ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

初句会の〝寒菊〟の句

2020年01月09日 | 俳句

 昨日は一日中ハッキリしない天気で、おまけに小雨と突風が…こうなると体感温度はグッと下がって今年一番の寒さかなあ~なんて。そういえば前日の夜中から宇部に強風注意報が発令されたとしきりに防災メールが入っていたっけ…

 しかし、今日は打って変わって雲一つない青空の洗濯日和!風ももう治まっていて…ヤッターと思ったのに、最高気温は11度だと。だから、午後の俳画教室からの帰りはまた曇り、やっぱり風の冷たいこと!なかなか一日中いいという日は少ないですね。

 ところで、先日の初リハビリ…こんなものに〝初〟はふさわしくないかしら…、でもまあとにかく病院は殆どが6日からの開業でした。それで年末年始の間は運動もしないで〝食っちゃ寝〟ばかりでしたので膝の調子も悪くなり、今年は真面目にリハビリしなくちゃと、早速行ったんです。すると、待っていたのは恒例のおみくじ、去年もいいものが当たったような気がしますが…今年は更によくて特賞でした。〝階段3往復(休憩なし・分割なし)〟と、いい運動になりましたが、膝の悪いものにはちょっとね~。

 毎年運試しに引く琴崎八幡宮のおみくじでは末等…要するにドベということです。ハズレなしなんですから。ところが、いつも末等ばかりだった義母が今年はナント6等が当たって、「宇部かま」のセットでしたので、私はお裾分けを貰いました。当たりたいところでは当たらず、当たって欲しくないところでは当たる…やっぱり今年の運も良くなさそうです。でも久し振りにリハビリの運動が出来て少し体が軽くなったような気がしました。やっぱり継続が一番ですね。

 さて、先日の初句会でのこと。とてもいい勉強になる句がありましたので、皆様にもご紹介しますね。

 〈寒菊や売物件の字の太し〉という句です。季語は「寒菊」。この季語には二通りの意味があって、一つはアブラギクを改良した黄花の園芸品種。もう一つは晩生のキクが冬まで咲き残っているのをいいますので、気を付けて使いましょう。前掲の句は前者の菊でしょう。冬の寒さの中にしっかりと咲いている菊。しかし、その傍には〈売物件〉の立札が立っているのです。

 写真は我が家の寒菊。この寒さにまだ咲いています。

 私たちの子供の成長期には、まだバブルが弾ける前なので、あちらにもこちらにも新築の家が…団地も次々と出来ていて、それは賑やかだったですね。それが、子供たちが成長してアッという間に大人ばかりの団地になり、子供の声を聞くこともなくなってしまいました。それが更に高齢化して、今ではじじばばばかり…。そのうちには一人暮らしが多くなり…更には、施設に入ったりして空家に、または子供と同居するために家を売りに出すという状況です。私の住んでいたところもそうでしたが、作者のところの団地も出来てから50年近くにもなれば、推して知るべしでしょう。

 そんな現実の中での寒菊の健気さには救われますが、それと引き替えにこれを育てていた人の行く末は…ひいては作者自身のこれからのことなども思えば、切ないものがありますね。それを代弁してくれるのが、太い文字で黒々と書かれている立札なんです。写生のよく利いた句で、これからの高齢化社会の先行きも暗示されて…〝花丸ですね〟と褒めると喜んでいました。

 なのに、この句を私は添削したのです。なぜって? そこなんです。ここで一つ考えて欲しくって!

 添削句は、〈寒菊や売物件の太き文字〉。〝原句と殆ど変わらないと思う人、手を挙げてみて〟と聞くと、あれ、誰も居ません。〝これが分かるなんて大したもんです!みなさん、成長しましたね~〟と新年早々褒めまくると、みんな気味悪がって。〝でも作る時は分からんけんねえ~〟と、一同顔を見合わせていました。そうでしょうね。これは言われて見て初めて分かることかも知れません。初心からある程度句ができるようになってくると、陥りやすい関門の一つなんです。

 このブログを訪問してくださった方々、分かりますか? それを書くと、また長くなりますので次にしますね。では、また。

コメント
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