尼崎市(武庫之荘)の税理士・行政書士 笠原会計事務所のブログ

税金の相談・確定申告・会社設立・建設業許可申請などを中心に、経営のサポートをさせて頂きます。お気軽にご相談下さい!!

【人事労務 NEWS】就業規則と労使協定を正しく運用できていますか? ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2024-08-19 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 労務トラブルが急増し、対応に頭を悩ませている会社様からのご相談が後を絶ちません。
就業規則は、常時10人以上の労働者を使用する事業場において作成と届出が必須です。(10人未満の事業場でも労務トラブル防止のため作成をお勧めしています。)また、労使協定を適正に締結しないと、労基法違反となる場合があり、訴訟等では厳格に取り扱われる傾向が続いています。
今回は労務トラブル防止対策としての基礎となる就業規則と労使協定について解説いたします。


1 就業規則の役割 

 就業規則は、使用者(以下、会社)が労働者(以下、社員)に対して従うべき職場のルールや規定を定めた労働基準法に基づいた文書です。

 ① 職場ルールの明確化
 職場のルールを就業規則に定めることで、「職場で遵守すべきこと」、「職場で禁止すべきこと」が明確になります。なお、就業規則は会社が任意に定めることができますが、労働基準法を下回った部分は無効になること、制定する際に労働者代表の意見を聴かなければならないことに注意が必要です。
 ② 労使間トラブルの回避
 休職や退職、問題社員の懲戒など、会社が判断を迷うようなケースでも就業規則で細かく対応をあらかじめ定めておくことで、トラブルを回避する、または最小限に抑えることができます。
 ③ 社員等の安心材料
 社員だけではなく求職者にとって職場のルールを明確に定めている就業規則は、社員等が保護を受けるイメージが明らかになり、安心して働く安心材料になります。


2 就業規則の記載事項

 就業規則の記載内容は、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項に分類されています。
 前者は会社の制度の如何に依らず記載しなければならない事項、後者は会社に制度がある場合には記載しなければならない事項です。
 以下に絶対的記載事項と相対的記載事項を区分けして掲載します。
 
        


3 労使協定の役割

 労使協定は、会社と社員が労働条件や労働者の権利・義務について合意し、具体的な取り決めを行う文書です。会社と社員との間で説明や交渉がされ、合意内容が協定に盛り込まれます。


4 労使協定の法的効果

 労使協定は、就業規則を補完する役割を果たし、法的義務の免除や免罰的効果があります。


5 労使協定の種類と注意事項

 労働基準法では、15種類の労使協定が定められています。届出が必要な協定のうち、時間外労働・休日労働に関する協定である36協定は労働基準監督署が受理してはじめて有効になりますので、成立だけでなく労基署への届出日についてもシビアに対応しなければなりません。特に近年は労基署が厳格に扱っており、協定を適切に成立させ、運用していないと会社の責任や法令違反を指摘するケースが増えております。労基署への届出が不要な協定であっても、厳格に運用しなければならない時代となっています。

 ① 届出が必要な協定(例示)
 時間外労働・休日労働に関する労使協定(36協定)、1年単位の変形労働時
 間制に関する協定届: 労働時間外や休日における労働条件を取り決める協定
  
 ② 届出が不要な協定(例示)
 ・育児・介護休業等に関する労使協定:
 入社1年未満の労働者を育休の対象から除外する等々の協定
 ・時間単位の年次有給休暇に関する労使協定:
 1年につき最大5日以内で取得できる有給休暇を時間単位で付与することを 
    定めた協定
 ・計画年休労使協定:
 企業側が労働者の有給休暇取得日をあらかじめ決められる協定
 ・賃金控除に関する協定(24協定):
 賃金から法定控除以外の控除を行う協定

 複雑な労務トラブル回避のため、しっかりと規程を定めて頂くことが大切です。また、労働基準法や法改正に即しているかを専門家に判断していただくことも重要です。就業規則や労使協定についてお困り事がございましたら、お気軽にご相談下さい。


尼崎市(伊丹市、西宮市)で経営革新等支援機関、税務相談、相続対策、記帳、決算書・確定申告書の作成をはじめ、会社設立、建設業許可申請、経営相談、融資相談まで幅広く対応できる税理士・行政書士の笠原会計事務所(電話06-6438-5450)にお気軽にご相談ください。詳細は以下のURLにアクセスしてください。

尼崎市 税理士 笠原会計事務所 http://www.kasaharakaikei.com/ (税金の相談、確定申告、相続税・贈与税専門・創業支援、融資相談、記帳代行、会計ソフト支援など)

