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KADOMIUMTANK ソフビブログ

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アースウルフ(チキュウオオカミ)

2011年10月21日 | インディーズソフビ

たんたんと発売されて静かに流通し好事家に愛好されているソフビにも目を向けてみる。
こういうのが手元に来るとじわじわ気に入ってくる系のソフビなんですよ。
海の向こうで怪獣系のイラストを描き発表したりカスタムペイントをしたりすると長ずるに及んで
自分のオリジナルソフビを出したくなるものなんでしょうネ。今回載せるアースウルフも
そんな好きが高じて思わず作ってしまったという、いかにも海の向こうのソフビファンならではの
ソフビ愛がたっぷりなアイテムだと思います。

SUPER7方面などで活躍しているイラストレーター・カスタムペインター、
ジョシュ・ハーボルシャイマー(Joshua Herbolsheimer)氏のキャラクター、Earthwolf
(アースウルフ)ことチキュウオオカミもその一体。中国名では当然「地球狼」。
日本のおもちゃメーカー、メディコムトイさんとのコラボレーションで世に出たアーチスト系ソフビ。
実は発売時にすべてのパズルのピースが埋まらなかったのだけど、このジョシュというヒトは
スーフェスにも確か来てなかったカナ?SUPER7のZOMBIEでエスカルゴの頭部をデザインした
ヒトですよね、タコもたぶん一度お会いしたことあるんだな。

これがチキュウオオカミだ!何やらメルトダウンした顔面。ヘッダーにも描かれているが
胴体が空洞となり中の骨や白骨がむき出しになっている、けっこうキテるデザイン。
でも不思議とグロ風味ばかりが前面に出ていない。程よいブキミさ、その姿で居ることの
得もいえぬ物悲しさ。アースウルフの原型はコスモリキッド氏が担当。

左手の手のひらには目が!ドルゲ魔人のヒャクメルゲとかにインスパイアされたのでしょうか。
骨がところどころむき出しなのはミイラルゲとかホネゲルゲとかを想起させます。
エキスプロダクション系のきぐるみが持つ人体部品の記号的な表現をイメージソースにとり入れているデザインのような気がします。このジョシュの絵では体の中ががらんどうになった動物の精霊のようなキャラクターがよく描かれています。

左右不対象で胴長のどことなくスケアクロウ(かかし)をも想起させる胴体。
彼の体は痛み、がらんどうの骸(むくろ)になりかけていて自然の癒しを必要としているのでしょう。

そして右手はなく、枝葉の出た木の枝が手の代わりに胴体から茂って手の役割を果たしている
ようです。氏のイラストでは自然と一体化した動物がよく描かれています。

アースウルフのイラスト。今回のソフビに近いデザイン。以前POPSODAさんの液体超人
ポップソーダをイラスト化したこともある彼のタッチは液体化したような胴体の表現を
しております。腕は最近潮流となっている、膝から曲がるつくりになっていますが、
手に目があるので、前に手をかざし目が前から見えるポーズが決まるよう作ったようですね。
コスモリキッドさんはこのアースウルフの不定型に近いデザインワークを巧くソフビの
プロポーションに取り込んでいると思います。刺さった弓矢や右手の肩から生えた木の枝
などの立体化処理も難しいところですが、ソフビではシンプルにうまくまとめていて、
コスモリキッドさんの腕の見せ所になっています。
それと白骨化しかけた顔のペイントがマスク塗装なんですね、メディコムさんが関与しただけ
あって、いろいろ贅沢な仕上がりだな。
ジョシュはオオカミやイヌを初期から好んで絵のモチーフに取り込んでいるようですね。

 ソフビになるかなり以前に描かれたと思われるアースウルフ。
今回のアースウルフで表現されたソフビの色調が既にこの時点で完成しています。

コミカルさもある彼のタッチを表す代表的な絵としてはSUPER7版の
長い手を伸ばして戦う2匹のスモッグンを描いたヘッダーがあります。

彼のWEBSITEからちょっと引用しますが、上はライオン丸のわくらんばを思わせる
TREE SATAN。
下は三浦トーイのぺギャオスを思わせるZOKKI BAT。
彼のジャパニーズモンスターバイナルの嗜好がよくわかるイラストです。
こういう豊饒なソフビ嗜好の下地からアースウルフは生まれたということですネ。

ジョシュ自身がカラー決定をしたらしいこの青い胴体は地球自身の青を思い浮かべます。
がらんどうになって弓矢を射放たれて痛々しいダメージを受けている彼の体は汚された
地球自身の明日の姿を映し出しているのかもしれません。

このチキュウオオカミは
彼の持つ地球と一体、とか動植物の融合といったアースイメージのモチーフがフルに
取り込まれたキャラクターとなっています。日本では絶滅種であるオオカミをモチーフにした
ことで、文明に追いやられていく自然への憧憬なども込められているのではないでしょうか。
ゾンビのようなオオカミがもたらす物語がこのソフビの表面のディティールの中に
存分に表現されています。日本のソフビ表現や日本の映像作品に出てくる
怪人キャラクターへのリスペクトも込められた
見るべきところの多いソフビといえるでしょう。

 Joshua Herbolsheimer氏のブログ http://joshuajh.blogspot.com/

※オオカミなんでピノ・ドナジオ特集~

【Howling Theme 】

ジョー・ダンテ監督の「ハウリング」エンディングテーマ。作曲はピノ・ドナジオ。
結局ディヴィッド・アレンによるストップモーションアニメの人狼のカットフィルムは
少ししか現存してなかったのが残念だけど
下は現存する、オオカミが納屋で焼き殺される本編カットシーン
http://www.youtube.com/watch?v=w1dtF9zBatk&feature=related
映画自体は名作。水曜ロードショーの水野晴郎さんの解説でよくかかってたハウリング。

 http://www.youtube.com/watch?v=sx1ny_caZMU&feature=related

【Piranha(1978) Closing Title Theme 】

ジョー・ダンテ監督の「ピラニア」エンディング。ピノ・ドナジオのナンバーは「殺しのドレス」なども
皆、いい。
この曲を聴くと月曜ロードショーの解説をしてた荻昌宏の顔が浮かんでくる。
そういえば最近作られた「ピラニア3D」が飛び出し効果だけでなく
演出も上手くて意外に拾いものだった。

http://www.youtube.com/watch?v=kRkBMfUxsG8

【メガピラニア 予告編】

ジョー・ダンテ関係ない最近の映画だけどなんかすごそう。これは未見。
でもアルバトロス物なので予告編で十分おなかいっぱいになる系の映画って気もする。

http://www.youtube.com/watch?v=6-f6ajByOEU


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