尼崎市(武庫之荘)の税理士・行政書士 笠原会計事務所のブログ

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遺留分侵害額はどんな制度でどのように計算される? ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2023-10-23 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
遺留分が認められるのは兄弟姉妹を除く法定相続人
 相続では、相続人の利益や生活の保全等の必要から、遺言等の内容にかかわらず取得できる最低限の取得分として遺留分が定められています。遺留分の権利が認められるのは、法定相続人のうち、被相続人の配偶者、子(子がすでに死亡しているときには孫)、子がいないときは直系尊属(親、親がすでに死亡しているときには祖父母)です。遺言等に従って財産を分割しようとしても、遺留分の範囲を侵害していれば、侵害された者(遺留分権利者)は「遺留分侵害額請求権」を行使して、侵害額につき金銭で支払いを受ける権利を有します。
 なお、被相続人の兄弟姉妹には遺留分がありませんから、兄弟姉妹が相続人となるだろう人は遺言の準備が特に重要となります。


遺留分の算定基礎財産には原則10年以内の贈与財産を算入
 遺留分の範囲は、多くの場合で法定相続分の2分の1となっており、直系尊属のみが遺留分権利者である場合には法定相続分の3分の1となります。この割合を遺留分算定基礎財産にかけ算して遺留分を計算します。
 遺留分算定基礎財産は、相続開始時の遺産(債務はマイナスの財産として計算)に一定の生前贈与財産を算入したものです。ここで算入する生前贈与の範囲とは、
➀相続開始前1年以内の相続人以外への贈与
②相続開始前10年以内の相続人への贈与
③遺留分を侵害することを知って行った贈与(年数制限なし)
となります。したがって、遺留分侵害のために大半の財産を一気に贈与したような場合を除いては、原則として贈与から10年超が経過すれば遺留分計算の際には算入されません。

実際に請求できる遺留分侵害額
 勘違いされやすいですが、上記の計算結果の金額すべてを請求できるわけではありません。上記の金額からさらに以下の➀~③の金額を差し引くほか、遺留分権利者が相続により承継することになった債務の額を足した残額を請求することになります。 

  ➀遺留分権利者(自身)の受ける遺贈の価額
  ②被相続人から遺留分権利者が受けた特別受益にあたる贈与の価額
  (年数制限なし)
  ③一部遺言等で、遺留分権利者が遺産分割で取得することのできる
  具体的法定相続分 
 
 仮に、長男に多くの財産を遺し、他の相続人への生前贈与分を遺留分計算上差し引いてほしい場合は、贈与契約書や贈与税の申告書控え等をしっかり残しておくほか、遺言の付言事項に贈与の事実を記載しておくことが重要です。くわしくは専門家にご相談ください。
 


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【Finace NEWS】融資の種類と資金使途について ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2023-10-16 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 今回のテーマは「融資の種類と資金使途」についてです。銀行に借入の相談をする際に色々な質問を受けるかと思います。希望する借入金額、借入期間、担保の有無など、さまざまです。その中でも特に重要なのが「資金使途」です。「資金使途」とは文字通り、お金の使い道です。銀行は法人・個人のお客様から預金を預かり、そのお金を貸し出して収益を上げています。そのため、多くのお客様から預かっている大切なお金は、しっかりと事業に使われることを望んでいます。今回は融資の種類と資金使途についてお伝えします。

