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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

映画『2012』で体感する映像の最前線

2009年11月25日 | 映画・ビデオ・映像

この秋、一番楽しみにしていた映画『2012』を観てきた。

『インデペンス・デイ』『デイ・アフター・トウモロー』のローランド・エメリッヒ監督が、地球をぶっ壊すというフレコミなんだから、期待大だ。

で、どーよ、ってことだが、ほんと、壊してました(笑)。

しかも、その地球崩壊というか壊滅の模様を、完全にヴィジュアル化していた。

「ディザスター・ムービー(パニック映画)」の横綱登場といったところだ。

そりゃ確かに人間ドラマもあるが、やはりこの作品は、第一にVFXの最前線の成果を楽しむものだと思う。


つい先日、NHK『クローズアップ現代』が、アカデミー賞の「科学技術賞」を受賞した日本人・坂口亮さん(@デジタルドメイン社)を取り上げていた。

桐蔭学園→慶大環境情報学部という坂口さんは、在学中からハリウッドで仕事を始める。

水や波のCGを究めようとするが、それには流体力学をマスターする必要があった。

しかし、困ったことに数学や物理が苦手。

そこで、中学校の数学の教科書に戻って勉強を始めるのだ。ここがすごいよなあ。

3年後には、流体力学の英語論文を解読するまでになる。

『2012』は、この坂口さんが参加している作品だ。

都市全体が崩壊していくリアルな映像に驚いたが、さらに巨大な津波がすべてをのみ込んでいくシーンは圧倒的な迫力。

「ああ、これが坂口さんが夢見た波か」と思いながら見ていた。

やったね、坂口さん。