茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年8月18日「自宅で出来る養生灸。」

2016-08-18 06:11:30 | 日記

8月もお盆を過ぎ連日の猛暑で、何となく体の調子が悪い、体が重怠いと言う方が多いのではと思います。


よく慢性疲労に効くと言う機能食品の広告をネットでも見かけますが、鍼と灸も慢性疲労に効果があります、東洋医学は養生法の宝庫ですから「未病を治す」というのは古医書「霊枢」の有名な言葉です。

慢性疲労が蓄積すると五臓の陰陽バランスが崩れ免疫力が落ちてきて病気になりやすくなります。
薬店に行くと台座がついたお灸が売っていますが今日は家庭で出来る養生灸について少しお話してみたいと思います。


免疫力を落とす原因の一番はストレスです。慢性疲労の患者さんを治療していると、肩背部の凝りや痛みが強い方殆どです。
それはその部分に人の精神活動をつかさどる経穴が集中しているためです。精神活動は五志と呼ばれそれぞれ五臓に配当されているのですが、仕事をしたり勉強をしたり緊張状態に長く置かれていると五志を主どる部分の経穴が凝るという現象が起きるのです。

当院では慢性疲労の患者さんにはお灸で、気を補います。よく使うのは「五華の灸」と言う身柱・膏肓・膈兪の経穴を使います。身柱は督脈上にあり一穴、他は左右に2穴あり、計五穴となります。お灸をい置いた形が五角形なので「五華の灸」とよばれます。
身柱はちりげの灸で有名な経穴で小児の病はこれと関元で治ると古来からいわれてきました。
あるいは「胃の六灸」膈兪・肝兪・脾兪の左右6穴を使ったりします。この経穴の組み合わせは胃腸の調子を調え後天の精の供給を助け疲労を回復させます。
元気を出すには脾と胃の経絡を調えるのが重要ですから胃経の足三里と脾経の三陰交にお灸をするのも良いですね。

背中に五華の灸をしていると、気持ち良くて眠ってしまう患者さんが殆どです、交感神経の興奮を緩和するためであろうかと思いますが、治療を終えて起こしますと皆様スッキリした顔をされていますね。


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