加価値」全体:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170206
 〃 J2山口:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20180623
 〃 J2新潟:
https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140709
 〃 J1・C大阪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140507
 〃 J1浦和:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140119
 〃 J1川崎:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130825
 〃 J2甲府:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130811
 〃 J3鳥取:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121021
 〃 J1湘南:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120123
 〃 J1仙台:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111230
 〃 J1松本:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111030
 〃 J2柏 :http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111126

J1札幌関連:29 / 28 / 27 / 26 / 25 / 24 / 23 / 22 / 21 /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /  /

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