J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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Jリーグファミリーの資格62

2015-08-07 00:01:37 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 前からですが、日経新聞関係でよくアンテナに引っかかります。夕刊は置いておいて朝刊及び電子版で当ブログ好みのものが出ますね。先日も「フットボールの熱源」で「医療で地域を元気に」というタイトルで、J1鹿島の事例が紹介されていました。地域に根を張りたいという思い、価値観の強弱で、Jクラブの公共財としての存在価値を比較してしまいます。そういう面では鹿島さんはさすがオリ10と思います。以下、抜粋して紹介。
      
 プロスポーツクラブは高度のスポーツ医療を備えており、その医療ノウハウを地域に還元したいと考えたJ1鹿島は今月、アントラーズスポーツクリニック(整形外科、リハビリテーション科)を開院。
 商社のイービストレードが設立した一般社団法人が運営し、クラブのチームドクターらが交代で診察。リハビリルーム、マッサージ治療院を併設し、クラブの選手に施しているのと同じ治療、リハビリを提供。
 売り物の一つが国内最高性能と言われる3テスラのMRI(磁気共鳴画像装置)で、微細な損傷を発見。また、関節周りの筋力を測定し、回復具合を数値化できる多用筋機能評価運動装置も完備。
「まずは地域でスポーツを頑張っている中高生を中心に診て、松葉づえを外すまでではなく、試合に戻れる状態に戻れるよう力を注ぎたい」とJ1鹿島チーフドクターのコメント。
 診療の対象は選手に限っていない。開院のきっかけが地域住民からチームドクターに観てもらいたいという声が出始めた事であり、そもそもは地域の医師不足の解消が目的。
 他のクラブでも可能な事業であり、全国に同様のクリニックが開院されれば、医療データを共有して連携が可能。これはJクラブによる新しい形の地域貢献で、文字通り、地域を元気にできると締めくくっています。

 また、日経電子版に「スポーツ医学、健康に一役 運動療法に強み 生活習慣病予防に 医師、広い知識養う必要」というタイトルで、同様の紹介記事が載っていました。巡回スクールはいわば収益事業であり、どこでもやっている当たり前の事業なので、そこを強調して自己評価すべきではないのかなと。そういう当たり前の事以外でどこまでできているかではないでしょうか。鹿島さんの事業は、そういう「当たり前」の部分を飛び越え、クラブのものを地域で共有したい、地域との距離感を詰める素晴らしい事業だと思います。以下、抜粋して紹介。

 「アントラーズのトップチームに行っているメディカルをそのまま地元の皆さんに提供したい」。8月3日、カシマサッカースタジアムに整形外科の「アントラーズスポーツクリニック」が開院。J1鹿島のチームドクターらが地域住民を診察。
【技術を地元に還元】
 クリニックは院長含め医師7人で、うち5人がクラブのチームドクター。商社のイービストレードがクラブや筑波大などと協力して運営。クリニックの開設は、高額な医療機器を有効活用する狙いとともに、アスリートのケアや治療で培った技術を地域に還元する狙いも。診療はスポーツに取り組む学生や社会人のけがを想定するが、足腰に痛みを抱える中高年も重要なターゲット。
日経電子版該当記事:http://www.nikkei.com/article/DGXKZO89991330R30C15A7TZT001/?n_cid=DSPRM1489
J1鹿島関連⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140714
  〃     ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140705
  〃     ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140503
  〃     ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140130
  〃     ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130506
  〃     ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111005
  〃     ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110528
  〃     ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101128
  〃     ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100122
  〃     ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090301


 鹿島さんは当ブログでは、紹介事例が多い方ではないですが、1つ1つが光っていると思います。岩政選手もそういう、付加価値の高いDNAを受け続いているものと信じています。
 そういう中で、同じような地域との連携で、日経新聞朝刊「フットボールの熱源」で「クラブ支える食堂づくり」というタイトルでJ3町田の事例がありました。ネットで調べても他になかなか情報が出てこないため、情報量は少ないですが、「フットボールの熱源」の内容を抜粋して紹介します。

 J3町田が9月に「ゼルビア・キッチン」をオープンし、飲食事業に参入。きっかけになったのはアカデミー選手の食の問題で、「彼らは選ばれた選手なのだから、練習後すぐにしっかり栄養を取る環境を整えてあげたい」という下川社長の思いを具現化。
 東京や神奈川県にはJクラブがひしめき合い、アカデミー選手の獲得も競争が激化。「町田に入れば栄養面の心配が無いと親が考えて、子どもを預けてくれるのではないか。子ども達に皿洗いや店の掃除をさせて、社会教育もできる」と下川社長のコメント。
 食堂は練習場からもスタジアムからも近く、トップ選手にもプラスになるとか。これまで町田の選手は地元飲食店の協力で、食事代を割引してもらうなどの支援を受けてきたが、今後はクラブ食堂で飲食が可能。
 面白いのは、この店を地域住民のためにも営業する点。地元の食材を取り入れ、メニューのカロリーや摂取できる栄養素を表示。食の大切さを伝え、地元の人々の健康のための食堂にしたいとクラブは計画。
 店内にはトップ選手やアカデミー選手の写真やプロフィールを掲示するプランもあり、食堂は自然にクラブの情報発信基地となり、サポーターの憩いの場になるかもしれない。
 発端はアカデミーの食の充実だが、これは収益事業であり、「儲けの出ない事はしない。できれば店舗展開していきたい」と下川社長。実は利益が増えれば、クラブの将来を担うアカデミー選手の栄養摂取が充実する事になる。これは単なる収益事業ではなく、地域の人々が食事を楽しむ事がクラブのサポートになると締めくくっています。
J3町田関連①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20120510


 素晴らしいですね。強い商業主義のもと、利益が生まれないから地域・社会貢献事業は行わないという価値感ではなく、地域・社会貢献事業で収益を残していこうというものです。地元の人々を健康にしたい、地元食材を使いたいという価値観もいいですね。
 町田さんは、選手の読み聞かせ事業のイメージが強く、競争の激しい東京エリアでしっかり頑張っておられるクラブと認識しています。競争が激しいから差別性を持たすという理想的な展開です。人口が少ない、最寄駅から遠い、他のプロスポーツがあるという競争環境が高いところがJ2以下に多いです。競争原理から100年残るスポーツ文化が生まれるのではないかとも思います。町田さん、早くJ2に戻って来てください。

コメント
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