尼崎市 行政書士 笠原行政書士事務所 http://www.kasahara-jimusho.com/ (株式会社・合同会社の会社設立、建設業許可申請、経営事項審査、遺産分割協議書作成、遺言書、各種許認可など)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【Finance NEWS】債権者区分の考え方について ~尼崎市(武庫之荘)税理士 笠原会計事務所~

2024-08-05 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
【債務者区分とは】

 各金融機関では、全ての融資先に対して少なくとも半年に1回「自己査定」という作業を行っております。
これは回収できる可能性が低い貸出債権(融資金)を精査し、それに対して早期に貸倒引当金を積むことを目的としているものであり、その結果、融資先に対して債務者区分を付することとなります。
 各金融機関によって名称は異なる場合もありますが、一般的に債務者区分は上記の自己査定によって、①正常先②要注意先③要管理先④破綻懸念先⑤実質破綻先⑥破綻先の6区分に分けられることとなり、下の区分になるほど悪い状況の区分となります。判定方法は下記にも記載致しますが、融資先の財務状況、資金繰り、収益力等により判定します。


【各区分の定義】

① 正常先  :業況が良好であり、財務内容に特段の問題もなく延滞もない 
        事業者。
② 要注意先 :業況が不調で財務内容に問題がある事業者。
③ 要管理先 :要注意先の中でも3ヶ月以上延滞となっている融資、もしく
        は条件変更(リスケ)している融資がある事業者。
④ 破綻懸念先:経営難にあり、改善の状況になく長期延滞の融資がある事業
        者。
⑤ 実質破綻先:法的・形式的には経営破綻はしていないが、実質的に営業を
        行っていない等と認められる事業者。
⑥ 破綻先  :破産等の法的手続きが開始されたり、手形の不渡りにより取
        引停止処分となっている事業者。


【実際の判定方法】

 各金融機関はマニュアルをそれぞれ作成しておりそれに則った形で判定を行っており、決算書の数字による定量評価と数字以外の部分で評価する定性評価の合計で判定されます。
定量評価は、財務状況と融資の返済状況を見て、損益計算書(PL)の経常利益あるいは当期利益が赤字かどうか、その赤字年数が連続で続くほど債務者区分は悪くなります。また貸借対照表(BS)の純資産がマイナスかどうか(いわゆる債務超過かどうか)を見て、債務超過であれば債務者区分は悪くなります。またこの純資産は、決算書の表面上の数字ではなく、不良資産や土地の評価等を加味した実態の数字での純資産額で判定することとなります。
定性評価については市場価値や経営者の資質、事業の将来性を担当者が判断することとなりますので、社長自らの言葉で担当者へ話すことで、プラスの評価を得られることもあります。


【融資スタンスについて】

債務者区分によって各金融機関は融資スタンスを大きく変えてきます。正常先であれば、基本的にはスムーズに融資を受けることができますが、要注意先になると、新規融資が難しくなる可能性があります。審査が通ったとして、様々な資料提出や説明を求められた上で、減額となったり金利が高いという可能性もあります。更に要管理先以下になると新規融資は難しくなり、基本的には早期に回収できるかどうかの目線となります。


【まとめ】

上記に述べた通り、正常先と要注意先以下では融資スタンスが大きく異なってきます。赤字になってしまったら、決算説明の際に一過性の赤字であることや今後の方針を明確に伝えることが大切です。また、仮に赤字になりそうだという場合には、事前に借りられるうちに借入をしておくことが重要です。手元現預金を潤沢にしておけば、いざ赤字となった場合にも借入の返済資金に頭を悩ますことなく、黒字に向けた行動に注力できますので、まずはいつ何が起きても良いように、手元現預金の確保に努めてもらえればと思います。


尼崎市(伊丹市、西宮市)で経営革新等支援機関、税務相談、相続対策、記帳、決算書・確定申告書の作成をはじめ、会社設立、建設業許可申請、経営相談、融資相談まで幅広く対応できる税理士・行政書士の笠原会計事務所(電話06-6438-5450)にお気軽にご相談ください。詳細は以下のURLにアクセスしてください。

尼崎市 税理士 笠原会計事務所 http://www.kasaharakaikei.com/ (税金の相談、確定申告、相続税・贈与税専門・創業支援、融資相談、記帳代行、会計ソフト支援など)

尼崎市 行政書士 笠原行政書士事務所 http://www.kasahara-jimusho.com/ (株式会社・合同会社の会社設立、建設業許可申請、経営事項審査、遺産分割協議書作成、遺言書、各種許認可など)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする