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KADOMIUMTANK ソフビブログ

ヘミングウェイの詩にこんなのがある。
「人生は素晴らしい 戦う価値がある」
後の方は賛成だ byモーガン・フリーマン

BLObPUS ベロロン×DAIGOMI

2011年02月01日 | インディーズソフビ

ベロロンを展開するBLObPUS×AKOARTのへッダー。
Oの字にはめこまれたチャールズ・マンソンのご尊顔が
本ブランドの犯罪的気分を表しててなんともほほえましい。




BLObPUSさんの昨年登場したAKOARTさんとのコラボプロダクツ、怪獣べロロン(左)と
アメリカの新進インディーズソフビメーカー、GOOMONさんの
第1作、DAIGOMI(BLObPUSカラー・右)。DAIGOMIは以前掲載したのですが、
ちょうどメディコムトイさんで
このDAIGOMIのコラボ限定品が発売されるそうなので、
こんなキャラよ!てなところで再登場と
あいなりました。しかしここんところ海外勢
ソフビメーカーの上陸が目覚ましいですね。

メディコムさんのDAIGOMIは
ニューヨーク出現Ver.と東京出現Ver.がリリースされるんですね。
新マンのゴキネズラみたいに公害マキシマムでとてもヒトが住めなくなった
街に出現するんでしょうか。邪悪な業の獣があげるエキゾーストノイズは
どんなに甘美なものだろうか。そしてそれを聴いた者は甘美な毒にまみれて死ぬ!

「地球は今にニンゲンが住めなくなるから、その前にサヨナラをするのさ」

昨年冬のパチサミではこのDAIGOMIのブルーのカラーと
べロロンがBLObPUSさんのブースで
出そろいました。照明の絞られた闇市の会場のような
薄暗いムーディーで人びとがごったがえした混沌の会場で
派手なカラーのアイテムが並んでおりあたかも見世物小屋の
因果がめぐって生まれたいきもののように人目を惹いておりました。
しかし同じ新宿で、以前BLObPUSさんが個展時にアジトのように
使用していたAKOARTさんのホテルを改装したあのギャラリーは
面白いイベント会場でしたね。体感的・演劇的な場所というか。
ホラー映画のロケセットみたいで中を廻っていても猥雑感がなんとも楽しかった。










このべロロンはパチサミでBLObPUSさんがイメージする、
俗に呼ばれる「歌舞伎町カラー」のようです。
享楽と犯罪が漆黒とネオンの中に瘴気と湿気のように
ひしめく歌舞伎町の裏路地で進化を遂げたべロロンは
街の人々が身にまとう穢れをその舌でなめとる。。。

毎回このパチサミカラーはこの場所で売ることで
リリースされる意味を持つわけです。
ドクガンの毒蛾カラーとか、レギュラーBLObPUSの
踊り子Ver,とか、珍作・怪作がリリースされるということで
ミョーなソフビ好きとしてはこのVer.は目が離せないです。

ソフビは猥雑な地下都市の露店で繰り広げられる見世物と同じ。
見世物につい木戸銭を払っちゃうというのはこういうことです。






BLObPUS vs DAIGOMI.
滴る粘液的宇宙と赤錆びた塵芥にまみれた鉱物的宇宙との戦い。
グチャドロを極めてます。



BLObPUSカラーver.のDAIGOMI.
いわゆるドロドロジャンク系を極めたソフビが
メタリックレッドをアクセントに入れていることでひときわ
陰影がついて異形さが目立つ仕上がりとなっています。

何か近未来でジャンクをかき集めて回る無機質なマシーンのような
バックストーリーも想起させます。
全身に纏う無数のジャンク。。。
よく見ると自動車や電車、家、バイクなどが確認できるほか、
人間の死体のようなものもDAIGOMIの体の一部になっています。
ソイレントグリーンみたいですね。
デカイ両手のハサミで生物もその身に取り込みエネルギーに
変換できるのでしょうか。くわばらくわばら。




上はジャパニーズモンスターバイナルのスモゴン2号
(ターゲットアースさん)。
鉱物的なジャンクが集積し生命を得たモンスターというと
やはりスモゴン1号・2号が想起されます。
DAIGOMIはいわば日本のジャンクモンスターのイメージを
自国のクリーチャー的なディティールの文脈で
翻訳したキャラクターなのかもしれません。




深夜の歌舞伎町で遊んで歩いていたらべロロンの
浄解センサーに引っかかったサトシヤマモト。
「うわー、また俺かい、そんなになめないでくれ~
溶ける!…ん、なんだか急に気分が良くなって、
気持ちいいぞ!」使用前。



使用後。すっかり「きれいなサトシヤマモト」に!
キリッ 「うわー、すっきりした!
ライフ イズ ワンダフル!さぁ、あしたからまた
楽しく一生懸命働くんだ!」
 
人類の生み出した地球の負荷を吸い上げて活動源にする
DAIGOMI,そして人類の退廃の穢れを吸い取って生きるベロロン。
BLObPUSの突然変異<ミューテーション>は
人類がこの世に生を受けディストピアの営為を続ける限り、
さらなるデカダンスな進化の道を進んでは、怪奇な怪物たちを生み落とす。

昨年12月のカイジュウブルーでのBLObPUSさんのアートイベントも
タコブログに掲載したら、はたしてソフビはアートになりうるか、という
テーマでこれまでもいろいろくすぶっていた人がいらして
ちょっとした物議をかもしだしておりましたが、
BLOBPUSさんも閲覧する機会があり、「読んでいておもしろかった」との
話でした。メーカーさんとしては自分の好きなプロレスのように
観客の人たちが公開型の意見交換に乗ってもらった
みたいなところが嬉しかった様子です。そう、表現活動の上では
メーカーさんとお客はなれ合いで製作・消費をするのでなく、
もっとお互いの理想に向かって言葉を交わし、「対決」したほうが
より面白いソフビができるのかもしれません。

そう、ソフビは快楽犯罪のようにお客の共犯者感覚を
必要としているのかもしれません。

最近のプロダクツやコラボレーション先のセレクションや
アーティストさんたちとの親交を見ている感じで自分がつらつら思うには、
BLObPUSさんがめざしているのは怪獣ソフビの文脈だけでは
表現が難しいような気がします。

つまるところ多用されている「アート」という言葉は
じつは自プロダクツをより言い当てた言葉ではなく、
もっと心地よい猥雑さも伴う、それはソフビによる
グランギニョールみたいなステージングに設定されているの
ではないかと思いますね。
でも自社の方向性がこれまでもブレない感じで表現活動をしている
ところに、犯罪者の趣味享楽性のような芯が入ったというよりは
ちょっとツイストの入ったスパルタンな主張が見えてきます。




終電になって寝床半分で入ったヒトもまばらな深夜映画館。
ごみっとしたけだるいムードの中で出会った
名も知れぬ2本立てホラー映画のように。

この2体は特に都市のケガレをテーマにしたキャラクター
なので、きれいなライティングが施されたショーケースに飾るよりは
ハリウッドの裏庭みたいな街角で
深夜、地下のポルノ映画館で前座のホラー映画を観るような、
見世物小屋のステージ風に
どよーんと間接照明の下で無造作に飾る、というか
晒す、といった感じのほうがアイテムの本質やパワーに即した
飾り方なのかもしれないですネ。

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