【融資の種類】
●証書貸付・・・金銭消費貸借契約書に基づく貸付。契約によって借入期間は短期・長期両方です。運転資金、設備資金両方で利用されます。運転資金の場合は5~7年返済、設備資金の場合は購入する資産によりますが、7~10年以上返済というケースが多いです。設備資金の方が長期で借りられる要素としては、購入する資産の耐用年数を基準にするからです。運転資金の場合の資金使途は仕入・外注先への支払いやその他経費支払いとして申し込むのが一般的です。一方設備資金は、機械や不動産など特定の資産を購入する資金として申し込みます。
●手形貸付・・・約束手形を使用した貸付です。いわゆる短期借入金。3ヶ月や6ヶ月、1年という短い期間での期限一括返済が一般的です。資金使途は一時的な売上増加に伴う、増加運転資金などに利用されることが多いです。よく経営の本で「運転資金は短期借入金で調達して、更新を繰り返し利息返済だけにしなさい」というのを目にします。しかし、実務的な話をすると稟議を毎回申請し直したり、手形の更新処理をするのは金融機関側からすると手間だと感じられる可能性もあります。たしかに月々のキャッシュアウトを抑えるという意味では、良い借り方かもしれませんが、必ずしも更新のたびにこちらの条件が通るとは限りません。
●当座貸越・・・限度額を設定し、限度額の範囲内であればいつでも借入・返済ができる貸付です。実務的には年に1回程度会社の業績や利用頻度などを考慮して限度額の見直しを行います。資金使途は特段問われないことが多いですが、本業に関係のない投資有価証券の購入や役員借入金の返済などに使用すると銀行側の印象はあまりよくありません。当座貸越は決まった返済日などはありませんが、自由な反面、当座貸越があると借入金と投資のバランス、運転資金とのバランスが見づらくなってしまうので、借入返済予定表を活用して全体像を把握することをおすすめします。

【設備資金での注意点】
 設備資金で融資を申し込む際に見積書の段階で申し込むケースもあるかと思います。融資の審査途中に値引きなどにより、購入金額が減額され融資の申込金額を下回ることもありますが、その場合はすぐに銀行に報告をしましょう。設備資金は申込通りに資産の購入資金として正しく利用しているか、融資の資金使途を厳格に管理しています。具体的には融資実行後すぐに購入先に振込をしたり、購入後の領収書の控えを提出するケースがほとんどです。先ほどのように融資金額以下の購入代金に変更となった場合は差額を繰り上げ返済するよう求められる可能性もあります。また、その差額を別の資金に使用した場合は、資金使途違反になる可能性もありますのでご注意ください。

【最後に】
 融資の種類によってさまざまな特徴や注意点がありますので、それぞれの借入方法について理解し、資金使途に合った借り方をしましょう。また、資金使途通りに融資金を活用しないと資金使途違反となり、一括弁済を求められる場合もあります。このようなリスクも考慮して、金額の大小にかかわらずしっかりと銀行に報告してください。会社を運営していく中で銀行取引は必要不可欠となりますので、銀行と良好な関係を築くためにも今回のことは是非覚えておいていただけると幸いです。





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【TAX NEWS】新NISA制度がスタート ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2023-10-10 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 令和6年1月からスタートする新NISA制度。投資のリスクはあるものの、うまく活用できればとても便利な制度であると言えるでしょう。旧制度との違い、ポイントを制度開始前にご案内いたします。

Ⅰ NISAとは
 年間投資枠の範囲内であれば、投資による利益(利子、配当、値上益)に対する税金(通常なら約20%)が非課税になる制度です。すでにNISA口座を開設している人であれば、特別な手続は不要で令和6年1月に現在の金融機関で自動的に新NISA口座が開設されます。新NISA開始を機に金融機関を変更したい場合には令和5年10/1〜令和6年9/30までに金融機関の変更の手続をする必要があります。その際には令和6年中は変更前の口座で非課税枠を使った買付をしないことが必要となりますのでご注意ください。

Ⅱ 旧制度との比較


Ⅲ 新NISAのポイント
 ※1 つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠で購入することも可能
  →成長投資枠の対象商品はつみたて投資枠の対象商品を完全に含んでいます(下図参照)ので、つみたて投資枠・成長投資枠ともにつみたて投資枠の対象商品への投資をすることが可能です。(逆は不可)


 ※2 非課税期間が永久
  →最短5年で非課税枠1,800万円(=360万円×5年)を埋められる一方、例えば50年かけてコツコツ投資(年36万円×50年=1,800万円)する、といった自由な投資計画が可能です。

 ※3 非課税枠1,800万円は売却したら翌年に取得価額ベースで非課税枠が復活
  例)投資1年目に100万円で投資した商品を投資2年目に150万円で売却した
   非課税枠 残り1,800万円-100万円=1,700万円 
    →2年目 値上益50万円は非課税
   非課税枠 残り1,700万円→1,800万円へ!
    →銘柄の入れ替えができる&ライフプラン上の資金需要に対応できる
 
