監督:石井裕也
出演:松田龍平、宮崎あおい
出版社の辞書編集部を舞台に、新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描き、2012年本屋大賞で第1位を獲得した三浦しをんの同名小説を映画化。玄武書房の営業部に勤める馬締光也は、独特の視点で言葉を捉える能力を買われ、新しい辞書「大渡海(だいとかい)」を編纂する辞書編集部に迎えられる。個性的な編集部の面々に囲まれ、辞書づくりに没頭する馬締は、ある日、林香具矢という女性に出会い、心ひかれる。言葉を扱う仕事をしながらも、香具矢に気持ちを伝える言葉が見つからない馬締だったが……。馬締役で松田龍平、香具矢役で宮崎あおいが出演。監督は「川の底からこんにちは」「ハラがコレなんで」の俊英・石井裕也。
辞書を作る。
そりゃ、誰かが作っているだろうが、どんなふうにしているのか、普通は知らないわけで。
でも、どう考えても地道な作業だろうし、それが小説になっただけでも驚きだったのに、今度は映画だ。
大丈夫か、と思ったりしたけど、なかなかの佳作でありました。
松田龍平は、原作での学究肌イメージはやや希薄だったけど、主人公のいい意味での変人ぶりを好演。
宮崎あおいは、イメージとのズレ、ちょっとあり、かも。
全体に、台詞が少ない映画だ。
沈黙が多いシーンが結構ある。
監督はその沈黙を恐れず、堂々と、ゆったりと物語を進めていく。
たいしたものだ。
それから、主人公が暮らす古いアパート、いや下宿と呼ぶべきか、
とにかく「早雲荘」がいい。
すごくいい。
他の住人がいないので、建物全体を図書館のように使わせてもらっているのだ。
主人公を体現している住居。
本好きにはたまらない、実にうらやましい環境です。
それにしても、15年かかって、1冊の辞書を作っているのだ。
見終わって、辞書を買いたくなりました。
皆さんも、辞書を買いましょう(笑)。
そして、使いましょう。
*辞書について、このブログで書いたもの
12年ぶりの“新作”
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/31a46559c234a5406595d748737a7bef