亀田興毅くんはこれが8度目の防衛戦。
相手は(いつも通り、いやいつも以上)の「亀田条件」を満たした選手、
1.下位ランカー(14位)、わおぉ
2.低KO率(20勝6KO)、わおぉ
3.長期ブランクあり(ここ約1年試合無し)、わおぉ
4.主戦場は下階級(フライ、Sフライ)、わおぉ
今回は敵地(韓国)での試合ということだったが、いつも以上の低レベルの選手を選んだことで、「なんとしてもKO勝利をしたい」という気持ちが見えたマッチメイクだ。
そして亀田親父を先頭に恒例の亀田トレインで登場、「なるほど、海外で防衛戦をすれば親父がセコンドにつけるのね」と納得し、勢い良くリングイン。
誰がセッティングしたのか意味不明な美川憲一の国歌斉唱、もうシュール過ぎてこの時点で我が家大笑い(別に美川憲一さんが嫌いなわけではないですよ)。
そして1ラウンドのゴング、今までも下位ランカーを選んできた亀田興毅だったが、今回はさらに相手のレベルが低いのがすぐ判る。とにかく何の策も無くガードがら空きで飛び込んでは大振りのパンチを振るう孫正五。ボクシングに「もし」と言うのは御法度だが、山中慎介だったら簡単に左ストレートで倒せそうだ。いや4回戦ボーイでも良い打ち合いが出来そうだと本当に思う(笑)。
そんな相手だから「亀田興毅がKOするのも時間の問題だな」と思って見ていたら、孫正五のスローな大振りのパンチをもらうもらう亀田くん。よく世界戦の前座でデビュー同士の4回戦の試合でノーガードの打ち合いを見るが、思わずそれを思いだすほどの「良い打ち合い(笑)」を展開、「亀田興毅ってこんなに弱かったのか?」とこれには正直驚いた。
そして10Rにはスリップ気味とは言え(パンチが当たっているので)完全なダウンを奪われる。それでも亀田興毅ががむしゃらにいけばダウンを奪い返せるだろうと思っていたら、ずるずると乱戦に巻き込まれてしまう。「あら、あら、おいおい、もしや」と思っていたらそのまま相手のペースで試合終了となる。
試合は判定となるが、この採点の集計に時間が掛かる。その間にもテレビに映っている亀田興毅はうなだれながら「負けたかな?」と言っているようだ。私自身まさか判定まで行くとは思っていなかったので採点はつけていなかったが、まぁいつも通り亀田興毅の2-1勝利かなと思っていたら、まさかの試合結果が発表される前に番組終了!!!ここで我が家2回目の大爆笑。
つかみはOK、予想外の展開、最後は予測不能な結末、映画だったら大ヒット間違い無しなのだが、これはボクシングであり、スポーツなのである。皆さんに大きな声で言いたい、「これは世界タイトルマッチでは無い」、こんな試合だったら後楽園ホールの4回戦の試合を見たほうが(技術は未熟でも一生懸命な姿に)心打たれるものがある。
試合後のインタビューで「勝っているからまだ運がある」なんて暢気なことを言っているが、このレベルの選手と互角の戦いをするなんて本当にまずいですよ。海外防衛は渡辺二郎、徳山昌守、西岡利晃、三浦隆司、そして亀田興毅、並べられて恥ずかしくないですか?恥ずかしいと思わなかったらもうボクシングを辞めるべきです。
本当に。
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ボクシングマガジン 2013年 12月号 [雑誌] |
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