「卵巣過剰刺激症候群」による不正出血を治療した患者さんから当院で「鍼灸による妊活」を受けたいと相談を受けました。
排卵誘発剤を使用したことで体が「脾陽虚」の状態でしたので継続して鍼灸治療を受け「脾虚」を補う事は「妊娠し易い体を造る。」第一歩になると思います。
不正出血治療は腹診して証として「脾陽虚」で治療しました。
東洋医学の理論では「脾気」が虚して統血機能が低下すると各種の出血症が起きるとされています。
統血とは血を脈外に漏らさず体内を巡らす働きのことで「脾」がその働きを担うと考えています。
「脾気」が衰えると出血傾向が現れやすく、吐血、血便、血尿、皮下出血、鼻血、月経過多、不正出血などの症状がでます。
その場合は「脾気」を補う治療を行うと「統血機能」が回復して出血が止まります。
「脾陽虚」は「脾気虚」が進行して「脾陽虚」となったケースと「腎陽虚」が影響を及ぼして「脾陽虚」になったケースの2種類があり、それを「四診」を使って判断するわけです。
大元の「虚している臓」の気を補うのを「本治法」と言いますが、当院では先ず「積聚治療」で「本治法」を行い、虚している気を補い、個々の症状に合わせて標治法として様々な配穴を使用しています。
東洋医学において、大きく分けて肝・脾・肺・腎の4つが、妊娠に影響すると言われています。
脾の気が不足すると、妊娠の障害となる様々な症状が出てきます。
患者さんと先ず「脾虚」の状態を治し「妊娠し易い体を作りましょう。」と治療方針を決めました。
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