Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

ブレイディみかこ × 野田努 「UKは壊れたようで壊れていない――愛と幻想の雑談」 に行きました!

2017-05-19 11:03:25 | Morrissey Books

昨日、5月17日、

先日もこのブログでご紹介したブレイディみかこさんの

『いまモリッシーを聴くということ』『子どもたちの階級闘争』

刊行記念イベント

対談 ブレイディみかこ×野田努 
「UKは壊れたようで壊れていない――愛と幻想の雑談」

5月17日(水)18:45-20:15 MARUZEN & ジュンク堂書店 渋谷店

に行ってまいりました!


モリッシー本を書かれたブレイディみかこさんのお話しは是非ナマで聞いてみたい、

どんな方か見てみたい!というのがあり、ワクワク予約。予約の40席は

すぐに埋まってしまったとのことで、ラッキーでした!


結論から言うと本当に行って良かった。

みかこさんがなぜ、文章を書くのか、今回「いまモリッシーを聴くということ」

を書かれたのか、そのモチベーションがよくわかりました!


以下、ツイッターにもあげた、印象的な言葉の断片です。

(ツイッターには、イベント終了後、メモしておいた言葉をすぐに

あげたら、焦り過ぎて誤字だらけになってしまいました!

「いもモリッシー」とかwww お見苦しくてすみませんでした!)



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ブレイディみかこさんsaid…


●「リスクがとりにくい世の中において、萎縮して小さくなっている若い人にも

モリッシーはクるのではないか」


●「モリッシーはリスクとっているし言いたい放題ではあるが、いつも弱者に

寄り添っている。そんなミュージシャンは、もはやイギリスにもいない」


●「今、日本で洋楽は聞かれない。何を歌っているのだろう?と、ひもといて

学ぶ機会もない。海外の政治のニュースはネットやツイッターで知れるが、

背景のカルチャーやそこで生きている人が何をを考えているか、地べたの人々の声

は入って来にくくなっている。かつては洋楽が、そのパイプのような役割を

示した。今回この本を読んで、モリッシー、面白そうだな、というところから若い人

にも洋楽を聞いてもらいたい」

ずっとロックを好きで聞いてきたみかこさんの、使命感をとても感じたコメント。

対談ではみかこさんにスルーされていましたが(笑)野田さんがイギリスで

ドラムンベースに出会った時に感じた「層の厚さ」、地べたの様子の話しも

もっと聞きたかった!(#ジャングル大好き)

みかこさんは野田さんと最初にメールやりとりをした時に

「私や野田さんみたいな世代がしっかりと発言しないとヤバい」

とおっしゃっていたそう(みかこさんお忘れでしたが・・・)

世界が、テクノロジーが変わっていく渦中、音楽の勢いが強かったその時代と

現場を深く知っている「当事者」である世代のお話しは、本当に熱いし興味深く、

もっと語りまくってもらいたいです!

 

●「モリッシーは、スキンヘッドのマッチョ、フェミニスト、ゲイ、非モテ、プロ独身者…

あらゆる立場の人が聞いてつながれる。皆がクールになろうとしているこの時代に、

強者より弱者に寄り添う。だから皆それぞれが、『俺たちのモリッシー』ではなく

『俺/私のモリッシー』と言う」


●「『いまモリッシーを聴くということ』は私にとって、『いまモリッシーを書くということ』と同じ。

最近の英国の問題、EU離脱は、排他主義、右傾化の現れなど言われるが、英国に暮らしていて

一概にそうとも言えない。格差や、経済が介している問題であるから。前書きの離脱派男性による

労働党女性議員殺人事件、犯人はルーザーとして切り捨てられがち。しかし、その人の背景にあるものは、

何なのか?単なるバカとして切り捨てていいのか?そういう軸だけではないはず。人種問題とは関係ない

『下側の人』もいる。そういう人たちの声をもう一度聞かなくてはいけないんじゃないか。そういう人たち

に寄り添ってきたのは、モリッシーじゃないか?


●「『パンク世代』の労働者階級の人々が離脱賛成に票を入れた。その人たちの気持ちは何なのだ?

