珈琲一杯分の話

2018年2月26日スタートのただのボヤキカフェです。
毒とユーモアを楽しんで頂ければ幸いでございます。

娘との会話8

2018-10-19 | 娘と夫の話
娘がたまに「学校行きたくない」と訴える日がある。
授業で苦手な課題がある日である。
友達の少ない彼女は、困っても助けてくれる子がいないので、本人には切実なんだと思う。
私が取り合わないと
「ねえ、パパはいつも私に『やりたいことをやりなさい』って言ってるでしょ。私がやりたいことは学校に行かないことなの。なぜダメなの?」
と食い下がってくる。

「行きたくないなら行かなくていいんじゃな…」と夫が言いかけたところを、遮って
「あのね、好きにするってことは同時に責任を持つってことなの。
サボった分、必ず「ツケ」ってもんがくる。
そのシンドイものを、アンタは引受る覚悟があって言ってんの?
何を舐め腐ったことを言ってんだか」
と一喝したら、歯を食いしばって登校した。

ふふふ、こういう日のために私は、彼女の赤ん坊、幼児期の日々をズタボロになりながら献身したのだ。
逆らえるもんならやってみろ、とニヤニヤする。


私も中学の時、やりたくない課題なんて山ほどあった。
家庭科の授業でテーブルセンター(ランチョンマットですね)に、微塵も興味のない「刺繍をしなさい」という課題を出された時は、どうしようかと思った。
皆が、カラフルな刺繍糸を並べて布一面に複雑なステッチを施している中、全くやる気が起きずに期日に提出できなかった私は、できた作品を職員室まで持っていかねばならなかった。

先生は校内一厳しいといわれる女の先生で、不出来なら容赦なくやり直しをされると聞いた。
私が40センチ四方もある布の中央に、茶色一色でほんの3センチくらい、20針ほど塗りつぶしたギザギザの「しみ」のような模様を見せたら、先生は固まったままジッとそれを見た。
それからゆっくり私を見つめて
「海さん、これは何ですか?」
と静かに訊いた。
私は先生をまっすぐ見て
「キツネです」
ときっぱり答えた。
「キツネ…」
先生は怒りも笑いもしなかった。
そして作品と私をただ黙ってしばらく凝視して、
「はい、結構です。帰ってよし」
と、それだけ言った。

永遠とも思えた10分くらいが終わって、職員室を出てから私は「やったねー」とガッツポーズをした。
親友にその話をしたら涙を流して爆笑されたが。

しかし私は逃げなかったぞ。
ピノコよ。自由と責任は表裏一体なことを覚えておけ~
v('▽^*)♪
コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 叩き方講座4 | トップ | ネットにまつわるあれこれ22 »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (早霧)
2018-10-19 23:08:02
子供の頃から正面突破型だったんですね(笑)
学校の課題で思い出すのは、小学校の理科で「じゃがいもからデンプンを作ってきなさい」という宿題が出た時の事です。
やり方とか忘れましたが、上手く行かず困っていたら母が「片栗粉持っていったらいいねん」と言うので素直にそうしたら、先生にすぐバレてクラスの皆の前でこっぴどく怒られました。
母は「あー、白すぎてバレたんかな」と悪びれもせず笑ってましたが、今から考えると子供の教育を何と心得ているのか。あれは絶対Sの毒に違いないです。
今もスーパーで片栗粉を見かけると、あの時の母の事を思い出します。
返信する
Unknown ()
2018-10-20 00:13:07
ただ苦手だっただけですよ(笑)

お母さまもSは無関係と思います。
私も子どもの教育なんか適当ですよ。
夏休みの工作とかは、私が好きでほとんど自分で作ったりしましたよ( ;∀;)
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

娘と夫の話」カテゴリの最新記事