滋賀県主催講演会「ひと・琵琶湖・淀川のつながり」に参加

2011-02-09 14:55:32 | 琵琶湖疏水

 2月6日、「かっぱ研究会」の情報ML167で案内をいただいた下記講演会が、大津市勤労福祉センターで開催されたので、参加させていただいた。
      マザーレイク・琵琶湖のこれからを考えるシンポジウム
               「ひと・ンポジウム琵琶湖・淀川のつながり」
 会場の5階大ホール(150名規模)をほぼ埋める参加者があり、滋賀県嘉田知事と川本勇氏のスペシャル対談「琵琶湖への思い」、4人の講師のリレー講演「琵琶湖と淀川のつながり」、パネルディスカッション「琵琶湖・淀川のために私達が出来ること」と3時間の講演会であり、滋賀県中心に活躍するDJ/プロデュ-サ-・川本勇の司会で、有意義な時間を楽しむことができた。

 参加者の構成比率は、滋賀県内58%、大阪25%、京都10%、その他7%で、三重県や奈良県からの参加もあり、関心の広がりを実感した。嘉田知事は挨拶の中で、琵琶湖を大阪湾をつなぐ淀川流域の上流と下流の利害は地形的に対立するものであり、この管理をすべて国に任せてきたが、これからはお互いに研究して解決するという姿勢が大切であると述べ、最近発足した「関西広域連合」の重要課題であると強調された。
 リレー講演者の最初は、滋賀大学教授・久保加織氏の「琵琶湖に育まれた滋賀の食文化」で、琵琶湖の待ち型漁法、「田仕事」と「湖稼ぎ」、推定されるすし伝播図、なれずしの解説など興味ある内容で、栄養学からみた「ふなずし」の話しには関心が集まった。
 次の講演者である大阪市立大桐中学校教諭・河合典彦氏の「琵琶湖-大阪湾回廊としての淀川」は、少年時代から現在まで、遊び学び続けた淀川流域を30枚のPPT資料で解説され、体験にもとづく説得力のある講演であった。
 次の講演者は、NPO法人「自然と緑」の副理事長・高田七重氏の「大阪湾から淀川を遡り琵琶湖へ」で、大阪市内で運動を開始した「自然大学」の活動、森林との関わりを中心とした室内講座・野外実習・自然観察会など多彩な活動状況の説明画あり、河口から琵琶湖まで川の現状を学ぼうと「0から始まる104km」の行事には500人が参加した。
 最後の講演者は、滋賀県琵琶湖再生課長の小林洋氏の「琵琶湖淀川流域を視野に入れたマザーレイク21計画について」と題した講演で、第一期(1999~2010)から第二期(2011~2020)に向かう中間まとめ(案)の概要が報告され、全48ページの案をいただいた。

 私はかねてより、淀川流域の諸問題について地域住民やNPO法人の関心が深いことに注目してきたが、今回のシンポジウムに参加し、そのレベルの高さを再確認した講演会であった。また、会場に入ったとき、番号のついた多色の番号札を渡されたが、これは、年末の紅白歌合戦で活用されているもので、司会者の4問選択の質問集計に使用するもので、5人のバードウオッチャ-が目測し、これをパソコンですぐに円グラフで表示できる仕組みであり、会場の雰囲気を和らげる効果が大きかった。
           
            2011-02-06-3668  バードウオッチャーが活躍

 今回の講演は、「琵琶湖疏水」を琵琶湖から大阪湾までの水位差で眺めようと主張している私にとって非常に参考になるものであった。感謝したい。