茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年8月15日「ご安産を祈念いたしております。」

2016-08-15 13:59:12 | 日記

当院で不妊症の治療を受けていた方が里帰り出産をされるという事で挨拶にお見えになりました。

去年の10月に初めて来院され、今年の10月に出産予定です。

最初の治療の時に『不妊症治療専門の鍼灸治療院を探して此処に来ました。』と言われたのですが、ご期待に応える事が出来て幸せです。

ここ茂原より御安産を祈念いたしております。

 

 


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壽堂日記28年8月13日「不妊症とストレス・ストレス学説とは?」

2016-08-13 06:25:49 | 日記

当院では不妊症の原因の多くは「冷え」と「瘀(お)血」と「ストレス」であると考え鍼灸による不妊症の治療に取り組んで居ります。

今日はストレスと不妊症の関係について簡単に説明してみたいと思います。

四診で不妊症の患者様のお体を拝見すると多くに方は「舌は 白色または暗赤色」であり、腹診するとお腹が硬かったり冷感がしたりして「冷え」や「瘀(お)血」の症状が出ており、さらに夏でも手足が冷たく、頭がのぼ せ肩がこる等のいわゆる「上実下虚」の方が多く、肩甲骨間の筋肉が緊張して凝っています。

舌が白色は「体の冷え」暗赤色は「お血」を示しますが「肩甲骨の間」の緊張はストレスを示します。



肩甲骨の間には精神活動と関係が深い「魄戸」「心兪」「神堂」「巨闕兪」「身柱」などの経穴がありストレスが強いと凝りや圧痛などの諸症状が出ます。

不妊症を治療する上で、重要となるのがこのストレスです。不妊症でお悩みの女性は、精神的なストレスが溜まりやすくなっています。

不妊症には、「冷え」「瘀(お)血」などの様々な原因がありますが「ストレス」も大きな原因となります。



現代のようなストレス社会では、日常生活の中でストレスを感じることが多く、それが不妊症の原因となる場合も多いのです。



ストレスが不妊症の原因となるのは「ストレスによってホルモンバランスが崩れる。」のが原因で、実はストレスに対抗するホルモンを分泌する器官と、生殖活動を行う際に必要となるホルモンを分泌する器官は同じことが多いのです。

モントリオール大学のハンス・セリエ教授が提唱した「ストレス学説」によれば、過度のストレスにさらされると人間の体は防衛反応として視床下部にある自律神経の中枢が興奮を起こし、副腎髄質がホルモンを分泌して「防衛行動=緊急反応」をとります。

妊娠に必要な性腺刺激ホルモンも、この視床下部を通して分泌されています。

そのため、ストレスへの防衛行動が優先されて、生殖活動に必要なホルモンが十分に分泌されない場合があります。そうなると、ストレスで妊娠しづらくなり、その不妊によってさらにストレスが溜まると言う悪循環になります。

不妊症の改善には、ストレス解消が欠かせません。

当院は鍼灸治療で気血水の流れを調え「冷え」「瘀(お)血」「ストレス」を改善し妊娠しやすい母体を創る事を目指しております。


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壽堂日記28年8月11日「不妊症の治療・瘀(お)血とは?」

2016-08-11 06:57:26 | 日記

当院では鍼灸による不妊症の治療をしていますが、不妊症の原因の多くは「冷え」と「瘀(お)血」と「ストレス」と考えます。

先週「生理不順」と言う事で治療にみえられた方も左下腹部が硬く冷たく「冷え」と「瘀(お)血」が強く感じられ典型的な「瘀(お)血」の証でした。

今週再度お見えになられ『先週治療を受けてから程無く生理が来ました。』と報告を頂きました。

先週の治療は「腎虚証」で全体治療を行い、標治法で四満・腰陽関・血海などを使用しました。


今日は「瘀(お)血」について説明してみたいと思います。

「瘀(お)血」は悪血・古血とも呼ばれています。


当院では腹診で証を立てそれに従い鍼灸治療をしていますが、肩こり・のぼせ・冷え性・生理不順・不妊症等の症状で来院される方の中には左下腹部に圧痛や硬血や冷感域があることが多く「瘀(お)血」の症状が見られることがあります。

東洋医学では流れが悪く滞りがちな血液を「瘀(お)血」と呼び、血液が正常な状態に比べて粘度が強く流れが悪く、よどんだ状態の事を言います。

また東洋医学では左下腹部の圧痛や硬結や冷感域を特に「瘀(お)血の証」と呼んでいます。


不妊症の治療では「肝・腎・脾」の3臓を調えることが重要となります。

「瘀(お)血」の関係が深い臓も「肝・腎・脾」となりますが、肝は血を蔵し(肝蔵血)、肝血が不足すると月経量が少なくなりひどい場合は閉経したりします。

また肝不蔵血の場合は月経量が多くなりひどいと不性器出血が起きます。

肝の血流調節の機能は蔵血と疏泄機能のバランスが保たれて初めて正常に行われるもので、肝の疏泄機能が衰えると生理不順・生理痛が起きやすく、「瘀(お)血」が出来やすいのです。

肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。

東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・瘀(お)血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、瘀(お)血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

この瘀(お)血の状態が進むと、頭痛・めまい・肩凝り・のぼせ・生理不順・生理痛・月経前のイライラ・冷え性等の症状が現れ、また不妊症の原因ともなります。

当院では鍼とお灸を使い体の陰陽バランスを調え、妊娠しやすい体造りをお手伝いします。


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壽堂日記28年8月10日「つわりの鍼灸治療。」

2016-08-10 06:00:19 | 日記

当院では不妊症の鍼灸治療を行っておりますが、妊娠された後は出産までの体調ケアもしています。

中でも多いのは「つわり」の治療です。

「つわり」の多くは東洋医学的には脾胃虚弱体質のため、妊娠後に下焦に血が盛んとなり衝脈の気が上逆して、胃を犯し、胃が和降を失い発症すると考えられています。

当院では刺さない鍼を使用する「本治法」で体全体の治療を行い、体全体の陰陽バランスを調えた後に腸と胃の調和を図る治療をします。

「つわり」の処方は多くありますが膻中(だんちゅう)と背面の脊柱上の貫抜き灸と内関の組み合わせはよく効きます。

先ず背部の督脈経の陶道から身柱・筋縮までを按圧して反応の強い所にお灸をして、次に前胸部の任脈経を璇璣(せんき)から膻中(だんちゅう)・中庭まで按圧して反応の強い所にお灸をします。

膻中(だんちゅう)の作用の一つに調気降逆作用があり、内関は胃・心・胸に通じ寧心安神、理気降逆の作用があります。

他にも中脘・内関・天枢・足三里、中脘・内関・公孫・足三里の組み合わせもありますが、妊娠初期は足の陰経は避けた方が良いようです。


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壽堂日記28年8月9日「東洋医学的な不妊症の治療とは。」

2016-08-09 08:13:47 | 日記

当院では不妊治療・不育症治療を行っております。今日は当院の不妊に対する東洋医学的な考え方をご紹介いたします。


現代の様なストレス社会において、人それぞれ気・血・水の流れの変調は必ずあります、ですから鍼灸治療は全ての人に効果があるといっても過言ではありません。

 では不妊症・不育症の治療において鍼灸治療はどのような効果を持つのでしょうか。

 東洋医学において、大きく分けて肝・脾・腎の3つが、妊娠に影響すると言われています。

実際に不妊治療を受けている人を診察すると、特に肝・腎の力が不足している人が多く見られます。

昔 から、「腎は精を貯蔵する『作強の官』(生命エネルギーの強さを作り出すもの)と呼ばれ、人体の生命活動を維持する基本的な栄養物資である精を貯蔵し、五 臓六腑の要求に応じて随時その精を供給し、それらの健全な働きを維持しているといわれています。そして、全身に精力を与え、粘り強さや根気を生み出すとさ れています。

腎は、生殖用の精も貯蔵しています。生殖用の精が不足すると、妊娠ができないいろいろな症状となって出てきます。男の精と 女 の精が合体し、胎児の腎気となり妊娠が成立します。受精した時点で胎児の腎気の強弱が決まっていて、これが持って生まれる「先天の気」です。腎の力は成長 と同時にその力も高まっていきます。中国の古典医書『黄帝内経』という書物の中では、腎気の年齢的消長を次のように述べています。


  女子では、「七歳で腎気の働きが活発化し、歯が生え替わり、髪も長くなる。14歳で天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる。21歳で体格 は頂点に達し、28歳で筋骨は充実して引き締まり、毛髪は最も長く豊かになる。しかし、35歳になると陽明経脈の機能が衰え、白髪が進行し、49歳で任脈 が空虚になり、月経が停止する」
 最近CMでよく見る女子は7年ごとに節目を迎えるとの出典はこの『黄帝内経』の記載です。


生殖能力において腎は非常に大切であり、どんなに年齢が若かくても、生活環境や食生活などで腎の力が不足して来ると、生殖能力が衰え、次第に卵巣機能や子宮機能が低下し、無排卵や無月経、子宮内膜が薄くなり、着床しにくいなどの症状が出てきます。

肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。

東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・お血が出現します。

女 性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、血という形で滞った悪い血が溜 まってきます。このお血の状態が進むと、軽い症状としては頭痛・肩凝り・月経前のイライラ・めまい・足の冷えとして現れます。

上で書いたように女性の場合は経絡のいずれかが弱っている事により、不妊症の諸症状が出てくることが多いのです。

鍼と灸を用いて、特に腎経・肝経のツボを刺激することによって、女性が本来持っている生命力を再び取り戻し、卵巣と子宮の機能が高まり、妊娠しやすい体質へと改善されていくわけです。卵巣機能不全などのホルモンのバランスの崩れには、東洋医学が非常に効果的です。

しかし東洋医学だけに全てを頼るのではなく、症状によっては西洋医学との併用が有効であると考えます。

当治療院では刺さない鍼を使用する鍼灸治療により不足している五臓の気を補い、「体の冷え」を治療し妊娠しやすい体質に改善をすることを目標といたしております。


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