昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  53

2012年02月22日 | 日記
奈緒子はすぐに電話に出てきた。弾むような声だった。 「遅かったですね。待ってたんですよ。今、どこですか?」 彼女の積極的な性格を感じさせるストンと抜けた声が懐かしい。“白鳥”で目が合った時の眩しさを思い出す。 「豪徳寺ってところ。…友達のアパートに泊めてもらったんやけど‥」 「あっ、清水さん?それとも…」 「清水、清水」 奈緒子の弾ん . . . 本文を読む