時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

意図のない芸術

2021-06-24 | essay

庭の雨ざらしの水槽に
葉脈だけになった葉っぱを見つけた。
ここには長男が置いていった金魚が一匹、逞しく生活している。
金魚が泳げないほどに繁りすぎた水草を少しどけたら
この綺麗に溶けてほぼ葉脈だけになった葉っぱを見つけたのだった。
水に落ちたアイビーの葉のようだ。
一体どれだけ浸かっていたらこうなるのだろう。

昔長男が中学の時、高校のオープンキャンパスの体験授業で葉を化学薬品に浸けて葉脈だけに加工する実験を見学したのを思い出した。

自然の力は偉大だ。
放っておいてもこうして分解されまた地球の一部として循環されていく。

自然と時間が創り出したうつくしい芸術でありながらもそれを全く意に介さず、自然の摂理のままにただ黙々と淡々と還っていく行程としてそこにある。
そこになんの意図もないうつくしさこそが、真の芸術なのではないか。

洗濯物を干しながら目にした庭の小さな雨ざらし水槽に繰り広げられる自然のドラマにいたく感動するある日の朝でありました。






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