Ⅳ NISAのデメリット
 ① 運用によって損をする可能性がある、損失が生じた場合に損益通算や繰越控除の適用がない
  →利益が出たら非課税とする代わりに、損失が出てもなんら考慮されません。

 ② 外国株式に投資した場合(成長投資枠)の外国税は課税、確定申告しても外国税額控除の適用がない
  →外国税についてはNISAの対象外となってしまいます。



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【Finance NEWS】金融機関のノルマとは? ~尼崎市(武庫之荘) 税理士 笠原会計事務所~

2023-10-02 09:00:00 | 尼崎市(武庫之荘) 税理士・行政書士事務所
 今回のテーマは「金融機関のノルマ」についてです。
 現在、金融機関の中にはノルマを廃止すると公言しているところもあります。しかし実態は今まで通りノルマを設定しているケースがほとんどなのが現状です。
 金融機関は元来、貸出金利息と手数料を収益源として稼いできました。しかし今般の貸出金利息の低下により収益が稼ぎづらくなってきており、金融機関の営業担当者に課せられるノルマが多種多様なものとなってきております。金融機関により差はありますが、以下のようなものがノルマとしてあります。

個人営業
・融資(住宅ローンや個人ローン等)    
・預金(定期預金・定期積金・新規口座開設件数等)
・預かり資産(投信・保険・外貨預金等)    
・その他(年金契約件数・インターネットバンキング件数等)

法人営業
・融資(保証付融資、プロパー融資、私募債等) 
・預金(定期預金・定期積金・新規口座開設件数等)      
・預かり資産(投信等)            
・その他(ビジネスマッチング等のアライアンス業務等)

【金融機関の現状】
 非常に多くの項目がありますが、一番評価されるのは融資項目となります。上記で述べた通り金融機関の主な収益源は貸出金利息ですので、その主軸となる融資項目は相当なウェイトを置いておりますし、金融機関同士の競争も激しいです。そもそも金融機関は多くの人や企業から預金としてお金を集め、そのお金を資金が必要な個人や企業に預金金利より高い金利で貸し出し、その金利差で収益を上げる事業構造です。ところがその金利が低くなっていることで稼ぎづらくなっており、預かり資産やビジネスマッチング等の提携業務での手数料収入で賄わないといけない状況になってきているのも実状です。
 そしてこれらのノルマは本部と各支店の支店長との話し合い等で次年度のノルマが決定するのが一般的です。(支店の規模や営業担当者の人数での頭割りとなるケースが多いです。)
 そうして決定したノルマは各支店の担当者へと割り振られどのように推進していくかを支店内で話し合い決定します。(法人担当・個人担当で特性を生かしての割振りや地区の特性での割振りが一般的かと思います。)

【融資のノルマについて】
 先程、ノルマでも一番評価されるのは融資項目というお話をさせていただきましたが、最近では平均残高でノルマが設定されている場合もあります。理由としては、いわゆる獲得残高ベースで目標を設定してしまうと、年度末に1日だけ大きな金額を融資実行するだけで達成が可能となりますが、平均残高となると期の初めから融資残高を増やしていかないと達成することが困難となります。また融資は返済が伴うものですので毎月の返済金額を上回る融資実行を行わないと目標から遠のいていくこととなります。ですので、財務状況が良かったり成長が見込まれるお客様に対し積極的な融資提案を行います。

【最後に】
 ノルマは多くの項目があり、基本的には全てのノルマを達成することが目標です。しかし金融機関あるいは時期によって力を入れる項目に温度差があるのは実状です。これをやれば担当者との関係が良くなると言えるものはありません。大抵の場合、地域性やお客様層等により苦しむノルマはあるはずです。それに少しでも協力してあげることができれば、良好な関係に繋がるかと思います。但し、明らかに不必要なもの、損するような内容の場合は協力を避けるべきです。そこはしっかりと考えた上で動いていただければと思います。



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