真如堂で紅葉と路地の鉢菊を楽しむ

2007-12-13 22:49:55 | 植物と動物

 11月22日、岡崎の「みやこめっせ」で日本盆栽大観展を見学したあと、平安神宮裏の丸田町通の東端(白川通に突き当たる)近くにある岡崎別院と岡崎神社の間の小道を通って、金戎光明寺の境内を抜け真如堂に向かった。久し振りに訪れた真如堂は、京都有数の紅葉の名所として大勢の観光客で賑わい、期待通りの美しさであったが、今回は菊の話題を紹介する。
 本堂に向かって進むゆるやかな坂のすぐ右手の奥に、真如堂塔頭「吉祥院」の建物を利用したコーヒー・紅茶店「かふぇ水琴窟」がある。小さい案内板にしたがって中に入ると、畳敷きの広間に案内され、コーヒーや紅茶をいただきながら他の観光客とともに窓越しに紅葉を楽しむことができる。
 この店は京都新聞(07-11-06)の紹介によると、吉祥院副住職が京都市内の障害者地域活動支援センター4ヶ所に呼び掛け、障害者や施設のスタッフが運営している店であり、今年で3回目を迎え、11月12日から30日(11:30~15:30)の季節限定の開店をしている。私が嬉しかったのは、周辺の狭い空間を利用した菊の展示であった。
  


  
 今年の菊は、二条城・勧修寺・府立植物園などの規格化された集団の競演展示を楽しんだが、今回は個人が育てたと思われる野生に近い集団の美を楽しむことができた。とくに、古典菊と題して「嵯峨菊(京都)・伊勢菊(三重)・肥後菊(熊本)・江戸菊(東京)の4種は簾(すだれ)の前で競演する姿がすばらしかった。
 吉祥院副住職の竹内純照さんは、仏教と医療を考える全国連絡協議会を立ち上げるなど福祉問題で幅広く活躍しており、苦沙彌のペンネームで真如堂の紹介をつづけている方である。また、店の名前である水琴窟は庭の片隅にあり、真如堂と書かれた軒丸瓦に水をかけると、やさしい音色を楽しむ工夫がしてある。
 また、琵琶湖疏水の設計・建設に活躍された田邊朔朗氏の功績をたたえて、灌漑用水で潤った白川村民から贈られた石燈篭が、境内元三大使堂の前にあるそうだが、次回には確認したいと思っている。