ということを考えなければいけない。単なるバカで終わらせてはいけない」

英国に移民として住む弱者を知るみかこさんの優しい気持ちが、この本を書くきっかけとなった

のだと思いました。ていうか、そんな気持ちこそ「モリッしい」(弱さに寄り添うアティチュード)

と思いました!


●「モリッシーのことは右翼と思ったことはない。しかし、少しでも右翼よりの発言をしたり歌を出すと、

曲解されバッシングされる。しかしモリッシーは言い訳をしないのでバッシングを引き受けてしまう。

インターネットでも何か意見を言うと攻撃されて面倒」


●「世界は矛盾でできているのに、言論を認められなくなったら、ちょっと違う。矛盾を認めないというのは

子ども。今こそ許せない人の言っていることを聴くべき」

 

●この本のタイトルをモリッシーを「聞く」ではなく「聴く」にしたのはそういう意味から。ヒアーでなく

リッスン、耳を傾けている感じ」

預言者?モリッシーは30年も前の1987年に“The World Won't Listen”をリリース。これは自分の歌を

聞きやしない、ということだけでなく人々は相互に意見を聴きやしないというWミーニングなん

じゃないかな、と常々思っていたことを思い出しました。


●「モリッシー」はイギリスにしか生まれない。それだけ、色々ある国だということ。

いいことだけでない。

 

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…キリがないので、あとはみかこさんの著作をお読みください!

(と逃げ…wているわけでなく、ほんとにそれがいいので)


あと、一番印象にのこったのが、冒頭の


「ジョン・ライドンは太陽、モリッシーは月」

「ふたりはコインの裏表のよう」

 

というお言葉でした!モリッシーが月…ちょうど映画「ムーンライト」に夢中な昨今、

また思いをめぐらせました(それはまた別で!)。


ジョン・ライドンとモリッシー、ふたりの毒性ばかりがセンセーショナルに取沙汰

されますが、私はふたりから「愛国と愛人間」をいつも感じます。

絶望の根底にあるのは、深い愛情だと思います。それがわかるから、英国民も

なんだかんだでふたりにこだわり、頼りにして…はいないかもしれないけど、

取沙汰するのだと思います。


また、今回感激だったのは、サイン会の時にお話ししたみかこさん、

私のこの草の根モリッシーブログをご存知で、みかこさん本レビューも

読んでくださっていました!!!


「普通のブログかと思ったらいきなりチャートが出てきて大展開、

なんだかモリッシーみたいじゃない?やっぱりファンて、似てくるのね~」(笑)(笑)(笑)


…とおっしゃっていただき、諸々恐縮すぎるわ、よく考えると似たくないわだけど(笑)、

でも、でも本当に嬉しかったです!行ってよかった。

 

最後に急に私ごとながら…

私も少しの期間ですが海外に「外国人」として暮らしました。どんなに人がいても

孤独で辛いことも多く、悲しい思いもたくさんしました。でも今思えば、それだからこそ、

他者に対する想像力や、一面的ではない多面的な見方をしようとする姿勢を養う、「修行」

になったのだと思います。


長く英国に暮らすみかこさんは、そんな私どころではない1万倍、まわりとの摩擦や、

矛盾にも遭遇したと思います。他の人々のそういうものも山ほど目にしたと思います。

だからこそ、一面だけでものをとらえるな、上澄みだけを見るな、世界は矛盾でできている、

その根底にあるもののにおいを嗅げ、というスタンスを身に付けられたのだと

思います。だから説得力があって、読者の心を握力強くつかむのでしょう。

小柄でとてもキュートに笑うかわいいみかこさんですが、とても強くて大きく見えました。

 

そして今回、そのような、深いものの見方をすることが大事、というテーマを語るにあたり

「モリッシー」を「聴く」ということの大切さを使ってくれたのだと、イベントで

お話しを聞いてよくわかりました。モリッシーやスミスを知らない人が、モリッシーを

知りたいと思うきっかけを作ってくれてありがとうございます!!!

これからも胸を張って、「モリッシーファン」やっていくぞ、という元気をもらいました。



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