亀の川登

難聴に苦しむ男の日記帳。

静かになったね

2019-08-13 | 日記・エッセイ・コラム

市役所の前の異様な光景を目にした。集団で何か一生懸命啄んでいる。

「ずいぶんしずかになったね。」と家内がつぶやく。

「昔は、訪問者が絶えなかったのに。」

お隣のにぎやかなおばあちゃんが認知症になって施設へ入ってからすっかり訪問者が来なくなった。黙っていても町内の情報を運んでくる便利屋さんだったのに、すっかりさびしくなった。

大きな家を競うように立てた時代が有った。人をよせるために。

今は時代が変わって可愛い家ばかりになった。ひとが来ないから大きな家はいらないのだ。

お隣さんは大きな家に1人しか住んでいない。

昔は家に鍵をかけずに仕事に出かけたものだ。

それでも泥棒が入らなかった。なぜなら、近所付き合いが良くて絶えず誰かの目が光っていたから。

今は、お隣は何をする人ぞ。と全く関心を示さなくなった。隣にどんな人が住んでいるかまるで分らない。顔を合わせてもどこの人か分からない。

郵便屋さんが来て家人なくても、ご近所さんが荷物をお預かりしてた。今のように宅配業者が家の人がいないからって持ち帰るということはなかった。今は宅配屋さんが何度も足を運ぶ時代になった。家に人がいてもピンポンを鳴らしても容易に出て来ない。家の中に居てもお互い背中合わせに暮らしている。

裏の納屋に行くにも玄関の鍵をかけなければ、家内が喧しい。困った時代になった。

 

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