茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年4月12日「不妊症の治療・生理不順・お血とは?」

2016-04-13 06:16:15 | 日記

当院では鍼灸による不妊症の治療をしていますが、不妊症の原因の多くは「冷え」と「瘀(お)血」と「ストレス」と考えます。

「生理不順」と言う事で治療にみえられた方のお腹を診察したら下腹部が硬く冷たく「冷え」と「瘀(お)血」が強く典型的な「瘀(お)血」の証でした。

再度お見えになられ『先週治療を受けてから程無く生理が来ました。』と報告を頂きました。

治療は「腎虚証」で全体治療を行い、ビワの葉温灸や標治法で四満・腰陽関・血海などを使用しました。

今回は「瘀(お)血」について簡単に説明してみたいと思います。

「瘀(お)血」は悪血・古血とも呼ばれています。


当院では腹診で証を立てそれに従い鍼灸治療をしていますが、肩こり・のぼせ・冷え性・生理不順・不妊症等の症状で来院される方の中には左下腹部に圧痛や硬血や冷感域があることが多く「瘀(お)血」の症状が見られることがあります。

東洋医学では流れが悪く滞りがちな血液を「瘀(お)血」と呼び、血液が正常な状態に比べて粘度が強く流れが悪く、よどんだ状態の事を言います。

また東洋医学では左下腹部の圧痛や硬結や冷感域を特に「瘀(お)血の証」と呼んでいます。


不妊症の治療では「肝・腎・脾」の3臓を調えることが重要となります。

「瘀(お)血」の関係が深い臓も「肝・腎・脾」となりますが、肝は血を蔵し(肝蔵血)、肝血が不足すると月経量が少なくなりひどい場合は閉経したりします。

また肝不蔵血の場合は月経量が多くなりひどいと不性器出血が起きます。

肝の血流調節の機能は蔵血と疏泄機能のバランスが保たれて初めて正常に行われるもので、肝の疏泄機能が衰えると生理不順・生理痛が起きやすく、「瘀(お)血」が出来やすいのです。

肝は血を蓄え、体の血量を調節する働きをしています。

東洋医学では「肝は血を蔵する」と言われています。

肝は過度の怒り(怒る・イライラするということ)が起きると、精神上の激しい刺激を受けてその正常な働きができなくなり、酷いときは吐血まで引き起こすことがあるといわれています。

つまり肝経の血の流れ、特に、骨盤内の流れが悪くなることにより、冷え症・瘀(お)血が出現します。

女性の場合、骨盤内に子宮という血液を集めたり、出したりを繰り返す臓器があるために、月経がスムーズに繰り返さなければ、瘀(お)血という形で滞った悪い血が溜まってきます。

この瘀(お)血の状態が進むと、頭痛・めまい・肩凝り・のぼせ・生理不順・生理痛・月経前のイライラ・冷え性等の症状が現れ、また不妊症の原因ともなります。

当院では鍼とお灸を使い体の陰陽バランスを調え、妊娠しやすい体造りをお手伝いします。


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壽堂日記28年4月11日「不育症と鍼灸治療。」

2016-04-11 06:47:37 | 日記

当院では「不妊症」の鍼灸治療を行っておりますが「不育症」の鍼灸治療も行っておりますのでご相談ください。

 「不育症」とは聞きなれない言葉ですが「不育症」は単一の診断名ではなく、複数の病態を含みます。

 厚生労働科学研究班 では、

 「妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合」

 つまり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、習慣流産 に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」と定義しています。

 これらの事例の約半数は偶発的流産で、特別な治療を行わなくても次回妊娠予後は良好ですが、残りの半数に凝固異常や夫婦の染色体異常や、子宮形態異常などの共通のリスク因子が認められることがあります。

 統計上では毎年妊娠される方のうち、数万人は不育症の可能性があります。

 妊娠初期の流産の原因の大部分( 約80%) は、胎児( 受精卵) の偶発的な染色体異常とされていますが、流産を繰り返す場合には、その他に、流産のリスクが高まる「リスク因子」を有することがあります。さまざまなリス ク因子がありますが、リスク因子がある場合でも、100% 流産するわけではないので、「原因」ではなく「リスク因子」と表現されています。

 反復・習慣流産(不育症) のリスク因子には、夫婦の染色体異常に加えて、妻側の要因として、子宮形態異常、内分泌異常、凝固異常、母体の高齢年齢、ストレスなどが考えられています。

 「不妊症」「不育症」でお悩みの方は現代医学の治療と共に東洋医学的な治療を受ける事も一つの選択肢であると考えます。

当院では妊娠から出産まで「母体となる女性の身体造りと健康管理」をお手伝いいたします。


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壽堂日記28年4月9日「腰痛の鍼灸+ビワの葉温灸治療。」

