尼崎市(武庫之荘)の税理士・行政書士 笠原会計事務所のブログ

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新「賃上げ税制」適用を受けるには!? ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2022-11-21 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 「賃上げ税制」は、元々アベノミクスの成長戦略の一環として所得を増やすための政策としてはじまり、この9年間で繰り返し改正されてきました。現政権の目玉政策とされる「賃上げ税制」ですが、以前の制度と何が変わったのか、適用を受けるために必要な要件や中小企業にとって有利な点を、以下にまとめてみました。

Ⅰ 賃上げ促進税制・旧所得拡大税制比較



Ⅱ 賃上げ促進税制の適用を受けるには?
 ① 人件費の総額で最低でも1.5%増が要件(月額給与、賞与も含む)
 今期の業績が良く、期末時点で人件費の総額が前期並みの場合は、賞与での調整が可能です。

 ②退職者の給与も含まれるので、注意が必要!
 前年に退職者が多い場合、その退職者に支払った給料も踏まえ1.5%の要件をクリアする必要があります。 


 ③控除限度額に要注意!
 税額控除は法人税額の20%が限度となります。そのため、赤字法人や繰越欠損金により所得が0円となる会社にはメリットがなく、また人件費を増加させた分利益が減ると法人税額も減り、控除限度額も下がります。

Ⅲ 賃上げ促進税制の控除税額の計算
 例えば、賃上げ前に利益(所得)500万円を見込んでいる会社が、賃上げ税制の恩恵を受けようとする場合、人件費3,000万円、教育訓練費100万円は前年も同様だったと仮定すると、賃上げと教育訓練費の増額分、利益(所得)が減ることになりますので、控除限度額が縮小し、全額控除が受けられないことがあります。

控除率、控除税額が増加しても、控除限度額(法人税額の20%)を超えると控除は受けられません!

Ⅳ 上乗せ措置の適用について
 上乗せ措置が受けられるからと、賞与の増額や期末に教育訓練費を使うのは上記の限度額を検討してからにしましょう。控除限度額により恩恵を受けられない場合があります。



尼崎市(伊丹市、西宮市)で経営革新等支援機関、税務相談、相続対策、記帳、決算書・確定申告書の作成をはじめ、会社設立、建設業許可申請、経営相談、融資相談まで幅広く対応できる税理士・行政書士の笠原会計事務所(電話06-6438-5450)にお気軽にご相談ください。詳細は以下のURLにアクセスしてください。

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金融機関が嫌いな勘定科目とは ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2022-11-14 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 今回のテーマは「金融機関が嫌いな勘定科目とは」です。金融機関は決算書や試算表をもって会社の数字を把握し、融資判断などを行います。その判断を行うための決算書の勘定科目が粉飾されていると正しい融資判断ができず、金融機関目線で言うと付き合いたくない会社と思われてしまいます。また、金融機関は決算書を分析する際に実態BSへの見直し作業を行います。疑わしい部分があれば、正しく修正していきます。この手間が無くて済む決算書が好かれる決算書といえます。今回、金融機関が嫌う勘定科目を知っていただき、金融機関から見て印象の良い決算書を作っていただければと思います。

【金融機関が嫌いな勘定科目の一例】
●短期(長期)貸付金
まずは、短期(長期)貸付金です。特に社長への貸付金はもっとも気になる部分です。融資を行う金融機関にとって、貸したお金がどこに流れるか常に確認しています。定期的に返済を行っているならまだしも、固定化していますと、修正の対象となり自己資本からマイナスされてしまい、もし実質債務超過となれば、利益が出ていても借入できない場合もあります。また、保証協会などからも返済をどのように行っていくのか資料の提出が条件となる場合もあります。代表者以外への貸付金の場合でも同様ですので、注意してください。

●投資有価証券
貸付金に載っている子会社等への資本金として投資しているものは特に注意が必要です。投資有価証券といえども、実態は上記貸付金と同様の性格であるからです。また、会社で株の運用を行っている会社もあるかと思います。取引先の絡みで株を持たされているのでしたら仕方ないですが、会社と個人を混同し、会社のお金で運用なされている場合もあると思います。金融機関からすると貸したお金が本業とは関係ないところに流れていっていると思われかねません。また、会社の利益を圧迫しかねない内容でもありますので、金融機関から嫌がられるものになります。

●棚卸資産
手っ取り早く粉飾する場合、棚卸資産を膨らませる事が多くあるため、金融機関は必ず確認する科目になります。棚卸資産回転期間の推移を確認し、売上の変化がないのに、棚卸資産が増えていると粉飾しているのではないかと疑われます。また、金融機関では、多すぎる在庫は不良在庫があるのではないかと思われ、代表者に確認し不良在庫分を修正しています。決算書での数値はそのままでも、金融機関の格付けでは実質債務超過の評価となっている可能性もあります。

