昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星   36

2011年08月08日 | 日記
夏美さんは、小杉さんの唐突な申し出を受け入れた。バイト代の希望を聞くと、「三日間はまず使ってみてください」と殊勝なことを言う。「20歳になったとこです」と言う割には幼い面立ちと自信に溢れた断定的なもの言いのアンバランスが、夏美さんには興味深かった。議論に興じる学生たちの中にあって、「まずは働いてみてみないと……」という行動力にも惹かれた。 「田舎の弟を思い出したんやけ . . . 本文を読む