昨日は最高気温が17度と、急に暖かくなって〝どうしたん?〟という感じでした。この日も初句会でしたので着物で出席。こうやってちょくちょく着ていると馴れてきて手早くなります。やはり着物も馴れなんですね。句会場には暖房も入っていて、〝暑いわ~〟というほど。今月は後2回ほどは着物で行こうかなと思っていますので、もっと上手に着れるようになるかしら。
娘に〝今回は慌てずに1時間ぐらいで着れたのよ〟と言うと、〝何言ってんの。30分で着なくっちゃ!〟と…エエッ、そりゃあ無理よ!でも練習したら出来るようになるのかしら?
ところで、昨日は「七種」(ななくさ)、正月七日に食べる粥のことで、新年の季語。芹(せり)・薺(なずな)・御形(ごぎょう)・はこべら・仏の座・すずな(蕪)・すずしろ(大根)の七草を入れた粥を食べると、万病を防ぎ、一年の邪鬼を払うとされ、今でも広く世間で行われている行事です。
もともとは七種の穀物(米・麦・小麦・粟・黍・大豆・小豆)を炊いた固粥で、十五日に食べていたらしいのですが、平安期以降、五節供の一つ人日(じんじつ・陰暦正月七日)に七種の若菜を粥にして食するという中国の風習に倣って、今日に到っているのだと。
だから、季語として使うときは、行事的には「七種」が、若菜の意味なら「七草」がいいでしょう。まあ、今は厳密にということではありませんから、気にしなくてもいいかも。しかし、七草には「秋の七草」もありますので気を付けて用いましょう。あの『ホトトギス俳句季題便覧』では、「七種」は春で、「七草」は秋の季題になっていますからね。
あをあをと春七草の売れのこり 高野素十
七種の過ぎたる加賀に遊びけり 深見けん二
以前母が健在の頃は、実家でいつも母と一緒に七草を探しに行っていました。が、大抵芹と仏の座が見つからず、その分は畑の野菜、例えばほうれん草やチンゲンサイなどで代用して、私が帰る時には七つ揃えて持たせてくれていました。
やがて解く家なり母の薺打つ
私の第1句集「風聲」(ふうせい)に載せている、平成12年の作です。父が亡くなって兄たちと同居するため古い家を解体して、建て替えるという、その年の七種です。七草は、その代表として〝薺〟がよく用いられ、「薺粥」や「薺打つ」だけでも季語になっています。こういう昔からの行事は父も母も大切にしていて絶対欠かしたことがありませんでしたね。ああ、懐かしい!
もちろん、我が家でも作って食べましたよ。でも、スーパーで売っている七草で…。中身のナントやたらはこべらの多いこと。御形や芹などこれっぽっち!でしたが、一応揃っていましたので、我が家の蕪と大根と小松菜も足して緑一杯にして食べました.
写真は下の方から、せり・なずな・ごぎょう・はきべら・ほとけのざ …すずな、すずしろがすずしろ、すずなと反対になっています。