ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

ああ、〝俳句があってよかった!〟

2022年09月29日 | 俳句

 〝時の過ぎゆくままに~この身をまかせ~〟なんて歌ってたら、本当にあっと言う間に過ぎてしまいました。あと1日で10月ですよ、ウエ~ン!(>o<)

 先日から義母の原因不明の微熱が続いて…ちょっと心配していたら、昨夜は38度を超したとかで主人が解熱剤を飲ませたと。それで今朝は37度に…でもこれも微熱ですし、食欲がないんです。先程病院へ行ってきましたが、特別に診てくれるわけでもなし。熱があれば電話で指示を受けてここには来ないでほしいなんて言われて…、コロナが流行してからは何だかみんな不親切です。高齢者を抱えているとちょっとした事でも心配なのに、かかりつけ医がこんな調子なんですから…飛び込みなんてホント適当にあしらわれるのではと思ってしまいます。そりゃ医療関係者の方も大変だとは思いますが、病気ばかりは素人ではどうにもできませんもの。頼るしかないですよ。

 お婆ちゃんが美味しいと言って食べてくれると、毎日料理するのも苦にはなりません。また、一緒に台所に立って、葱を切ってくれたり野菜を揃えてくれたりと、とても助かっているんです。こういうのが平凡だけど〝シアワセ〟ということかなと、いつもアリガタイと思います。とにかく平穏無事というのが一番。コロナとは関係ないだろうけど、こんな原因不明の発熱というのがコワイ!早く元気になってね、お婆ちゃん!

 話は変わって、ちょっと書くのが遅れてしまいましたが、先週の24日(土)、3年ぶりに「第26回俳人協会山口県支部俳句大会」が、防府市で開催されました。受付係でしたので、9時までに行き皆とお手伝い。席題10時発表、投句締切り11時。13時から、俳誌「知音」の代表・西村和子先生を講師にお迎えしての俳句大会でした。

 西村和子先生の講演は、1時間余りの「疫病禍の俳句」と題しての話でした。私は以前下関であった俳句大会でお目に掛かったことがあるのですが、後は雑誌等で知ってるくらい。講演を聴くのも初めてでした。「知音」に掲載された句や選者をされている「毎日俳壇」からの投句、またご自分の詠まれた句など、実作例を挙げて説明されました。

 例えば、コロナ禍での自粛を詠んだ〈暇も金もあるのに自粛梅雨湿り〉、ソーシャルディスタンスの〈招かれて疎らに座る寒さかな〉、テレワークの〈脳の凝る在宅勤務夕涼み〉など。更には商売を自粛するどころか〈休業のはずが閉店昼の虫〉などと、身につまされるような俳句ばかり。

 まだまだありましたよ。〈孤独死に非ず孤高死菊一輪〉や〈花の頃またねと友は言ひしまま〉などはきっとコロナで亡くなった人たちのことでしょう。現在で死者は45000人弱なんですものね。

 最後にご自分の作を解説されましたが、俳人協会での会議がズームになった時に詠んだ〈遠隔会議中座画面の白障子〉とか、いつもことある毎に吟行していた鎌倉が〈梅雨籠鎌倉とほくなりにけり〉と。それで仕方なく家の近くを一人吟行して〈紫陽花やここの小路は知らざりき〉や〈初桜ひとり歩きに如くは無し〉などと、強がって詠んでみたりしたんだそうです。

 中でも私が一番感心したのは〈黙食黙読黙思黙然秋一日〉という句。全てが漢字、更に「黙」を4回も使用し、さすがですね。今のコロナ禍の世の中をぴったりと言い当て、おまけに世相を風刺するという諧謔性。要するに俳句の心髄でもある〝黙って語る〟ということを暗に示してもいるんですから。西村和子先生も早くにご主人を亡くされてからは一人暮しだとか。でも〝俳句があってよかった〟と。ましてやコロナ禍になってからは句会も吟行もできず、人とも会えず一人で遣り過ごすしかなかった日々の中からの実感がまさに〝俳句があってよかった〟ということ。私も全く同感!です。

 この言葉は私の教室の生徒さんからも何度も聞きましたし、私も悩んでいる人がいれば、〝きっと俳句があってよかったと思う日が来るから…〟と継続することをいつも勧めています。これは私自身の体験からの本音ですもの。

 他にも納得できる話は多々ありましたが、最後のまとめとして〝今できることを、できる形で俳句と付き合ってゆく〟という先生の信念のような言葉が心を打ちました。よく人は〝今忙しいから…〟とか〝介護があるから…〟とか言って、俳句ができないと逃げますが、先生は〝忙しいからできる〟〝子育て中だからできる〟〝病気だからできる〟というように、〝その時に詠むのがいい〟んだと。その通りです。その時しか詠めないものってたくさんありますもの。後からだとみんな思い出になって過去の報告になってしまいますからね。

 私が俳句を始めたのは子育てが終ってからでしたからとても悔しい思いをしました。でも、病気になった時は、その俳句があったから乗り越えられたんですし、その時の苦しみは今でも俳句に生きています。

 俳句は現場で今実感したものを詠むのがいい。そうすると臨場感の溢れる句が詠めます。是非そんな句を詠むためにも〝今できることを、できる形で〟詠みたいものです。さあ、皆さんも一緒に頑張りましょう。

 写真は、〝ゼフィランサス〟。以前にも載せましたが、もう何度目の花でしょう。終ったかと思うと、雨が降った後にはまた顔を出しますので、とても嬉しい!この花は9月の誕生花で、花言葉は「汚れなき愛」「純白の愛」「便りがある」「期待」などです。

コメント (8)
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