「スパングリッシュ」2004アメリカ映画
白人社会とヒスパニック系社会との狭間に揺れるメキシコ人母娘。
典型的な裕福な白人家庭の情緒不安定な母に翻弄される娘。
淡々としたハート・ウォーミング系の映画なのだけれど、
ちょっと盛り沢山過ぎて消化不良気味な感も少々あり。
けれども、そんな中、キラリと光るシーンが
子どもの性質を、確固たる口調で褒められ、
父親役のアダム・サンドラーの言うコトバ。
「あの子の良さをわかっているつもりだけれど、
ひとに言われるとすごくホッとする」
このセリフに共感!!
子育ては自問自答の連続。
その子の良さを親としてわかっているつもりでも、
こころは揺らぐ。
そんななかで、家族以外のひとから
我が子の良さを、そのひとの言葉で語られると、
ほんの短い言葉であれ、とても救われる気持ちになることがある。
うちの長男は筋金入りのマイペースで、
周りと自分を比べることもなければ、
焦るとか、悔しい、とかそういう感情の発露が
全く見られないタイプ。
親としてはもっとも歯痒いタイプの子どもかも。
やればできる(かもしれない!?)のに、
スイッチがはいらない。
六年生の時に、近所の算数教室の先生
(教職を退職されたシルバーご婦人先生)に
少しそれをこぼしたことがあった。
すると先生は、きっぱりと
「おかあさん、○くんはだいじょうぶ。
こういう素直な子は、この先に必ずのびるから!
勉強だけ出来ても、こころが曲がっている子も
たくさん見てきたからわかるの。
私は○くん、とても楽しみよ。」
と話してくださった。
額面通りにそのまんま受け取る性格のわたし。
先生のコトバに思わず泣いてしまった。
どんな親でも、我が子の良さをちゃんとわかっていても
いつだって、これでいいのか、間違っていないか、
手探りで進むだけ。
そんなときの、啓示のようなひとことは
親にとって、トンネルの先の明り。
渇きの中の一杯の水のよう。
あの時の先生の言葉にこころから感謝している。
彼のスイッチは、いまだ明瞭にONには
なっていないのだけれどネ!
半ONや半OFFとかもアリだってわかってきたから
少し俯瞰な目線で見ていられるように
親としてちょっと成長したかな。
ワン・シーンのセリフで、そんなことをあれこれ想い出した、
映画「スパングリッシュ」だった。