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『腰痛で足が痺れます。』と患者さんが見えられました。お話を伺うと病院で腰椎の癒着があると診断されたそうです。
病院では痛み止めと湿布が処方されたそうですが、外科的な措置は難しい様です。
伏臥位で背部を軽擦すると腰部の脊椎に数か所突出している部分が観察されます。また肩部は筋肉が固まっていて脊柱起立筋が頸から腰までが厚く固くなり、両方の臀部の筋肉が固く小野寺臀部点に著明な圧痛があり下腿も筋肉の緊張と圧痛が認められました。
痛む場所は坐骨神経の走行ラインと合致している様であり、足の痺れも坐骨神経の症状の様に思えます。
当院では「経絡治療」が確立される前の古流の鍼灸術である「澤田流鍼灸術」と「経絡治療」とを併せて使用して治療しています。
今回は先ず「腎虚証」で証を立て虚している「腎の気」を補い、その後に澤田流鍼灸術を使い肩部と腰部と下腿の凝りを緩め腰陽関と仙骨周りを箱灸で温めた後に脊椎の異常のある部分にビワの葉灸を行いました。
背面で治療を終えて、今度は仰臥位で治療、両足の膝陽関と血海に鍼とお灸をして最後に四関穴に鍼をして経絡の流れを調えました。
患者さんは治療を終えて『腰の痛みが全然違います、足の痺れが無くなりました。』と喜んでお帰りになりました。