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黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八 第一節 語句の意味1-2

2013-07-25 09:29:47 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 通評虚実論篇 第二十八

第一節

 黄帝問曰。何謂虚實。

 岐伯對曰。邪氣盛則實。精氣奪則虚。

 帝曰。虚實何如。

 岐伯曰。気虚者肺虚也。氣逆者足寒也。非其時則生、當其時則死。餘藏皆如此。

 帝曰。何謂重實。

 岐伯曰。所謂重實者、言大熱病、氣熱脈滿。是謂重實。

 帝曰。經絡倶實何如。何以治之。

 岐伯曰。經絡皆實、是寸脈急而尺緩也。皆當治之。故曰、滑則從、濇則逆也。夫虚實者皆從其物類始。故五藏骨肉滑利可以長久也。

 

語句の意味1-2

虚=<素問通評虚実論>「邪気盛なれば実し、精気奪すれば虚す。」

 

虚 実=虚とは「正気の虚」で、実とは「病邪の実」である。つまり、人体にとって必要な物質や機能の不足が「虚」で、不必要有害なものの存在と病理的反応が「実」と考えてよい、機能面にかぎると、虚は機能の低下を、実は機能の停滞あるいは過亢進を意味する。神戸中医学研究会編著・中医学入門

 

鍼灸医学大系(語句の解)

虚=そこで本文の虚とは「充実して存在すべき精気がぬけてしまった状態を虚と定義」したわけである。

 

虚実=虚と実。これは人体の抵抗力の強弱と病邪の盛衰をさす。またこれは体内の正気と病邪との闘争の表現である。

虚は人体の正気不足、抵抗力の減弱をさし、実は病の邪気が盛なことと邪正の闘争がはげしい状態をさす。およそ病者の体質が強く、病理変化にも有余の表現するものを実とする。病者の体質が弱く、病理変化にも不足の表現をするものを虚とする。虚実は相対的であり、たがいに転化する、あるいはたがいに錯雑してあらわれる。病が比較的長いものは病状が複雑になり、往々にして病邪が久しく留まって、正気を損傷し、実より虚に転じてしまう。また正気が素より虚し、邪を追い出す力が無く、痰・食・水・血などと結び虚実交錯となる場合もある。故に虚実錯雑と虚実真仮とは異なる。

<素問通評虚実篇>「邪気盛んなれば実、精気奪われれば虚。」

<難経四十八難>「人に三虚三実あり。何ぞや。脈の虚実あり。病の虚実あり。診の虚実ある也。」

 

實=実脈。脈象の一種。三部の脈を弱く按じても強く按じても力のあるもの。実証である。実熱内結、停痰食積などにみられる。

<素問玉機真蔵論>「脈実は病中にあり。」

<脈経>「実脈大にして長、微に強く、之を按じて指に隠れ愊愊然たり。」漢方用語大辞典

 

鍼灸医学大系(語句の解)

實=そこで本文に於ては、邪気が盛んな状態を実と謂うのだと、実の定義を与えたわけである。

 

邪氣=風寒暑湿などの外因によって起きる疾病の病因。

邪気=邪に同じ。<素問通評虚実論>「邪気盛んなれば則ち実し、精気奪われれば則ち虚す。」

邪=①

1)邪気ともいう。広く各種の病因と、その病理の障害をさし、人体の正気と相対する表現である。

<素問評熱病論>「邪の湊まる所、其の気必ず虚す」

2)風・寒・暑・湿・燥・火の六淫や、疫癘の気など、病気の原因となるもの。これらは外より人体に侵入するので外邪ともいう。

②斜の意味。<霊枢経脈篇>「足心に邪に走る。」

 

精気=生命根元の力、精神と気力。「万物の精気、精気を奮い起こす」

精気=正気と同じく、生命の精華物質、およびその働きをさす。<素問通評虚実論>「邪気盛んなれば則ち実し、精気奪われれば則ち虚す。」②生殖の精のこと。<素問上古天真論>「丈夫は八才にして腎気実し、髪長じ歯更わる。二八にして腎気盛んに天癸至り、精気溢瀉し陰陽和す。故によく子あり。」③飲食より化生された精微物資、すなわち営気、衛気、あるいは後天の精のこと。<素問経脈別論>「飲胃に入り、精気を游溢し、脾に上輸する。」<霊枢営衛生会篇>「営衛は、精気なり。」

 

奪=①喪失、損傷のこと。<素問通評虚実篇>「邪気盛んなれば実、精気奪れれば虚。」②失う、誤りのこと。また色脈が異常なことをいう。<素問脈要精微論>「其の脈を徴むるに五色と供に奪する者は、これ新病なり。」③抗争、相い争うこと。<素問脈解篇>「陰陽内奪し、故に目・・(目へんに流のつくり)として見る所なし。」④鬱病の治法の一つで、吐・伐・瀉のこと。これを張景岳は「三奪」と称している。<素問至真要大論>「暴なる者之を奪す。」「盛なる者之を奪す。」<素問六元正紀大論>「土鬱すればこれを奪す。」⑤処理、決定すること。<素問玉版論要篇>の「治は権衡相奪に在る」とは、治療時に虚実、軽重をはかって治療方法を決定すべきであるという意味。

 

気虚=①気少、元気虚弱をさしている。多くは臓腑が虚損したり、重病や久病によって元気を損耗しておこる。一般症状は顔色が青白で光沢がなく、頭眩耳鳴・心悸短気・動くと汗が出る・語声低微・倦怠無力などである。もし気虚して血液を固摂することが出来なくなり、血が経を循らなくなると、崩漏・便血・衄血などの慢性出血の病証が生ずる。これを気虚不摂という。②肺虚をさす。<素問通評虚実篇>「気虚は肺虚なり。」

気少=浅い力のない呼吸。気不待続ともいう。

 

肺虚=肺気の不足や肺陰虚をいう。臨床症状は少気、呼吸困難、語音低く、皮膚枯燥、常に自汗出て、顔色白く、身体怕(ハ・オソれる)冷などあらわす。<素問蔵気法時論>参照。

 

氣逆=気が逆上して不順である病理をさしている。気が順であれば平常であり、気が逆すれば病になる。肺胃の気は降るのが順であり、肺気が逆すると喘促、咳嗽などをあらわす。胃気が逆すると嘔吐、呃逆などをあらわす。肝気は昇発を主るが鬱怒が肝を傷って、昇発がすぎると、また気火上逆をあらわし、頭痛眩暈・昏倒・吐血などの症状をあらわす。

<素問経脈別論>「太陽の蔵独り至るは、厥し喘し虚して気逆す。是れ陰不足、陽有余也。」

 

漢方用語大辞典、明解漢和辞典

 

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