ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝鞦韆〟とか〝半仙戯〟というのは?

2022年04月10日 | 俳句

 今日も快晴、まこと洗濯日和です。デッキに干しに出るともう暑いくらい!だって山口は最高気温25度ですってよ。でも宇部市は19度…これホント?

 先日の8日は金曜日。こちらは午前に始業式、午後が入学式でしたから、そのすぐ後に土・日の休日があるというのは、教師にとってはホッとするんですよね。だって新学期の担任は生徒の顔もまだ分らないし、いろいろと年度初めの業務が輻輳しているので、軌道に乗るまではとっても忙しくて大変なんです。特に新入生を担当する時などは気も遣いますからね。

 季候の良くなった春休み中の公園には、小学校や幼稚園の子どもたちなどが結構遊んでいましたが、今日はガラーンとして…。やっぱり新学期でいろいろとすることや宿題とかももうあるのかな?

 ところで、公園といえば遊具…特にぶらんこや滑り台などが定番ですよね。そのぶらんこが春の季語だということ、皆さん知っていましたか?俳句初心者の方は殆ど知りませんし、少し嗜んでいる方でも知らない方がいらっしゃいます。

 それじゃあ滑り台や遊動円木、ジャングルジムなどは?と聞かれると…季語ではありませんと答えるしかないんです。きっとなぜ?と思われるでしょうね。私も最初は不思議でしたから。

 同じように子供の遊びで季語になっているものは、〝シャボン玉〟(春)〝風船〟(春)〝縄飛び〟(冬)〝おしくらまんじゅう〟(冬)など。新年の季語には〝羽子つき〟〝独楽〟〝歌留多〟なども。他にももっとたくさんありますが、それはまたの機会にして、今回は〝ぶらんこ〟だけについて書いてみましょう。

 先日「春愁」の句で、三橋鷹女のことを少し書きましたよね。その時、彼女の句でもう一つすぐに思い浮かぶ句があったんです。それは…

  鞦韆(しゅうせん)は漕ぐべし愛は奪ふべし

という有名な句です。この「鞦韆」という季語が〝ぶらんこ〟のことなんですよ。中国北方の異民族から中国に、紀元前7世紀ごろに輸入されたものとか。歳時記の説明を見ると〝異民族の間では寒食の節(冬至の後105日目の日)に鞦韆に乗って遊ぶ風習があった。唐代には玄宗皇帝が鞦韆の羽化登仙の感にちなんで、半仙戯(はんせんぎ)と名づけた…ふらここやゆさはりはブランコの古語〟だとも。

 Wikipediaによると、〝「鞦」「韆」はそれぞれ1文字でもブランコの意味を持つ。「鞦韆」は今でこそブランコの意味を持つが、古くは中国で宮女が使った遊び道具をさす。現代のブランコとは少し違い、飾りがたくさんついており、遊戯中、裾から足が見えて、皇帝が見ていて運よく夜伽に呼ばれる可能性から艶かしいイメージを持たれていた。北宋の文人、蘇軾の漢詩「春夜」にも鞦韆が出てくる。唐の玄宗は、鞦韆に「半仙戯」の名を与えたという。〟と。

 ちなみに、「春夜」の漢詩(七言絶句)は「春宵一刻値千金 花有清香月有陰 歌管樓臺聲細細 鞦韆院落夜沈沈」です。読みや意味は調べて下さいね。

 更に〝日本へは古く中国から伝わったとされ、樹木や梁から吊り下げたものであった。嵯峨天皇の詩に詠まれ、『倭名類聚抄』にも記述がみられる。「ぶらんこ」と呼ばれるようになったのは江戸時代になってからとされる〟とも。

 さて、その〝ぶらんこ〟も言い方で詠み方も様々でしょうが、春の季語ということを忘れずに作句しましょう。ある時はあたたかくのどかに、また時には物憂く春愁などを感じて、更には天にも登るような愉快さや朗らかさなども必要でしょうか。さあ、挑戦して詠んでみましょう。傑作が出来れば是非ご披露を!

 次の句は全部そのぶらんこの句です。参考までに…

  ふらんどや桜の花をもちながら    一茶

  鞦韆に腰かけて読む手紙かな     星野立子

  ぶらんこの三つあれば母真ん中に   森田垰

  ふらここを降りて翼を失へり     神蔵器

  昼の月蹴り上げて来よ半仙戯     加古宗也

 写真は、ウイキぺディよりお借りしました。スミマセン!

ブランコ - Wikipedia

夕日と海とブランコと/下関・福江の海岸に新スポット / 山口新聞 ...

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 〝褻〟という漢字読めますか? | トップ | 吟行って何? »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (信州人)
2022-04-16 22:47:17
ちわきさま、こんばんは。

当地は懐古園も桜が満開。
やっと世間様に追いついてまいりました。
歌碑もあるとか(去年までは知らなかった)

ブランコが春の季語の理由がわかりました。
ブランコは実家の目の前のちさき公園にあって馴染み深いです。
夏休みのラジオ体操はそこで、他にも遊具があって、楽しかったなあ。
<ぶらんこをまずは取りあふ雨上がり>
<夜のふらここ他人のやうな母の漕ぐ>
さぼる言い訳は出来の悪い証拠で、こどものころから変わらんのです。
返信する
Unknown (ちわき)
2022-04-17 12:21:26
信州人さん、コメントありがとうございます。
懐古園…懐かしいですね。長年の夢だった軽井沢へ行ったとき、ついでに近いからということで〝小諸なる古城のほとり〟を歩こうと…念願が叶いました。
その時一緒に行った俳句の先輩は…今は行方が知れず…それで余計心に残っています。
きっと桜の頃の懐古園も美しいことでしょう。あの時は初夏でしたので、かの〝草笛〝を誰かが吹いていましたよ。それがとってもお上手で聞き惚れてしまいました。指導もしていたようです。

<ぶらんこをまずは取りあふ雨上がり>…
随分上達しました…かしら?焦点の絞り方がよくなっていますね。景がよく見えてきます。
もしこれに推敲を加えるとすれば…〈まず〉(文語ではまづ)が気になりました。考えてみて下さい。

<夜のふらここ他人のやうな母の漕ぐ>…
これはちょっと??恐らく言い足りていないので読者に疑問を抱かせるのでしょう。
〈他人のやうな〉というところ…昼間見ている母とはまるで別人のような…ということを言おうとしたのでしょうが…そこに何を感じたのかということがイマイチ、これは人によってはいろいろとあるでしょうからね。
この句はもう少し愛情を感じさせるように読んだほうがいいでしょう。
さぼり癖はお互い様!では、また…
返信する

コメントを投稿

俳句」カテゴリの最新記事