映画『イングロリアス・バスターズ』を観た。
タランティーノ監督作品というだけで、「さあ、今回は、何を、どう見せてくれるの?」と期待感が高まる。
アメリカ軍の特殊部隊がナチをやっつける、てなことしか予備知識は仕込まないようにして劇場へ。
いやあ、ちゃーんと“タランティーノ印の戦争映画”になっていました。
基本的には、お得意の復讐劇だ。
ナチに家族を殺されたユダヤ人女性(メラニー・ロラン、GOOD!)が、その恨みをきっちり果たすわけだが、タランティーノはヒロインでさえ“特別扱い”はしないからね。大変です(笑)。
ブラッド・ピットも、そして彼が率いる特殊部隊(名誉なき野郎ども)の面々も笑える。みんな、やり過ぎ、過剰と思われそうだが、タランティーノ作品ならOK。
とにかく、役者も、演技も、衣装も美術セットも、そして音楽も、自分が欲しいものを、ぜーんぶ投入している。
さらに、歴史的事実さえ、タランティーノ・ワールドに染めてしまう強引さというか、我がままさというか、「映画は何でもありじゃん」主義が、いっそアッパレだ。
特に、音楽は嬉しかったなあ。
思い出せるだけでも、「アラモ」「荒野の1ドル銀貨」「復讐のガンマン」といった西部劇やらマカロニ・ウエスタンやらの名曲が流れていた。
他の曲も、ほとんどがいろんな映画で使われていたものがベースだ。
ほんと、タランティーノは“映画好き”“映画狂”なんだね。
あれも使おう、これも入れちゃえ、と嬉しそうに作業をしている様子が浮かんできた。