Action is my middle name ~かいなってぃーのMorrisseyブログ

かいなってぃーのMorrissey・The Smithsに関するよしなしごと。

モリッシー新譜Disk 2 “Drag The River” 歌詞

2014-09-06 02:46:18 | Morrissey Lyrics

ボーナスディスク、3曲目の“Drag The River”を訳します。


これは、「歌詞」というより「歌詩」ですね。

脚韻がふんだんに使われており、作詞しながらモリッシーは

楽しんだのだろうなと思います。モリッシーの好きな19世紀の

湖水詩人(ワーズワース、コールリッジ、サウジーら英国の湖水地方に

住んでいた詩人たちの総称)気取りで…?

 

そして詩の内容は難解です。


川底が、死後の世界~黄泉の国と現世の境界になっている感じがします。

私にはジャン・コクトーがギリシャ神話のオルフェウス伝説をベースに

撮った1949年の映画『オルフェ』を彷彿とさせます。

 

不思議な手袋の力で鏡という境界を抜けて生と死の間を彷徨する

詩人オルフェ役のジャン・マレーが水たまりに横たわるのこのシーンは、

スミスの「ディス・チャーミング・マン」のレコードジャケットとしても

あまりに有名ですよね。


水たまり、川、海…現世とあの世の境界線であり、己を映す鏡のような「水」

のイメージが印象的な、この世に対する諦念も感じられるゆったりとした歌

です。


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Drag The River

 

Drag the river and without her you may find a sliver
Of the one of whom you speak and whom they seek

she would gaze into the river as we’d look into a mirror
And her reflection would beckon her to

Join me join me join me join me
Happy we will be

On the coastal shore I’m sure you’d break down if you saw
And abhorrent torrent crashing as it pours

The counter current holds a secret at the rise of tides
And it swells all alone for this heart born too high

So join me join me join me join me
I’m certain I heard her cry

By the river with the soul of submersible stone
Every second of my life prepares to go

She would call into the river as she’d cry out for her mother
So stark, so haunt, deep enough for all I was

Oh join us join us join us join us
And happy we will be


川底をさらってみて 彼女を失った君はそこで
君が心で話しかけていて みんなが探している
あの子の破片を見つけるだろう

鏡を見つめるように彼女は川をじっと見つめるだろう
そして水面に映った彼女の面影が彼女を誘う

こっちにおいで こっちにおいで こっちにおいで
そうしたら僕ら幸せになれるかも
 
海岸でぞっとするようなどしゃぶりに会ったらくじけちゃうはず
潮高の時、逆向きの海の流れは秘密を握ってる

心があまりに高いところで生まれたから 勝手に潮が高く 差した
こっちにおいで こっちにおいで こっちにおいで
確かに彼女が泣くのを聞いたんだ

川のほとり 水の中の石みたいな僕の魂
人生のすべての瞬間がうつろっていく覚悟をしているんだ

彼女は母親を求めて大声で叫ぶ子のように 川を呼ぶだろう
あまりにどうしようもなくて 
あまりにとらわれてて
みんなと打ち解けない僕だった

仲間になって 仲間になって 仲間になって
そうしたら僕ら幸せになれるかも

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考えてみるとモリッシーは「川」を描くのが昔から好きですね。

スミス時代の川には、鉛色の川に赤ん坊の頭を沈めていました…

(“This night has opened my eyes”)


そして「川底さらい」と言えば、マンチェスターで失業者時代に、

職安で運河の底さらい(おそうじ)バイトをすすめられて激おこして

いましたw


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