J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

カリスマの存在97 【J特】

2011-11-26 00:00:54 | カリスマの存在

 さて、黄色いチームですが、初優勝へ王手をかけました。残り2試合で2位名古屋との勝ち点差は3。2試合で勝ち点4を積めば、他チームの結果にかかわらず優勝です。何と26日(土)のホーム最終戦のC大阪戦は急遽、NHKの生中継が決まったとか(NHKの放送多いです)。レンサポの成さんは日立台へ行くそうです。いいなぁ。最近の論調を紹介します。当方も実感しますが、やはり一番の勝因はネル監督です。以下、抜粋して紹介。

 今季J2から昇格したばかりで、J1優勝もJ1優勝争いの経験すらない若い選手の多いチームだが、大きなプレッシャーの中で堂々とプレーを続けている。この快進撃の要因で、どの選手達の口からも出てくるのは、指揮官ネルシーニョへの絶対的な信頼。

「監督は普段のトレーニングから、プレッシャーのかかる試合でも乗り越えられるように意識付けしてくれている。J2時代からずっとやってきたこと。具体的には一人ひとりに責任感を与えている。ピッチの中での個々の役割をすごくはっきりさせているから、試合に出た選手達は迷わずにプレーができる。迷わずにプレーをすれば結果が出て、結果が出れば自信につながる。すごくいいサイクルが生まれていると思う。勝っているチームは11人を固定しがちだが、柏にはそれがなく、とても平等。監督だけでなく、スタッフ全員で、普段の練習から選手達をよく見てくれているのを感じる。それが、チーム全体の力になっていると思う」
と栗澤選手。


「優勝争いのプレッシャー? ポジション争いが激しすぎて、そんな余裕はない。普段の練習でも出来が悪いとすぐ外される」
増嶋選手。

「レギュラーは11人ではない。それはウチの選手達もよくわかっている。今の柏の中で、自分がどれだけ戦えるのかというのを証明するために、選手達は日々の練習から懸命に取り組んでくれている」
とネルシーニョ監督。勝者のメンタリティを醸成する意識改革と、モチベーションのマネジメント。

 控え組も活躍しているが、その裏にはネルシーニョ監督の高い統率力がある。試合前日まで、選手にも先発が分からないことがよくある。高い緊迫感を持った練習を続けさせる。日本代表経験のある選手を突然スタメンから外すことも多い。逆にミスをした選手には「どうして下を向いているのか」と声をかける。ある選手は「ミスをしても、チャンスをくれる。監督のために頑張ろうと思える」と言う。すべての選手の士気を落とさないことで、緊急事態にも対応できるチーム作りをしてきたとか。

 いい機会なので、当ブログで(勝手に)言っている「Jクラブの付加価値」について、某黄色いチームをあてはめてみましょう。断っておきますが、柏に合わせたのではなく、柏が合っている部分が多いので。
   
<ハード面>
1)サッカー専用スタジアム
 ご存知日立台。ピッチと観客席の距離がわずか5mと近すぎる専スタとして有名。相手サポーターからも「行きたい」と言われる。また、確かクラブ所有のスタジアムとして、全国唯一かそれに近い存在。現在、観客席の増設中で来シーズンリニューアルオープン予定。何といっても、昔、柏の葉に移転ばなしが起こったが、サポーターの反対運動を受け、日立台にホームスタジアムとして腰をすえたエピソードを思い出します。まさにクラブとサポーターが作り上げてきたスタジアム。
2)専用練習場
 柏サッカー場の横の空間が専用練習場です。当ブログで「幸せな関係」と称したように、トップチームとアカデミー組織が一緒になって練習しています。
3)アカデミー(下部組織の整備)
 「レイソルアカデミー」は優秀であり、国内で3本の指に入るほどの育成クラブです。トップチームにも多くの選手を輩出しています。
・U-18(JFAプリンスリーグ2011 関東2部優勝。来季より関東1部)、U-15(2011関東ユース(U-15)1部優勝)、U-14、U-13、U-12、U-11、U-10・・・ 以上セレクションあり。
・GKクラス、スクールクラス(小1~小6)・・・セレクションなし
 としっかり組織されています。そして、これ以外にアライアンスリーグがあり、ホームタウン(東葛地域)でクラブと提携しているクラブで構成される8チームが参加。
4)後援会等支援組織(チェック機能)

 「レイソル後援会」があります。ボランティア部門はこの後援会のボランティア部会になっていて、広報誌もあります。立派な組織ですね!! '08年に法人・個人事業主・各種団体向けの後援組織としての「レイソル後援会」に改編し、個人会員はオフィシャルFC「アソシエイツ」へ移行。こちらの組織図をご覧下さい。いかにこのクラブが地域に根を張っているかわかります。
5)選手会活動 