●売掛金
売掛金においても、毎年同じ取引先で同じ金額が決算書に載っていれば、すぐに不良債権でないかと疑われます。もし、内訳書の売掛金の「その他」の部分に紛れ込まそうとしても、少額であればまだしも「その他」が過大な金額になると、すぐにバレてしまいます。どのような会社と取引を行っているのか規模感等帝国データバンクでチェックもしていますし、各取引先の月商もヒアリングしていますので、金融機関が必ずチェックする科目です。

【最後に】
 金融機関は、決算書をただそのまま入力し格付作業を行っている訳ではありません。実態に合わせて修正して実態の把握を行います。金融機関が嫌いな科目とは、必ず実態を確認しなければならない科目のことになると思います。見栄えが良くなると思って行ったことも結果、修正することになるのでしたら、金融機関の心象も悪くなります。また、減価償却を行わないことも利益を出すためには必要になることもありますが、私がいた金融機関では、減価償却不足も計算し、決算内容に反映させていました。金融機関から印象の良い会社と思ってもらうためにも、原理原則に則って正しく会計処理を行い、すっきりとした決算書を目指してください。



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金融機関への決算説明 ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2022-11-07 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 今回のテーマは「取引している金融機関への決算説明」についてです。通常は決算申告が完了し、手元に決算書が届いた上で各金融機関に決算書の控えをお渡しするというのが、一般的かと思います。その際担当者にただ渡して終わりにしていることがほとんどではないでしょうか。今回は決算書を渡す際に是非とも行ってほしい決算説明についてご説明させていただきます。

【決算説明は現状を分かってもらえるチャンス】 
 決算説明は決算内容はもちろんですが、会社の内容(事業内容)等を各金融機関の担当者へ理解してもらう機会にすることが大事です。そもそも決算の説明とはその期の損益について話をすれば良いだろうと思われがちですが、決してそうではありません。黒字であったか赤字であったかは勿論大事ですが、例えば赤字であれば何故赤字になったのか、新たな期は黒字転換する為に何に取り組んでいくのかといったことを説明することが大事です。そうすることで、各金融機関に自社の事を理解してくださり、信頼を得ることができ、新たに資金調達をする際にも融資審査のプラス材料をイメージしてもらいやすくすることができます。 
 また、財務体質を良くするということで貸借対照表(B/S)の説明も是非行っていただければと思います。設備投資の計画があれば、いついくら必要になるのか、売掛金や買掛金、在庫その他の科目についても大きく変動があれば、その原因を説明する必要があります。(売掛金・買掛金については変動の有無に関わらず説明をして下さい。)金融機関は決算書を受け取ったら決算内容を登録し、与信判断の基となる信用格付を行います。その際に金融機関にもよりますが過去3年の決算書の勘定科目内訳書を確認します。そこで例えば内訳書の売掛金の取引先別の残高に変化がなければ不良資産と認定し資産から除き、その結果実質債務超過として判断されることもあります。このことからも、事前に内容をお伝えしておくということが非常に大事になってきます。
 
【場合によっては資金繰り表も】
 資金繰り表の話は先月させていただきましたが、決算説明の際に活用するのも一つの方法です。会社存続の為には損益も重要ですが、もう一つの指標として資金繰りという話をさせていただきました。新たな期の予測の資金繰り表を作成することで、どの時期に資金が苦しくなるかを把握することができ、それを各金融機関にお知らせしておくことが大事です。そうすれば時期を見て金融機関から資金調達の提案があるはずです。逆に資金が足りなくなったタイミングで金融機関に相談に行っても、希望するタイミングでの融資実行は難しく条件も不利なものになる可能性もあります。

【最後に】
 決算説明は各金融機関から自社を深く理解してもらう為の重要なタイミングとなります。またプラスアルファで中期事業計画を立てることも非常に大事です。コロナ禍で目まぐるしく世の中が変化している中で、それに応じた設備や人材への投資、戦略が必要になってきています。金融機関は上記に述べた信用格付の際には事業の成長性・将来性はどうかといった定性評価も行います。この観点からも中期事業計画の作成も行い、それも決算説明の際に社長様自らがしっかりと説明することも重要です。 
 決算説明は赤字でも黒字でも金融機関に対してのアピールチャンスとして捉えていただければと思います。決算説明を行うことで金融機関からの信頼を得ることに繋がります。是非この機会に取り組んでもらえればと思います。



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