2016-04-09 06:04:29 | 日記

ことぶき堂鍼灸院では「鍼灸治療+ビワの葉温灸」の治療を行っております。

「ビワの葉温灸」と書きましたが、当院では「電気式のビワの葉温灸器」、ビワの生葉を使用し棒灸を使用した「ビワの葉灸」ビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく湿布」の三種類の「ビワの葉療法」を行っています。

数的には「全体治療」後にビワの生葉を使用した「ビワの葉温こんにゃく療法」を受けられる患者さんが多数を占めます。

それには理由があります。最初に鍼を使用し「全体治療」で虚している臓の「気」を補うのですが、当院の接触鍼を主体とした治療を受けると肌の層理(=毛穴)が開きます。

「ビワの葉こんにゃく温湿布」はビワの葉が肌に直接触れる面積が大きく、またお灸ほど熱くない為、点では無く面で開いた毛穴から「ビワの生葉」の有効成分が熱によってじんわりと体内深く浸透します。

温める部位は「腎臓」「肝臓」が多いですが疼痛緩和の場合は痛みや凝りがある場所にも行います。

当治療院では腰痛・坐骨神経痛・肩こりから前立腺肥大・前立腺炎・膀胱炎など幅広い症状の方に鍼灸と「ビワの葉灸・ビワの葉温湿布」を併用した治療を行います。

今回は急性の腰痛の患者さんがお見えになりました。最初は歩くのもベッドに上がるのも難儀されている御様子で、脊柱起立筋が頸部から腰部まで緊張しており、下腿も凝りが強く委中の反応が顕著でした。

脊柱起立筋の緊張を緩める鍼をした後に腰部に「ビワの葉温灸」をして「ビワの生葉」の有効成分が熱によってじんわりと体内深く浸透した後に経絡に沿って丁寧に温灸器を掛けます。

治療後患者さんがベッドの上で起き上がり開口一番

『すごい!正座が出来る様になりました。』との事。座ることも出来ない位強かった痛みが劇的に引いたそうです。

「鍼灸治療+ビワの葉温灸」が体質に合っていたようですね。


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壽堂日記28年4月8日「悪阻(つわり)の鍼灸治療。」

2016-04-08 07:56:46 | 日記

当院で「不妊症」の治療を受けられ妊娠された患者さんが「悪阻(つわり)」の治療を受けに来られました。

吐き気・背痛・腰痛が特に辛いそうです。

「つわり」の多くは東洋医学的には脾胃虚弱体質のため、妊娠後に下焦に血が盛んとなり衝脈の気が上逆して、胃を犯し、胃が和降を失い発症すると考えられています。

当院では刺さない鍼を使用する「本治法」で体全体の治療を行い、体全体の陰陽バランスを調えた後に腸と胃の調和を図る治療をします。

「つわり」の処方は多くありますが膻中(だんちゅう)と背面の脊柱上の貫抜き灸と内関の組み合わせはよく効きます。

先ず背部の督脈経の陶道から身柱・筋縮までを按圧して反応の強い所にお灸をして、次に前胸部の任脈経を璇璣(せんき)から膻中(だんちゅう)・中庭まで按圧して反応の強い所にお灸をします。

膻中(だんちゅう)の作用の一つに調気降逆作用があり、内関は胃・心・胸に通じ寧心安神、理気降逆の作用があります。

当院では不妊症の鍼灸治療を行っておりますが、妊娠された後は出産までの体調管理も行っております。


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壽堂日記28年4月7日「胚移植された患者様から嬉しい報告を頂きました。」

2016-04-07 06:15:30 | 日記

当院で「胚移植」をされる前後に鍼灸治療を受けられた患者さんがお見えになり『妊娠の陽性反応が出ました。』と報告してくれました。

すでに悪阻(つわり)の症状が出ている様です。母体の体調管理、悪阻の軽減に鍼灸はよく効きます。

当院では刺さない鍼を使用する「積聚治療」で不妊症の治療を施術しております。

「胚移植」の直前と移植後に鍼灸治療を受けると妊娠率や出産に至る確率が高まる事はよく知られており「胚移植」前後に治療を受けられる患者さんは多いのです。

この元になった研究はアメリカのメリーランド大学医学部統合医療センターの研究員らの調査で「体外受精時の胚移植の前後に鍼治療を受けることで、その後の妊娠率や出産に至る確率が高まることが明らかになった。」と報告されています。

こ の報告は欧米4ヶ国で実施された1366名の女性を対象に、体外受精時の胚移植の前後に、伝統的な鍼治療を受けた女性のグループ、にせの鍼治療を受けた女 性のグループ、そして、何も施されなかった女性のグループのその後の成績を比較したところ、伝統的な鍼治療を受けたグループは他のグループに比べて、妊娠 した割合が65%、そして、出産に至った割合が2倍であることが分かったそうです。

体外受精時の胚移植の前後の鍼治療は、その後の妊娠率や出産率を向上させることがデータで裏づけたられた訳です。

当院では妊娠されたその後も母体の体調管理、悪阻の軽減等を鍼灸でサポートさせていただいております。


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