 復興支援活動で、8年前から毎試合「選手会チャリティーオークション」を開催しています。ホームタウンエリアである東葛8市へのチケット寄贈など、選手会主催の福祉活動を活発にされています。
 <寄付実績>
・NPO法人「ゴールドリボン・ネットワーク」・・・・200,000円、NPO法人「J.POSH(日本乳がんピンクリボン運動)」・・・・200,000円、
・赤い羽根共同募金・・・・200,000円、歳末たすけあい募金・・・・69,890円

   
<ソフト面>
1)情報公開(役員名簿や出資社などの経営面)
 見当たらず。
2)スタジアムイベント
 '07年より「レイソルホームパーティー」と称して、毎試合数々のスタジアムイベントを開催しています。イベント内容の筆頭に「東日本大震災 復興支援活動」が挙がっています。J1川崎と比べては負けますが、どこかのグッズ販売など売上ばかり気にした内容とは違うと思います。
3)広報誌
 「日立台通信」を発刊。毎月ではありませんが、選手のインタビュー中心でとても親しみがわく内容の広報誌です。巻末には「提携店舗」という事で、協賛店制度の参加店一覧と個別サービス内容が載ってあり、ファン・サポーター目線で運営されている事がよくわかります。
4)協賛店制度
 「アソシエイツ提携店舗」として計41店が掲載されています。会員証提示で様々な特典が受けられます。商店街は「第4の極」の支援母体。ファン・サポーター目線に立ったほとんどのクラブが協賛店制度を実施していますが、中にほんの数クラブだけ未実施があるかな。なぜやらないのだろぅ。

5)地域の後援会組織
 ホームタウン8市の市長が名誉会長を務めていますが、支部組織まではない様子。
6)サポーターカンファレンス(ファン・サポーターとの意見交換の場の提供)
 今年1月に市民文化会館で開催。約1,200人のサポーターが参加し、クラブ側は社長、常務、強化本部・統括ディレクターが出席して意見交換を実施。この他に、「職員とサポーターとで『レイソルをよりよくするため』の話し合いのひととき」という事で、「イエローハウス」という名前のミニサポカンを毎月開催。過去の歴史の積み上げだと思います。
 
     
<ハート面>

1)Jリーグ百年構想(異競技交流事業)
 日立サンロッカーズ(JBL)、JXサンフラワーズ(Wリーグ)、柏エンゼルクロス(V.チャレンジリーグ)等があり、3月に合同で震災復興募金運動を実施した他、「スポーツフェスタかしわ」で合同スポーツ体験教室を開催
2)社会貢献活動(東日本復興支援)
 専用サイト「東日本大震災 復興支援活動」を開設されています。「ホーム戦毎試合の募金活動」「チャリティーオークション」「被災地からホームタウンへ避難されている方々への支援活動」「その他」を細かく報告。直近のホーム戦での義援金募金活動も報告がありますね。
3)社会貢献活動(独自の学校訪問活動等)
 日本協会のユメセン('07年より)よりも前から、独自の学校訪問活動として「レイソルしま専科」('06年より)を実施。今シーズン既に7回開催済みで、いずれもトップ選手が数名ずつ参加。岡山へレンタル移籍した仙石・山崎両選手も過去に参加。
4)市町村デー
 ホームタウンデー(東葛8市)を開催。首長による花束贈呈・始球式、該当地区の学生によるマーチング等ハーフタイム演舞、該当地区の学童によるボールパーソン、地元物産販売、プレゼントなど。一つのお手本だと思います。

5)選手によるファン・サポーターとの交流
 財界向けの「キックオフパーティー」はあるようですが、一般ファン・サポーター向けはない模様。

6)ファン・サポーターとの交流イベント(ファン感謝デー等)
 今シーズンは未実施(震災の影響を考慮された模様)。昨年まで毎年、ファン感謝デー「日立台太陽祭」を開催。名物・選手全員パフォーマンスなど、楽しいファン感のようです。当ブログで言う理想的なファン感は、こちらのようにホームスタジアム屋外で開催する、選手とのふれあいイベント(大運動会が理想)です。

 当ブログで「親企業のない企業チーム」という表現をよくしますが、こちらは正反対。「親企業のある市民クラブ」です。そういうのはJ1川崎とキャラがかぶります。時々「ここって、企業チームだっけ?」と錯覚するくらいに地域に溶け込んでおり、「Jクラブの付加価値」も限りなく高いです。「地域密着」を謳いながら、実は全然できていないクラブよりも全然頑張っていると思います。

コメント
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