おはようございます。尼崎市の税理士・行政書士の笠原です。私は、尼崎市の消防団員として微力ながら防災活動などを通じてボランティアをさせていただいております。
今日は、普段消防団員がどのような活動をしているか?考えてみたいと思います。
東日本大震災で、多くの消防団員が犠牲になりました。高齢化の進展や地域のコミュニティが薄れる中、いまや消防団は地域の防災に欠かせない存在です。紀伊半島を中心に大きな被害をだした台風12号の被災地でも、消防団は土砂崩れの危険箇所の警戒をしたり、住民への避難の呼びかけをしたり、行方不明者の捜索にもあたっています。
尼崎市の職員である消防本部の消防職員と消防団員の違いがわかりにくいかもしれません。
消防団員は普段は会社員だったり、農業や漁業などの仕事をもっている人が、火事が起きたり、地震や津波、水害などが発生した際には、仕事を中断して、すぐに現場に駆けつけて防火や防災活動にあたります。非常勤の特別職地方公務員として位置付けられていますが、報酬は一般の団員の全国平均で、1年間におよそ2万5000円、一回の出動手当が3300円ほどですから、生半可な気持ちでは続けられないボランティア精神に支えられた仕事です。
総務省消防庁のまとめでは、東日本大震災で犠牲になった消防団員は、岩手県が119人、宮城県が107人、福島県が27人の、合わせて253人にのぼっています。同じ東北3県で犠牲になった消防本部の職員は27人、警察官は30人で、消防団員の犠牲者は際立って多くなっています。
かつて地域には、青年団や婦人会などがあって活発に活動していましたが、農業や漁業の後継者が減ったり、小さな商店がなくなるなど産業構造が変化したり、高齢化の進展などの影響で、多くの住民組織が弱体化し、今やいざという時に集団で活動できる組織は消防団しかないという声をよく聞きます。
大震災で犠牲になった消防団員の年齢をみると、多いのは40歳代と30歳代で、ともに30%前後を占めています。まだ子どもが小さい働き盛りの年代です。総務省消防庁には消防団の安全対策を早急に検討し、実施して欲しいと思います。と同時に、犠牲になった団員への十分な補償にも力を尽くして欲しいと思います。